「海洋資源環境学部」って?“海の未来”を科学で守る理系の最前線
親: 「海洋資源環境学部」って、どんなことを学ぶ学部なの?名前だけじゃちょっとイメージしづらいわね。
子: 一言で言うと、「海を守り、海を活かす技術と知識」を学ぶ学部だよ。東京海洋大学の海洋資源環境学部では、海洋環境の調査・保全・資源開発・エネルギー利用など、地球規模の課題に取り組む理系の学びが中心なんだ。
親: 環境問題や資源の話って、これからの時代に欠かせないテーマね。海の世界でそれをやるのね。
子: そう。「海のSDGs」を科学と工学で支えるっていう感じ。実験も実習も多くて、**“机の上だけじゃ終わらない理系”**を学べるよ。
学部の特徴|“環境・資源・エネルギー”を軸に未来志向の海洋科学を学ぶ
● 海をめぐる課題を科学的に解決する
- 海洋の環境変化・海洋ごみ・地球温暖化などの調査・分析
- 水産・鉱物・海底資源などの持続的利用に向けた研究
- 潮流・波力・海洋温度差など自然エネルギーの活用法も探る
● 実習・観測重視のカリキュラム
- 練習船「海鷹丸」「やよい丸」や、観測機器を使った実習が充実
- 海中ロボット・水中ドローン・GIS(地理情報システム)などの先端技術も活用
- 海上・陸上・研究室を行き来する“実践型の理系教育”
● 環境保全・資源管理・エネルギーと幅広い分野に対応
- 環境工学、資源探査、計測技術、保全政策まで幅広く学べる
- 学際的な視点で、行政・企業・研究機関との共同研究も多数
- SDGs達成を意識したプロジェクト型学習が豊富
子: 海のデータを“集めて”“考えて”“活かす”のが、この学部の大事な役割なんだよ。
学びのステップ|海を知り、測り、未来に役立てる4年間
● 1年次:海洋環境と科学技術の基礎を学ぶ
- 数学・物理・化学・生物の理系基礎+海洋科学入門
- 環境問題の現状や、海洋の地形・気候・流れを理解
- 基礎実験・コンピュータ演習で理系の土台を固める
● 2年次:応用分野を広げ、観測・実験に挑戦
- 海洋資源学、環境計測学、リモートセンシングなどを履修
- 海上観測や沿岸調査などの実習を本格的に経験
- データ解析やプレゼン演習で“伝える力”も育てる
● 3年次:ゼミ活動と専門探究が本格化
- 興味のある研究室に入り、実験・観測・分析に取り組む
- 海洋ごみ問題、藻場の再生、潮流エネルギーなど多彩なテーマに挑戦
- チームでの調査・報告書作成・学内発表会も実施
● 4年次:卒業研究とキャリアへの橋渡し
- 研究テーマを決めて、自主的にフィールドワークや分析を実施
- 研究成果を論文にまとめ、プレゼンテーションで発表
- 進学・就職に向けた個別指導もスタート
実践フィールドの例|“現場で学ぶ”から、リアルな理解が身につく
- 東京湾・相模湾での海洋観測(温度・塩分・生物量など)
- 海底地形のソナー測定・海底鉱物資源の探査
- 漁業と環境の共存を考える地域連携プロジェクト
- 海洋再生エネルギー(波力・潮流)の実験と評価
- 環境DNA・マイクロプラスチック調査と政策提言
学生の雰囲気|理系らしく落ち着きつつ、現場好きな行動派も多い
- 理数系が得意で、自然や環境問題に関心がある学生が多い
- 物静かだけど、海での実習や観測となると行動力が発揮される
- パソコンやデータ解析も得意な学生が多く、分析力に長けている
- “派手ではないけど芯がある”タイプの学生が多い印象
就職・進路|海と地球を支える多様な分野へ
● 主な進路分野
- 官公庁(水産庁・環境省・地方自治体など)
- インフラ・建設系(海洋土木・港湾調査・環境アセスメント)
- 環境コンサル・調査会社(海洋調査・保全計画)
- エネルギー企業(再生可能エネルギー開発)
- 大学院進学(環境工学・海洋物理学・資源管理など)
● 資格取得・支援体制
- 技術士補、測量士補、環境計量士などの理系資格に対応
- キャリアセンターによる公務員・研究職対策も充実
- 研究室推薦や学会参加による“研究→就職”のルートもあり
子: 地味に見えて、すごく社会に必要とされてる仕事がいっぱいある学部なんだよ。
保護者の方へ|どんな子に向いている?
- 理数系が好きで、自然や環境問題に関心がある子
- 海や地球に関わる仕事に就きたいと考えている子
- データ分析や現場調査に興味を持って取り組める子
- 技術や知識を活かして、社会に貢献したい気持ちがある子
- 一歩引いた視点で物事を考え、地道に努力できる子
親: “海を守る仕事”って、すごく意義深いのね。理系として誇れる道ね。
子: うん、目立たないけど、なくてはならない研究と技術が、この学部には詰まってるんだ。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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