「社会イノベーション」って一体なにを学ぶの?
親: 名前からして新しい感じのする学部だけど、「社会イノベーション」って一体なにを学ぶのかしら?ちょっと抽象的すぎてピンとこないわね。
子: それ、よく言われるんだよね(笑)。でも実はすごく実践的な学部で、簡単に言うと「社会の課題をどう解決するか」を、いろんな分野から学ぶところなんだ。経済・経営・政策・社会学・メディアなどを横断的に学んで、自分の興味に合わせて“社会を変える力”を育てていくのがこの学部の目的なんだよ。
親: ふむふむ。たしかに今の時代に必要そうなことね。でも、分野が広すぎて、結局何を専門にするの?
子: 成城大学の社会イノベーション学部では、1年次で幅広く学んだあと、2年次以降に「公共領域」「企業領域」「市民社会領域」「国際領域」の4つの中から自分の関心分野を選んで専門を深めていくスタイル。たとえば、行政政策に興味があれば公共、NPOや市民活動に興味があれば市民社会、ビジネスやマーケティングが好きなら企業領域って感じ。
専門性は身につくの?「なんでも屋」にならない?
親: でもちょっと心配なのは、広く浅くになって“専門性が身につかない”ってことにならないかしら。就職のときに武器になるの?
子: それもよく言われるけど、実際は逆で、「複数分野をかけ合わせる力」が評価される時代だから、強みになるケースが多いよ。たとえば、経営と政策を掛け合わせて地方創生を考えるとか、社会学とメディア論でジェンダーや環境問題に取り組むとか。今ある“ひとつの専門分野だけ”じゃ解決できない課題に向き合うからこそ、多角的な視点が活きる学部なんだ。
親: そう言われると、時代の先を行ってる感じもするわね。授業はどんな雰囲気なの?
子: アクティブラーニングが多いよ。フィールドワーク、グループディスカッション、プレゼン、レポート……「座って話を聞くだけ」の授業は少なめで、自分で考えて発信することが求められる。自治体や企業と連携して、実際の社会課題に取り組むプロジェクト型の授業もあるから、かなり実践的だと思う。
ゼミや学びのスタイルは?社会とのつながりが強い?
親: そういう学びって、教室の中だけじゃできないような気がするけど……現場とのつながりはあるの?
子: めちゃくちゃあるよ。たとえば、地域自治体との協働プロジェクトで空き家活用や観光振興を考えたり、NPOや企業と一緒にイベント運営をしたりすることもある。授業やゼミの枠を超えて、インターンや実地調査に参加する学生も多いから、「実社会に出て行く力」がどんどん鍛えられる。
親: ゼミはどんなふうに行われてるの?
子: 教授の専門分野に沿って少人数でディスカッションしたり、フィールドに出たりするのが基本。たとえば、「地域メディアと住民の関係」「企業の社会的責任とブランディング」「ジェンダーと政策設計」など、テーマは多種多様。ゼミは2年次後期から本格的に始まって、4年次には卒論にまとめるのが一般的だよ。
学生の雰囲気は?個性派が多い?
親: この学部、なんとなく“意識高い系”が多そうなイメージがあるけど、実際はどんな学生が多いの?
子: たしかに、自分の意見を持ってたり、社会課題に関心がある子が多いけど、全然ギスギスしてないよ。むしろ“多様性”が大事にされていて、いろんな考え方や価値観を認め合う雰囲気がある。ディスカッションも活発だけど、相手を否定しない空気感があって、のびのび話せるのがいいところ。
親: 男女比や他の学部との交流はどう?
子: 男女比はほぼ半々くらいかな。女子も多くて、ジェンダーや育児、キャリアに関するテーマに取り組む子も多いよ。成城大は学部横断の活動も盛んだから、経済学部や法学部の子と一緒にイベントをやったり、サークルでつながったりすることも多いよ。
就職や進路は?「実学」ってどう活きるの?
親: 社会課題とかフィールドワークって、なんとなくかっこいいけど、就職にちゃんとつながるのか心配だわ。
子: そこは心配いらないよ。社会イノベーション学部は“実学”重視のカリキュラムだから、企業からも「行動力・協働力・発信力」がある学生として評価されやすいんだ。就職先も多様で、行政・NPO・広告・コンサル・商社・IT・教育など、本当に幅広い。公務員になる人も毎年いるし、大学院で研究を続ける人もいるよ。
親: 専門が一つじゃないのに、ちゃんと企業が評価してくれるのね。
子: うん。むしろ、「現場で鍛えた実行力がある」「いろんな分野を見渡せる」として採用に有利になるケースも多いんだ。とくに近年は、SDGsや地域活性、ダイバーシティといった視点がビジネスの現場でも重視されてるから、この学部の出身者の価値がどんどん上がってる感じ。
主な就職先例:
- 地方自治体・国家公務員(政策・福祉・観光分野など)
- 博報堂、リクルート、電通PR、ADKなどの広告・PR業界
- 日本政策金融公庫、地銀、信用金庫など金融系
- NPO法人、教育系ベンチャー、地域プロジェクト推進機関
- コンサルティング会社、マーケティング企業
- 成城大学大学院、他大学大学院への進学
印象に残った授業や経験は?
親: 大学生活で、「これは忘れられない!」っていう体験はある?
子: 2年次の「実践型プロジェクト」で、地方の過疎地域を盛り上げる観光企画を立ち上げたときかな。地元の人たちと何度も話し合って、最終的にイベントを開催したんだ。現場での課題と向き合う中で、自分のアイデアが社会に作用する実感を得られたし、「誰かの役に立てるってこういうことなんだ」って思えた貴重な経験だったよ。
最後に、保護者の方へひとこと
親: 自分の子が“社会を変える”って、本当にできるのかしら…ちょっと現実離れしてる気もするけど。
子: たしかに大きな目標に見えるけど、社会イノベーションって「日常の小さな課題を見つけて、行動する」ってことから始まるんだよね。成城大学のこの学部では、そうした視点と行動力が自然と身につく環境が整ってる。一見ふわっとしてるようで、実はとても骨太な学部だと思う。
親: どんな子に向いてると思う?
子: 「社会に違和感を持っている子」「枠にとらわれず、柔軟に考えたい子」「人と協力して、何かを変えていきたい子」――そんな子には、絶対に合う学部だと思う!
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
コメント