文芸学部って「文学部」とは違うの?
親: 文芸学部って、成城大学ならではの名前よね。いわゆる「文学部」とは違うのかしら?
子: うん、似てるようでちょっと違うんだ。文芸学部は、文学だけにとどまらず、「芸術」や「思想」まで含めて、広い意味での“人間の表現”や“感性”を学ぶ学部なんだよ。成城の文芸学部では、文学・美術・映像・哲学などを総合的に扱っていて、「感じる→考える→表現する」っていう流れをすごく大切にしてるんだ。
親: なるほど、「表現する力」を育てる学部なのね。感性とか思想って、現代では軽視されがちな気がするけど、大切な力よね。
子: そうなんだよ。テクノロジーが進化していく時代だからこそ、人間の内面に迫るような学問の価値が見直されてきている。文芸学部では、「人間とは何か」「言葉はどう意味を生むのか」みたいな根源的な問いを考えるから、自分の思考を深める場としてすごく面白い学部だと思う。
具体的にどんな分野が学べるの?専攻はどう分かれてる?
親: 文芸学部って一見ふんわりしてるけど、具体的には何を専攻するの?
子: 成城大学の文芸学部には「英文学」「日本文学」「芸術学」「ヨーロッパ文化」「哲学」の5つの専修があるよ。2年生から専修を選んで、自分の関心のある分野を深めていくスタイル。たとえば、シェイクスピアや近代詩を読むのが好きなら英文学、アニメ・映画・演劇を研究したいなら芸術学、現代思想や倫理に関心があるなら哲学専修、って感じで選べるんだ。
親: 自由に選べるのね。複数の分野をまたいで学ぶこともできるの?
子: もちろんできるよ。たとえば、英文学専修だけど芸術学の授業も取る、とかは普通にある。逆に「ひとつのジャンルをとことん深めたい」って人にも応える授業設計がされていて、卒業論文は自分のテーマをじっくり掘り下げることができるよ。
授業やゼミの雰囲気は?ディスカッション中心?
親: こういう学部って、ずっと本を読んでるだけなのかしら?授業のスタイルはどんな感じなの?
子: 確かに読書量は多いけど、ディスカッションやプレゼンもかなりあるよ。たとえば、ある小説について自分なりの解釈を発表して、みんなで意見を交わす授業もあるし、哲学の授業では問いを立てて議論を深めるタイプの授業も多い。芸術系だと、映像を分析したり、美術館での実習があったりもする。
親: 受け身じゃなくて、自分で考えることが求められるのね。
子: そうそう。成城の文芸学部って、先生との距離もすごく近いから、少人数で深い議論ができるのが魅力。ゼミでは「死生観の文学」「現代アートと社会批評」「映像メディアとアイデンティティ」みたいなテーマを扱っていて、どれも今の時代とリンクしている内容ばかりなんだ。
学生の雰囲気は?クリエイティブな子が多い?
親: 文芸学部って、個性的で感受性豊かな子が多いイメージだけど、実際はどう?
子: まさにそんな感じ!小説を書いてる子、演劇をやってる子、詩が好きな子、映画オタクの子、とにかく「表現したい」「考えたい」っていう思いを持った子が多い印象だよ。だけど、みんな穏やかで人当たりが良くて、意外と内向的なタイプも多いかも。
親: 男女比は?サークルや学内の活動には積極的なの?
子: 女子がやや多めだけど、男子もちゃんといるし、みんな自然体で学んでる感じ。サークル活動にも参加している子が多くて、文芸サークルや演劇部、映画研究会とか、文芸学部っぽい活動が活発。だけど、音楽系・スポーツ系のサークルにも参加していて、学外のアートイベントに関わってる子も多いよ。
就職は不安?文学や芸術って職業にどうつながるの?
親: 文学や芸術を学んで、就職に困らないのかしら?企業から評価されるの?
子: 正直、技術職や資格職に比べると、就職の道筋がはっきりしていない分、不安になる人もいる。でも、実際には文芸学部の学生は文章力・読解力・企画力が高くて、広報・出版・広告・教育・サービス・ITなど、言葉を使う仕事に強いんだ。とくに成城ブランドもあるから、就活では「地頭が良くて落ち着いている」という評価を受けやすいみたい。
親: 進路は多様なのね。大学院に進む人もいるの?
子: いるよ。とくに研究職を目指す人や、教育系に進む人は大学院進学を選ぶことが多い。成城の大学院に進む人もいれば、東京藝大や早稲田の大学院にチャレンジする人も。「自分の表現を磨きたい」っていう気持ちが強い子が多いから、進学に対して前向きな雰囲気があるよ。
主な就職先例:
- 出版・編集系(小学館、KADOKAWA、幻冬舎)
- 広告・PR会社(博報堂プロダクツ、ADK)
- 映像制作会社、映画関連業界
- 教育関連(高校教員、塾・予備校、教育出版)
- 一般企業(企画職、広報、人事、マーケティング)
- 大学院進学(成城大学大学院、他大文学・芸術系研究科)
印象に残った授業やエピソードは?
親: 授業で「これは人生の糧になった」っていう体験、あった?
子: 映画研究の授業で、「映像が“語らないことで語る”」ということを学んだときは衝撃だった。ひとつの映像に対して、何人もの学生が全然違う解釈を出してくる。そのたびに「自分の視点って、ひとつの見方に過ぎないんだな」って気づかされたし、他人の解釈に学ぶって面白いなって思えたよ。
最後に、保護者の方へひとこと
親: 「文系の最深部」みたいな印象だけど、将来が心配になっちゃう気持ちも正直あるのよね。
子: たしかに即戦力の専門技術は学ばないけど、「感じる」「考える」「言葉にする」っていう人間の根本を磨く学びだからこそ、社会のどこでも応用が利くと思うんだ。だから、焦らずじっくり学んでいける子にとっては、最高の環境だよ。しかも成城の文芸学部は、そういう“深くて自由な学び”が許される数少ない場所だから、自分を育てる4年間としてはすごく価値があると思う。
親: どんな子に向いてると思う?
子: 「物語が好き」「考えることが好き」「表現したい」「自分の内面と向き合いたい」――そんな子には、ぴったりな学部だよ!
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
コメント