東北芸術工科大学 芸術学部で学べる内容とは?
親: 芸術学部って、絵を描くだけじゃないの?どんなことを学ぶの?
子: もちろん絵を描く授業もあるけど、それだけじゃなくて彫刻、日本画、洋画、版画、映像、インスタレーション、アートマネジメントまで幅広く学べるんだよ。芸術を“表現”だけで終わらせず、社会にどう発信するかまで考えるのが特徴かな。
親: へぇ、社会との関わりまで考えるのね。美大ってもっと内向きな世界かと思ってた。
子: 東北芸工は、むしろ地域や社会とのつながりを重視してるよ。山形という土地を活かした作品づくりや、地元の人と一緒に進めるアートプロジェクトが盛んで、街づくりや観光とも連携してたりする。
親: 作品が社会の役に立つって、ちょっと意外。
子: そう、芸術を“暮らしに根ざした表現”としてとらえるのが、ここならではの考え方だよ。
実技・制作・アートプロジェクトのリアル
親: 実際の授業って、どんな風に進むの?
子: 基本は制作中心。朝から晩までアトリエにこもって作品を作ることもあるし、先生との個別指導や講評会も多いよ。最初はデッサンの基礎からしっかりやって、だんだん自分の表現方法を模索していく感じ。
親: そんなに長時間、何を作ってるの?
子: 僕の場合は、インスタレーション作品を作ってて。地元の廃材を使って“山形の風景”をテーマに空間を構成したんだ。プロジェクトの一環で展示もあって、一般のお客さんが見に来てくれたよ。
親: それってもう、ほとんどプロの仕事ね。
子: うん、だからこそ「アート=社会と対話する手段」って実感できた。アーティストとして表現するだけじゃなく、企画・発信・展示設営まで全部学生がやるから、実践力もつくんだ。
東北芸工のキャンパスと学生の雰囲気
親: 芸術系の学生って、ちょっと個性的なイメージがあるけど、実際はどう?
子: たしかに個性的な人は多い(笑)。でもそれって、みんな“自分の表現”を大事にしてるからなんだよね。服装も自由だし、音楽や写真、建築にハマってる子もいて、ジャンルを超えて刺激が多いよ。
親: 競争とかギスギスした空気はあるの?
子: 逆に助け合いの文化が根づいてるかな。展示準備で夜遅くなっても、みんなで一緒に仕上げる雰囲気があるし、先生たちも“良き指導者”って感じで丁寧にフィードバックしてくれるよ。
親: キャンパスはどんな場所にあるの?
子: 山形市郊外の自然に囲まれた場所で、静かに制作に集中できる環境。アトリエも広いし、作品制作に必要な道具や素材も一通りそろってるから、恵まれてると思う!
東北芸術工科大学 芸術学部の就職と進路は?
親: 美大って就職が不安ってイメージあるんだけど、実際どうなの?
子: たしかに就活の仕方はちょっと特殊だけど、サポート体制はしっかりしてるよ。ポートフォリオ(作品集)の作り方指導、OB・OGとの座談会、企業とのマッチングイベントもあるし、自分のスタイルに合った進路を探せる感じ。
親: 卒業後はどういうところに行くの?
子: グラフィックデザインや広告、映像制作、アパレル、インテリア系に行く人もいるし、アーティスト活動を続けながらギャラリー運営やイベント企画に関わる人もいる。教員や公務員、地域おこし協力隊になる人もいるよ。
親: 地元志向の子も多いの?
子: 結構いる。山形県や東北に残って、地域の文化や風土を活かして仕事をしたいっていう子が多いのも芸工大の特徴かな。
一番の思い出は?
親: 大学生活の中で、一番印象に残ってることってなに?
子: 学内展示で、自分の作品が思った以上に多くの人に見てもらえたこと。展示を見て泣いてくれた人がいて、「自分の表現が誰かの心に届いた」ってはじめて実感した瞬間だった。
親: それはまさに、アートの力ね。
子: うん。その一言で、4年間の苦労が全部報われた気がしたし、「これからも表現を続けよう」と思えた大切な出来事だったよ。
受験生の親に伝えたいこと
親: 最後に、この大学を目指す子の親御さんに伝えたいことってある?
子: 東北芸術工科大学は、「表現したい気持ち」を大事に育ててくれる場所です。技術や理論はもちろん大切だけど、それ以上に「人と社会にどう関わるか」を問いながら作品づくりができるから、アーティストとしても人としても成長できます。子どもの“好き”を応援したいと思うなら、安心して送り出して大丈夫な環境だと思います!
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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