文学部って、具体的にはどんなことを学ぶの?
親:文学部って、ざっくり「本を読む学部」っていうイメージなんだけど、実際には何をするの?
子:確かに本を読むのは大事だけど、それは入口でしかないよ。成蹊大学の文学部では、日本文学、英米文学、哲学・倫理学といった分野を通して、「人間とは何か」「文化や言語はどう社会を形づくるか」みたいな深い問いを考えるんだ。読む、書く、議論する、そして考える。それを繰り返して、自分の頭で世界を見つめる力を鍛えていく学部だよ。
親:文学って、将来にどうつながるのか分かりにくい気もするけど…。
子:でも実は、社会に出たときに問われる「考える力」や「伝える力」って、文学部でこそ育てられるんだよね。文章を読み取る力、相手に伝わるように言葉を選ぶ力、曖昧なものを深掘りする力って、どんな仕事にも求められてるスキルなんだ。
どんな学科やコースに分かれているの?
親:文学部って、どんな分野に分かれているの?全部文学なの?
子:成蹊大学の文学部は、「日本文学科」「英語英米文学科」「現代社会学科」の3つに分かれてるよ。それぞれ独自の視点から、人間や社会を深く見つめる学びをしてるんだ。
たとえば──
・日本文学科では、古典から現代文学、書道や日本語学も含めて、ことばと表現を深掘りする。
・英語英米文学科は、英語圏の文学・文化・思想を読み解きながら、英語の運用力も高めていく。
・現代社会学科では、現代のメディア・ジェンダー・都市文化などを社会学や思想の視点から探るよ。
親:文学にとどまらず、「人と社会」に向き合う学問ってことね。
子:そうそう。どの学科も「人間とは何か」を問い直すって点では共通してるかな。
授業のスタイルは?発表や議論が多いの?
親:文学って静かに読書するだけのイメージがあるけど、授業ってどんな感じ?
子:もちろん読むことは大切だけど、それをどう解釈するかを「話す」「書く」ことで深めていく授業が多いよ。たとえば、小説を読んで感想を書くんじゃなくて、「この表現はなぜこう書かれているのか?」って疑問をぶつけ合ったり、詩や評論をもとにディスカッションしたり。ゼミではプレゼンや発表もあるし、自分の意見を持つ力が鍛えられる。
親:静かな学びだけじゃなくて、対話や発信も大事なんだね。
子:うん。特に少人数ゼミの多い成蹊では、ただ“受け身”で学ぶんじゃなくて、“対話しながら自分の考えを育てていく”っていう雰囲気があるよ。
学生の雰囲気は?どんなタイプの子が多いの?
親:文学部って、「本が好きで内向的な子が多い」って勝手に思ってるんだけど、実際どうなの?
子:本が好きな子は確かに多いけど、それだけじゃなくて、「人間観察が好きな子」「哲学的な問いが好きな子」「言葉でじっくり考えたい子」って感じかな。派手な子は少ないけど、感受性が豊かで、芯が強いタイプが多い気がする。
親:落ち着いた雰囲気があるのかしら。
子:すごくあるよ。キャンパスも穏やかで、文学部は特に静かな空気感。でもゼミになると熱い議論が起きたりして、知的な熱量を感じる瞬間があるんだ。
就職に不利って本当?進路はどうなの?
親:正直言って、「文学部って就職に弱い」っていうイメージがあるのよね…。
子:そう思われがちだけど、実際はそんなことないよ。文学部で培った「考える力」「書く力」「伝える力」は、どんな業界でも強みになる。特に近年は、AIやITが進む中で、人間らしい視点や創造力が求められていて、それってまさに文学部の得意分野なんだ。
親:実際にはどんなところに就職してるの?
子:編集・出版・広告・教育はもちろん、一般企業の広報・人事・営業、IT企業の企画職、公務員まで本当にさまざま。大学院に進んで研究を続ける人もいるし、教員免許を取って先生になる子もいるよ。
主な進路例:
- 出版社・新聞社・広告代理店・編集プロダクション
- 一般企業(広報・企画・人事・営業など)
- 公務員(国家・地方)や図書館司書、学芸員
- 中学・高校の国語・英語教員
- 大学院進学(文学・文化研究・社会思想など)
印象に残っている授業やエピソードは?
親:大学生活の中で、印象に残っている授業ってある?
子:「夏目漱石の作品を、当時の新聞や時代背景から読み直す」っていう授業があって、同じ文章でも全然違う読み方ができるって驚いたよ。言葉って生きてるんだなって、実感した。
親:本を読むって、深い営みなんだね。
子:うん、「読む」ってただ文字を追うんじゃなくて、過去と現在、他人と自分をつなぐ行為なんだって気づかされた。文学部の学びって、人生そのものに影響を与えるって感じがするよ。
最後に、保護者の方へひとこと
親:文学部って、将来の道がぼんやりしている分、親としては少し不安になることもあるのよね。
子:でも、文学部は「確かな思考力と表現力を育てる場所」だと思います。社会はどんどん変化してるけど、その中で“人を理解する力”や“言葉で世界を動かす力”はこれからもっと大事になる。成蹊大学の文学部は、そういう力を丁寧に育ててくれる学部です。
親:どんな子に向いてると思う?
子:「本が好き」「言葉を大切にしたい」「自分の考えを深めたい」「人や社会に興味がある」――そんな子には、本当にぴったりの場所だと思う!
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
コメント