「人間科学部」って?人と社会に“寄り添う力”を学ぶ場所
親: 「人間科学」ってちょっと聞き慣れない言葉だけど、何を学ぶのかしら?
子: 一言でいうと、“人を深く理解して、人を支える力”を育てる学部だよ。心理学や福祉、教育や社会学の視点から、子どもから高齢者まで、あらゆる人の心や生活、社会との関係を幅広く学ぶんだ。
親: 心理学部や福祉学部とは違うの?
子: 似てるけど、もっと「学際的」で「総合的」な学びなんだ。たとえば、いじめ、不登校、ひきこもり、虐待、認知症、介護、災害支援、共生社会など、現代の複雑な社会課題に対して、“人の立場で考える力”を育てるのが特徴なんだよ。
学部の特徴|心理・福祉・人間関係をつなぐ“対人支援力”の養成
● 心理学+福祉+社会学を横断的に学ぶ
- 臨床心理学、発達心理学、社会福祉学、教育心理学、文化人類学など幅広く学習
- 対人援助に必要な“理論+実践”の両輪を育てる
- 心理士や福祉職を目指す人も、社会一般で活かしたい人もOK
● 現場での体験重視
- 保育園・福祉施設・学校・医療現場などでのフィールド実習
- 地域福祉・ボランティア活動・ピアサポートなど、実地での学びが充実
- 子ども・高齢者・障がい者との交流型プログラムも豊富
● 「聴く力・考える力・つなげる力」を育てる演習が充実
- 少人数ゼミ形式で、日常の問題を深掘りして考える授業が多い
- 他者と対話することを通して“気づき”を得る授業設計
- グループワーク・ロールプレイ・事例研究で実践的スキルを身につける
学びのステップ|「人を支える力」を深める4年間
● 1年次:自分と社会を見つめる“人間理解”の導入
- 人間科学入門/心理学概論/社会福祉概論
- 心理テスト体験や社会調査ワークなど、五感で学ぶ導入授業が多数
- 体験型学習を通して“支援する側としての自己理解”が始まる
● 2年次:理論と現場をつなぐ基礎力を育てる
- 臨床心理学/発達心理学/地域福祉論/教育と社会
- ケーススタディ(例:不登校の子ども、高齢者の孤独)を使った実践演習
- 地域施設での実習・インタビュー・観察実習などで現実にふれる
● 3年次:専門性と“支援のあり方”を探究
- 心理アセスメント、ソーシャルワーク、家族支援、メンタルヘルス
- ゼミに所属し、自分の関心分野(例:発達障害支援、老年期の不安)を深堀り
- NPOや福祉団体と連携した実地プロジェクトにも参画
● 4年次:卒業研究と「自分なりの支援観」の構築
- 実習記録や調査データをもとにした卒業論文執筆
- 発達障害児支援の実態調査、虐待防止策の提案など、社会貢献型の研究テーマ多数
- 進路決定・就職活動のサポートも手厚く、専門職から一般企業まで幅広く対応
武蔵野大学 人間科学部の魅力|“人のために動ける”力を育てる環境
● 多様性を尊重する教育
- 学生一人ひとりの関心に応じて、柔軟に履修を組める
- 支援を必要とする人を一方的に“助ける”のではなく、“共に歩む”姿勢を重視
- LGBT・マイノリティ支援・国際福祉など、多様な視点を取り入れた授業がある
● 実務家によるリアルな授業
- 現役の心理士、福祉士、行政職員、NPO職員などが教壇に立つ
- 実際の支援の現場で何が起きているか、どんな葛藤があるかを知る
- 現場の“しんどさ”と“やりがい”の両面を正直に伝えてくれる
● 小さな気づきを大切にする文化
- 教員と学生の距離が近く、悩み相談にも親身
- 自己探求を重視し、自分の価値観や弱さと向き合う場が多い
- 「答えを出す」のではなく「問いを持ち続ける」ことを学ぶ
学生の雰囲気|やさしくて真面目、“人のために”が原動力
- 子どもやお年寄り、障がいのある人に関心のある学生が多い
- 穏やかで人の話をよく聴くタイプが多く、協調性が高い
- 実習やゼミでは、地道な努力を重ねてじっくり成長する空気感
- 心理職や支援職を目指すだけでなく、企業就職にも前向き
就職・進路|“人を理解し、支える力”を活かせるフィールド多数
● 主な進路分野
- 福祉関連(社会福祉協議会、児童養護施設、障がい者支援施設など)
- 教育支援(スクールソーシャルワーカー、学童保育、学習支援事業など)
- 心理関連(大学院進学→臨床心理士、公認心理師)
- 一般企業(人事・営業・販売・広報・CSRなど、“人”を扱う仕事)
- 公務員(福祉職・心理職・市区町村行政など)
● 資格取得支援
- 社会福祉士国家試験受験資格(要履修)
- 公認心理師対応カリキュラム(大学院進学が前提)
- 福祉心理支援士・認定心理士・児童福祉士等のサポート体制あり
子: 就職先はバラバラだけど、「人のために何かしたい」って気持ちはみんな共通してるんだ。
親: 心を扱うって、目に見えないものだからこそ、深く丁寧な学びが必要なのね。
保護者の方へ|どんな子におすすめ?
- 人の気持ちや行動に興味がある子
- 子ども・高齢者・障がいのある人などと関わることが好きな子
- 心理学や福祉に関心があるけれど、まだ将来の職業を模索中の子
- 「支えたい」「寄り添いたい」気持ちが強い子
- 理屈より“人とのつながり”を大切にしたいタイプの子
子: 人間科学部って、派手さはないけど“人を大切にする力”がじっくり育つ場所だよ。
親: それが、これからの社会にいちばん必要な力かもしれないわね。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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