「医学部」って?人のいのちに向き合うための6年間の学び
親: 医学部って、すごく大変そうだけど…本当にうちの子に向いてるのか、ちょっと不安で。
子: うん、正直ハードだよ。でも、東京女子医科大学の医学部は、単に医師免許を取るためだけじゃなくて、「どうすれば患者さんの人生に寄り添えるか」を考えるような教育をしてくれるんだ。医療を“人の営み”として学べるっていうか…。
親: 名前の通り、女子だけの医学部なのよね?
子: そう。女子だけって聞くと不安になる人もいるけど、むしろ女性として働く・生きる・医師になることをリアルに学べる場だと思うよ。育児や出産と医療の両立、女性患者への理解、チーム医療での役割とか、全部を“自分ごと”として考えるきっかけがいっぱいある。
学部の理念|「至誠と愛」で育む、人に寄り添う医師
- 建学の精神:「至誠と愛」
創設者・吉岡弥生先生の言葉に基づき、「真心」と「人への愛」を根底に置いた医学教育
技術だけでなく、人としてどう生きるかも問われる - 女性医師のロールモデルが多く在籍
教員・卒業生ともに女性医師が多数活躍
キャリア・家庭の両立、専門医取得の道筋、研究とのバランスなど、等身大で学べる機会が豊富 - 患者中心の医療×科学的根拠に基づいた診療(EBM)を重視
コミュニケーション力、倫理観、意思決定支援なども教育の柱
子: 「優しいだけじゃなく、強くて誠実な医師になろう」っていう空気がある。すごく真面目だけど、温かい大学だよ。
学びのステップ|6年間で“医学の基礎から臨床の実践”まで
■ 1・2年次:医学の基礎と人間理解を徹底的に学ぶ
- 解剖学、生理学、生化学などの基礎医学科目を徹底的に履修
- 医療倫理、医師の役割、チーム医療の考え方なども同時に学習
- 医療人としてのふるまい・対話・感受性を育む「医学概論」「医療人間学」あり
■ 3・4年次:臨床医学を学び、現場での判断力を養う
- 疾患別の講義(循環器・神経・消化器・呼吸器など)+診断学・病理学などを横断的に理解
- 模擬診療・バーチャル患者・症例検討会などの実習中心授業
- 医療英語、統計学、疫学、EBMなども強化
■ 5・6年次:臨床実習(臨地実習)で医療現場へ
- 5年次:大学病院や関連施設での臨床実習(内科・外科・小児科・産婦人科など)
- 6年次:より高度な診療チームに入り、実践的な役割を体験
- 卒業試験・国家試験対策もこの時期に本格化
親: 最初は座学ばかりかと思ってたけど、かなり早い段階から現場を意識した授業があるのね。
子: うん。人体模型じゃなくて“人間”を相手にするっていう意識が、1年生の頃からすでにあるよ。
臨床実習と教育環境|「東京女子医大病院」が学びの舞台
- 新宿の大学附属病院(東京女子医科大学病院)を中心に学内実習
総合病院としての多科体制+女性医療センターなど独自性のある現場で経験を積める - 電子カルテ演習・模擬病棟での診療体験・模擬患者制度も整備
最新の設備+“患者役”を演じる訓練スタッフの存在で、実践的な診察トレーニングが可能 - 地域医療・在宅医療・緩和ケアなどの教育も重視
医療現場の多様性を理解し、どんな医療環境でも柔軟に対応できる力を育てる
子: 実習で出会う患者さんの中には、「あなたに診てもらいたい」って言ってくれる人もいて。あの瞬間に“医者になりたい”って改めて思ったな。
学生の雰囲気|まじめで共感力のある“仲間”たちと切磋琢磨
- 女性だけの環境なので、遠慮せず率直に話せる空気感
- 授業や実習に対してとにかく真剣。自律的に学ぶ姿勢が当たり前
- チームで協力する文化が根づいていて、孤立せず相談し合える風土
- 医学だけでなく「人に関心がある」「人の痛みに共感できる」人が多い
子: 難しい内容でも「一緒に乗り越えよう」って雰囲気があって、孤独じゃないのがありがたいんだよね。
就職・進路|卒業=ゴールじゃない。“医師として生きる”キャリアの第一歩
■ 国家試験と卒後研修
- 医師国家試験合格率は全国でも高水準を維持(毎年90%以上)
- 卒業後は初期研修(2年間)を経て、専門医研修へ進む
- 初期研修先は女子医大病院、国立病院、大学病院など多彩
■ 多様な専門分野へ
- 内科・外科・産婦人科・小児科・麻酔科などで女性医師として活躍
- 研究医として大学院進学・基礎医学への道も可能
- 在宅医療・ホスピス・女性医療・周産期医療など“女性の視点”を活かした進路が多いのも特徴
■ 生涯支援あり
- 卒業後も継続的に支援される「女性医師キャリア支援センター」
- 結婚・出産後の復職支援、短時間勤務制度、院内保育所なども整備
親: 医学部に入って終わりじゃなくて、ちゃんと“医師として生きていく”ことまでサポートされてるのがありがたいわ。
子: “医師である前に、ひとりの人間としての生き方”を一緒に考えてくれるっていう安心感があるんだよね。
保護者の方へ|どんな子におすすめ?
- 人の気持ちや立場に寄り添える力がある子
- 勉強に真剣に取り組み、地道に努力できる子
- 女性としてのキャリアを“医師としてどう築くか”を考えたい子
- 技術だけでなく、人の命に向き合う責任感を持てる子
- 医療の現場で、人のために働きたいという覚悟のある子
子: ここに来て、“医師になる”ってことが“人を支える人生を選ぶ”ことなんだって、やっと実感できたよ。
親: 技術よりも、「人のいのちを預かる責任感」。それを教えてくれる場所に出会えて、私も安心しました。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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