「心」「社会」「文化」から人間を見つめ、自分らしく生きる力を育てる
親: 「人間総合学部」って、名前だけじゃ何を学ぶのかわかりにくいけど、どんな学部なの?
子: 一言で言えば、「人間って何だろう?」をいろんな角度から探究する学部なんだ。心理学、社会学、文化人類学、教育学、メディア、表現などがまじり合っていて、“人間を深く理解し、自分の生き方を見つける”ことを大切にしている学びなんだよ。
親: なんだか哲学的な響きもあるわね。でも、それって就職とかにどうつながるの?
子: 実はこの学びが、**「共感力」「伝える力」「考える力」につながっていて、教育、福祉、企業、マスコミ、NPOなど幅広い進路に生かせるんだよ。知識を詰め込むより、“自分の頭で考え、人と対話し、表現する力”**が社会で評価される時代だからこそ、価値のある学びなんだ。
学びの柱|人間を「こころ」「社会」「文化」から読み解く
● 心理・教育・発達の視点から人間理解を深める
- 発達心理学、臨床心理学、教育心理学などを通じて、人の心の働きと成長を理解
- 児童の発達や思春期の心、現代社会のストレス、家族関係などを多面的に探究
- 教育・保育・福祉の現場で役立つ実践的な知見も得られる
● 社会・制度・メディアに目を向け、広い視野を持つ
- 社会学、ジェンダー論、メディア論、国際社会論などを学び、社会の仕組みや問題を多角的に捉える
- ニュースやSNS、映画や広告なども分析対象。“見えているものの奥”を読み解く力を養成
- グローバルな課題(貧困、難民、SDGsなど)への関心も高める
● 文化・表現・言葉から自分を探求する
- 表現ワークショップ、文章講座、演劇・芸術論など、“言葉と身体”を使って自分を表す授業が豊富
- 日本文化・宗教・ジェンダー文化などを深く学ぶことで、自分とは違う価値観への理解も深まる
- 文章力やプレゼン力を育て、“伝える力”を確実に伸ばすカリキュラム
学びの進め方|一人ひとりが「自分の問い」を育てる4年間
● 1年次:自分を知る・人を知る基礎づくり
- 人間論/心理学入門/社会と文化/レポート演習など
- 少人数の基礎ゼミで文章の書き方や話す力を丁寧に指導
- 自己理解・他者理解をテーマにしたワークや発表も多く、対話を通じて学ぶ文化が根付いている
● 2年次:テーマを掘り下げ、専門性を広げる
- 分野横断的に授業を履修しながら、自分の関心あるテーマを探る
- 教育・心理・社会・表現などから複数の視点で「人間」を探求
- フィールドワークやメディア分析など、実践的なリサーチスキルを学ぶ授業もスタート
● 3年次:ゼミでの探究・外部との関わりを通じて深める
- 少人数ゼミに所属し、一つのテーマを継続して探究
- 調査、インタビュー、資料分析、作品制作など、方法は多彩
- 教育実習・ボランティア・インターンなど、学外での経験も単位として認定される
● 4年次:卒業研究と進路の実現
- 卒論テーマは「いじめ」「育児とキャリア」「SNSと孤独感」「若者文化」「母娘関係」など実に多様
- 担当教員の密なサポートを受けながら、最後まで“自分の問い”を言葉にしてまとめあげる
- 就職支援講座、面接練習、エントリーシート添削など、キャリア支援もきめ細かい
実践と表現の機会が豊富|“考えるだけで終わらせない”学び
- 地域の子ども食堂や保育園でのボランティア活動
- 映画・ドラマ・アニメを題材にしたゼミ内ディスカッション
- メディア論の授業で、自分たちでミニ番組を制作
- 他大学との合同セミナーでの研究発表やポスターセッション
- 自分の経験をもとに綴る「私の人生記録」プロジェクト
子: 自分で問いを立てて、自分の足で調べて、人に伝えるっていうプロセスが面白いんだ。
親: 答えのない問いを深める力って、これからの社会に必要な力よね。
学生の雰囲気|やさしさと知的好奇心にあふれた、白百合らしい空気
- 少人数で落ち着いた環境。互いの違いを認め合う雰囲気が強い
- 自分の考えや感情を**“ことば”にすることを大切にしている学生が多い**
- 心理系・教育系・文化系など、興味の方向がそれぞれ違っていて刺激的
- 教員との距離が近く、“聞いてくれる人がいる”安心感の中で学べる
- 白百合ならではのあたたかく、丁寧な人間関係が魅力
卒業後の進路|“人間を深く理解する力”は、あらゆる仕事の土台に
● 主な進路分野
- 教育(小学校・中高教員、特別支援学校、塾講師など)
- 福祉・保育(保育士、児童福祉施設職員、発達支援など)
- 一般企業(人事・広報・企画・接客・サービスなど)
- メディア・出版・ライティング関係
- 公務員(自治体職員、福祉・女性支援関連など)
- 大学院進学(心理学、社会学、教育学、臨床心理士指定校もあり)
● キャリア支援も充実
- 個別相談/自己分析ワークショップ/OG講演会などを通じ、納得のいく進路選択を支援
- キャリアセンターとの連携で、ES添削・面接対策も丁寧にサポート
- 「人間理解×表現力」はどの業界にも通用する“人間力の基盤”に
保護者の方へ|どんなお子さんに向いている?
- 心理・社会・教育・文化など**“人”に関わることに関心がある子**
- 答えのない問いにも、じっくり考え続けられる探究心を持つ子
- 自分の思いや考えを、言葉や表現で伝えることが好きな子
- 他人と比べるより、“自分らしい学び”を大切にしたい子
- 人の痛みに共感できる、やさしさと知的なまなざしを持つ子
子: 答えがないからこそ、深く考えて、人と話して、少しずつ自分の考えが見えてくる。そんな学びができてるよ。
親: やさしさも、考える力も、言葉にする力も——どれも社会でちゃんと役立つ大切な力ね。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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