「音楽学部」って?“音楽で生きる”覚悟と才能が交わる、日本最高峰の学び舎
親: 東京藝大の音楽学部って、やっぱり特別な場所なのよね?どんな学生が集まって、どんなことを学ぶの?
子: うん、日本最高峰って言われるだけあって、音楽に対する情熱と技術を持った人が全国から集まる場所だよ。ただ技術を磨くだけじゃなくて、“芸術とは何か”を問いながら、自分の表現を突き詰める学びが待ってる。
親: 卒業したら演奏家になる人が多いの?
子: 演奏家だけじゃなくて、作曲家、音楽教育者、指揮者、音響技術者、研究者など、音楽に関わる道がいろいろあるんだ。藝大の音楽学部は、音楽を“仕事”にしたい人たちの本気が集まる場所なんだよ。
音楽学部の全体像|演奏・作曲・教育・研究……すべての音楽キャリアに対応
- 「演奏家」を目指す実技系(声楽・器楽・邦楽)
声楽、ピアノ、弦楽器、管打楽器、邦楽(箏・三味線・尺八など)などの専門分野で徹底的に技術と表現を磨く
週4~5日の個人レッスン+合奏・重奏・リサイタル形式の実践教育 - 創作・分析・理論を深める「作曲・指揮・楽理」分野
作曲家・編曲家・指揮者・音楽学者などを目指す高度な教育を展開
音楽理論・スコア分析・作品研究・演奏企画力なども重点的に学ぶ - 音楽を“伝える力”を育てる音楽教育・音楽環境創造など
学校教育現場・音楽療法・舞台運営・音響技術など幅広い応用が可能
音楽と社会をつなぐ力を育成し、教育者・プロデューサーなどにも対応
子: どの専攻も、芸術を“深く、厳しく、真剣に”学ぶ場。音大っていうより、“音楽の研究所”って感じだよ。
学びのステップ|「基礎」じゃなく「本気の実技と探究」が4年間続く
1〜2年次|「藝大生」としての基礎体力を整える時期
- 週数回のマンツーマン実技レッスン(専攻ごと)
- ソルフェージュ・楽典・和声・音楽史などの理論科目
- アンサンブル・室内楽・合唱などのグループ演習
- 演奏会での実践経験(定期演奏・学外公演)も早期から経験
親: 高校までとは全然違う密度なのね。
子: ほんとに毎日“音楽漬け”。音楽が中心にある生活になるよ。
3年次|表現力と研究力を深め、自立した音楽家へ
- より高度な実技指導(演奏・作曲・指揮など)
- ゼミナール形式での作品研究や音楽史探究
- 作曲や指揮では自作自演や実演指導の機会も
- 邦楽専攻では伝統楽器演奏と歴史研究を融合した学びを展開
4年次|卒業制作・卒業演奏で「4年間の集大成」を示す
- 卒業演奏・作品発表・論文執筆など、専攻ごとに異なるアウトプット
- 一般公開で行われる卒業演奏会は毎年話題(超本気モード)
- 就職・進学・プロデビューの選択も本格化
子: 「藝大の卒業発表=本番の舞台」って感覚。オーディションみたいな緊張感だよ。
キャンパス・環境|上野の静寂と芸術の緊張感が共存する特別な空間
- 上野公園内にある緑豊かなキャンパス(東京都心とは思えない静けさ)
- 教室からはピアノやヴァイオリンの音が絶えず流れる“音楽の森”
- ホール、スタジオ、防音個室、レコーディング設備など全国最高レベル
- 多くの演奏家・作曲家・批評家が藝大出身で、常にプロの世界と隣り合う環境
親: まさに“特別な空間”って感じね。技術だけじゃなくて、感性が磨かれそう。
子: 毎日「自分、まだまだだな……」って思わされる。でも、それが誇りでもあるんだ。
学生の雰囲気|「音楽に真剣な人しかいない」。努力と表現の毎日
- 全国トップレベルの演奏技術を持つ学生が多く、レベルは非常に高い
- 反面、みんな“仲間”として互いをリスペクトする文化
- 音楽以外の話も多く、交流は意外と自由でフレンドリー
- 昼夜問わず練習する姿が当たり前。技術も精神力も鍛えられる
子: 音楽のことだけを本気で語れる友達ができたのが、一番うれしかったかも。
就職・進路|プロへの道も、教育・研究・マネジメントへも広がる選択肢
主な進路分野
- プロ演奏家(ソリスト・オーケストラ所属など)
- 作曲家・編曲家・指揮者・音楽監督
- 音楽教員・音楽療法士・音楽研究者
- 放送局・音楽出版社・文化財団・舞台制作会社
- 大学院進学(藝大・国内外の音楽院・研究機関)
キャリア支援と実績
- 演奏家への推薦・紹介制度あり(プロオーケストラ、音楽事務所)
- 就職希望者には個別相談+音楽を活かしたキャリア支援プログラムあり
- 音楽教員・研究者を目指すための大学院進学率も高い
- 卒業後すぐにデビュー、コンクール入賞、海外留学なども多数
親: 夢のような世界だけど、卒業後のことがやっぱり心配……
子: 厳しい世界ではあるけど、藝大って“つながり”が強い。先生や先輩からの紹介や支援で、進路が開けることも多いんだ。
保護者の方へ|どんな子に向いている?
- 毎日コツコツ練習を重ねる“努力の才能”がある子
- 音楽を「職業」にしたいという強い気持ちを持っている子
- 自分の感性や表現をとことん追求したい子
- 音楽を通じて、人や社会と深く関わっていきたい子
- 技術だけでなく、“心で演奏する”ことを大切にしたい子
子: 音楽って、人を癒したり、鼓舞したりできるすごい力を持ってる。藝大では、それを“本気で使いこなす力”を学べるんだ。
親: それはもう、普通の大学では得られない学びね。応援する覚悟も問われるけれど、それ以上の価値があると感じたわ。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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