「仏教学部」って？ 自分と社会を見つめ直す“思索の時間”が流れる場所
親： 仏教ってお寺のこと？ いまどき仏教学部って、どんなことを学ぶの？
子： たしかに「お坊さんになる人が行く学部」ってイメージあるよね。でも実際は、仏教という“人間の心”を扱う学問を通して、社会や生き方を深く見つめ直す学部なんだ。
立正大学の仏教学部は、仏教の教えを土台に、歴史・文化・哲学・倫理など幅広いテーマを探求できるユニークな学部なんだよ。
親： 宗教って難しそうだけど、現代にも通じることがあるのね。
子： うん。人の悩み、苦しみ、幸せって、昔も今も根っこは変わらない。だから仏教の思想って、むしろ“今の時代だからこそ”響くことが多いんだよ。
学びの特徴｜「仏教＝お経」じゃない、心と社会の探究
● 日蓮仏教をベースに、幅広い宗派・思想を学ぶ
- 立正大学は日蓮宗の流れをくむ大学。日蓮思想や法華経に深く触れられる
- 浄土宗・禅宗・真言宗など、他宗派や東南アジアの仏教にもアプローチ
- キリスト教やイスラム教など、他宗教との比較研究も可能
● 仏教を“歴史・文化・哲学”として読み解く
- 日本仏教史／インド・中国仏教史／仏教美術／仏教文学など多彩な科目
- 仏典や写本の読解、寺院建築や仏像の意味にも迫る
- 禅・瞑想・死生観など、哲学的テーマも多く、思索の深まりがある
● 実社会や教育現場で活きる“心の学び”
- ストレス社会におけるメンタルケアや心の教育にも仏教の知恵が生きる
- 現代社会における宗教の役割や課題を考える授業も開講
- 仏教と医療・福祉・教育をつなぐ探究型学習
カリキュラムの流れ｜基礎から現代応用まで、探究の4年間
● 1年次：仏教の基礎を知る
- 仏教概論／日蓮思想入門／仏教史／宗教哲学基礎
- サンスクリット語・漢文に触れ、仏典の世界を感じる
- 初年次ゼミで文献読解やディスカッションのスキルを習得
● 2年次：宗派・思想・文化を広く学ぶ
- 仏教美術論／戒律と僧院生活／死生観と仏教倫理など選択科目が充実
- 学外研修（寺社訪問・仏教施設見学）や博物館実習あり
- 日常の悩みや社会問題を仏教の視点から考える演習授業
● 3年次：自分の興味を掘り下げる
- ゼミに所属し、研究テーマに取り組む（例：災害と宗教／仏教と教育）
- 調査・文献・フィールドワークを組み合わせた探究活動
- インド・タイ・スリランカなどへの仏教研修旅行も実施
● 4年次：卒論・発表で思索を結晶化
- 卒業論文執筆（例：現代社会における仏教の役割／仏教とジェンダー）
- プレゼン大会や論文発表会で、成果を対外的に発信
- 宗教とキャリアの関係、現代への応用についての学びも深化
現場とつながる体験型学び｜「仏教を社会で活かす」実践も
- 寺院での法話・研修／仏教行事の運営サポート
- 小学校・高校での「宗教の授業」実習補助
- 社会福祉施設での傾聴ボランティアや仏教的ケアの実習
- 博物館・図書館での仏教文化資料の整理実習
- 死生学やグリーフケアを学ぶ特別プログラムもあり
学生の雰囲気｜静かだけど芯のある、深く考える仲間たち
- 哲学や宗教に興味のある子、歴史や文学が好きな子が多い
- 心理学や教育学と並行して学ぶ学生も（複数学部履修可）
- 一人ひとりが“自分なりの問い”をもって深く学び、語り合う空気
- 静かながらも内面に情熱を持った学生が多く、落ち着いた学びの場
就職・進路｜「人を理解する力」が活きる多彩なキャリア
● 主な進路分野
- 教育（宗教科教員／学校図書館司書など）
- 公務員（文化財・歴史・地域振興関係）
- 一般企業（出版・観光・伝統産業・CSR部門など）
- 宗教法人／寺院運営／仏教系NPO・国際支援団体
- 大学院進学（仏教学・宗教学・哲学など）
● 資格・支援体制
- 中高教員免許（宗教）／学芸員資格
- 司書／社会教育主事／宗教系資格
- 仏教系・文化系大学院進学のための個別指導あり
- 寺院の後継者向けプログラム（宗門推薦制度）も整備
保護者の方へ｜こんなお子さまにおすすめです
- 歴史や哲学、宗教など“深く考える学問”が好きな子
- 人の心や社会の在り方を、広く優しい視点で考えたい子
- 教育や福祉、文化の分野で“人に寄り添う仕事”をしたい子
- じっくり本を読んだり、文章を書くのが好きな子
- 現代社会の中で「自分の軸」を育てたい子
子： 最初は“ちょっと変わった学部かな”って思ってたけど、学ぶほどに「人って何だろう」「幸せってなんだろう」って、日常のことがすごく大事に思えてきたよ。
親： それはきっと、どんな仕事や人生にもつながる“深い土台”になるわね。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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