「“地球市民”って何だろう?」——世界を見て、動く女性を育てる学び
親: 「地球市民学部」って、名前からは想像がつきにくいわね。どんなことを学ぶのかしら?
子: 一言でいうと、「世界と地域をつなぎながら、人や社会のために行動できる人」を育てる学部だよ。国際関係、文化理解、環境、地域貢献、グローバル教育…すごく幅広い分野を学べるの。
親: 世界のことを学ぶのは分かるけど、就職につながるのか少し不安だわ。
子: それがね、英語力、発信力、現場での実行力が身について、企業、自治体、NPO、国際協力団体、教育関係…“人と社会に関わる進路”に強いんだ。しかも、「女性が世界と関わる力」を大切にしてるところが、清泉らしいんだよ。
学びの3本柱|世界を見る、社会に関わる、自分で考え動く
● グローバルな視点で世界と向き合う
- 国際関係論/平和学/開発学/NGO/NPO論などで、国際社会の構造と課題を学ぶ
- 異文化理解/宗教・思想/移民・難民問題なども幅広くカバー
- 「正義って何?」「支援の在り方とは?」といった価値観の違いに気づく学びが中心
● ローカルに根ざして社会課題とつながる
- 地域福祉、環境保全、観光まちづくり、ジェンダーなど日本国内の課題にも注目
- 多文化共生センターや地域団体と連携し、ボランティア・調査・発信活動を展開
- 「地球市民=遠い世界の話」ではなく、「足元から世界を考える力」が身につく
● 「自分の問い」を軸に行動するプロジェクト型学習
- 学年が上がるほど、“与えられた学び”から“自分でつくる学び”へ移行
- プロジェクト型授業やゼミ活動で、企画・調査・発信・実行を経験
- 自分で考えて行動する姿勢を大学全体がバックアップ
学びのステップ|教室と社会を行き来する4年間
● 1年次:地球市民とは何か?視野を広げる基礎づくり
- 地球市民論/世界の歴史と思想/社会問題入門などを履修
- 英語・ICTリテラシー・プレゼンテーション力も同時に強化
- 東京の街歩きや地域フィールド学習もあり、学外に出る授業が多い
● 2年次:多様なテーマに触れ、自分の関心を発見する
- アジア・アフリカ・中南米の地域研究/国際協力の現場を事例で学ぶ
- ボランティア参加や地域課題プロジェクトが本格化
- 教室外の学びを報告・共有することで、**「経験を学びに変える力」**が育つ
● 3年次:ゼミ活動×フィールドワークで学びを深める
- ゼミごとにテーマ(例:難民支援、環境保全、食とグローバル化、女性の権利など)を探究
- 自治体・国際機関・企業との共同プロジェクトに参加する機会も
- 海外研修や交換留学も選択可能で、現地で学ぶ機会を自分でつかむ段階へ
● 4年次:卒業研究と社会への接続
- 自分の関心から「問い」を立て、1年かけて卒論を完成
- フィールド調査/インタビュー/社会実験など方法も自由度が高い
- 進路支援と連動して、自分の学びを“社会にどうつなげるか”を形にしていく
実践的な学びの例|動きながら学ぶ、社会とつながる
- 都内外国人支援団体でのボランティア(生活支援、日本語教育)
- 「地域とつくるエシカルツアー」プロジェクトで観光企画を提案
- 都市のフードバンク活動に参加し、食品ロスと貧困問題を学ぶ
- フィリピン・ネパールなどへの海外研修(現地NPO訪問・ワークショップ)
- 女子学生目線で考える地域ジェンダー課題フォーラムへの登壇
- 国連機関インターンを経て、開発援助テーマの卒論を執筆
子: 動いて、失敗して、悩んで、振り返って——そんな体験がそのまま学びになってるよ。
親: 実社会と直結してるからこそ、将来に活かせる学びなのね。
学生の雰囲気|自分の意見を持ち、対話を大事にするあたたかな空気
- 穏やかでまじめ、だけど内に強い“想い”を持つ学生が多い
- 多様な考えを歓迎する文化があり、「話し合って深める」スタイルの授業が中心
- 海外経験者もいれば、地方出身でこれから世界を見たい子も
- 「これが正解」ではなく「一緒に考えよう」という姿勢が自然に根づいている
- 留学生との交流も日常的で、多文化に開かれた環境
就職・進路|“社会と関わる力”が活かせる道が広がる
● 主な進路先
- 国際協力団体/NGO/NPO/国際交流財団
- 地方自治体(多文化共生・観光・福祉など)
- 一般企業(旅行、出版、教育、サービス、外資系など)
- 教育機関(学校、国際教育支援、広報)
- マスコミ・Webメディア・広告関連
- 大学院進学(国際関係、地域研究、教育、社会学など)
● キャリア支援体制
- 1年次からキャリア授業を開講し、「社会での自分の立ち位置」を意識づけ
- 個別相談、OG座談会、インターン紹介など支援が手厚い
- 小規模大学ならではの**“一人ひとりと向き合う進路指導”**が魅力
保護者の方へ|どんなお子さんに向いている?
- 世界や社会に関心があり、“もっと知りたい”という気持ちがある子
- 多様な考え方に触れながら、自分の意見を育てたい子
- ただの勉強ではなく、実際に社会で役立つことを学びたい子
- 英語やプレゼンなどの“伝える力”を身につけたい子
- 社会課題を自分ごととして考え、行動する力を持ちたい子
子: 「正解のない世界」で、どう動けるか。その力をここで育ててもらってる感じがするよ。
親: 世の中にある課題と向き合って、自分にできることを探せる子になってくれたら、それが一番うれしいわね。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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