【親向け】東京科学大学 理学院の学び・雰囲気・就職をやさしく紹介!

理学院って、「理学部」とどう違うの?

親: 昔でいう「理学部」ってことかしら?でも東京科学大学では「理学院」って名前になってるのね。何が違うの?

子: 名前は違っても、学ぶ内容は「数学・物理・化学」といった“純粋な理学”が中心だよ。ただ、“学院”という名称にしているのは、学士課程から修士・博士課程までを一貫した構造で扱うっていう、大学院中心の東京工業大学の流れを受け継いでるからなんだ。

親: なるほど、「研究者養成」が色濃いイメージね。

子: まさにその通り。東京科学大学 理学院は、基礎科学をとことん突き詰めたい人のための学びの場。短期的な技術よりも、“自然の本質を理論的に解き明かしたい”って思ってるタイプの学生が集まってるんだよ。

どんな分野があるの?自分に合う分野は?

親: 理学って広いけど、実際にはどういう分野があるの?

子: 理学院は大きく以下の3つの系に分かれてるよ。

  • 数学系:代数学、解析学、幾何学、数学基礎論など
  • 物理学系:素粒子、量子、宇宙物理、物性、光学など
  • 化学系:無機化学、有機化学、物理化学、生物化学、反応解析など

どれも「現象の背後にある原理を理論的に探る」っていう姿勢が共通してるんだ。工学みたいにすぐにモノを作るというより、「自然界の法則を解明して、それが将来どう活かされるかを考える」タイプの学びだね。

親: 短期的な成果よりも、深く考え続ける力が求められそうね。

子: うん。でも最近は数理科学や量子情報、AI解析にも理学の理論が応用される時代だから、“実学との距離”もぐっと縮まってきてるよ。

授業や研究はどんな雰囲気?座学中心?

親: 授業はやっぱり座学が多いの?実験やプレゼンはあるの?

子: 数学系は座学や証明中心だけど、物理・化学系は実験もたくさんあるよ。特に化学系は毎週実験レポートを書くこともあるし、研究室配属後はプレゼンや論文読みも日常的。数学系も3年生以降は少人数のゼミで議論する機会が増えてくる。

親: 教員との距離は?理系って質問しづらい雰囲気もあるけど…。

子: 東京科学大はそのあたりが本当にフラット。先生方が「一緒に考える」というスタンスで接してくれるし、むしろ議論を楽しんでる感じ。ゼミの後に雑談しながら研究の話が止まらなくなることもあるくらいだよ。

学生の雰囲気は?静か?個性的?

親: 理学院って、やっぱり“おとなしめの秀才”が多いのかしら?

子: 静かな子は多いけど、ただ静かっていうより、“熱中してる”って感じかな。自分の研究テーマにのめり込んでいたり、休み時間もノートに数式を書いてたり(笑)。でも、その中にすごく面白い発想を持ってる子もいて、個性的だよ。

親: 仲間との交流はあるの?淡々としてそうな印象もあるけど…。

子: 意外とあるよ!学内には理学系の勉強会、サークル、クイズ大会、ボードゲーム同好会なんかも盛んで、研究と趣味を両立してる子が多い。みんな「自分の好きなことを全力でやる」っていう雰囲気があって、干渉しすぎないけど尊重し合ってる感じ。

卒業後はどうなる?研究者ばかり?

親: 基礎研究ってなると、就職先が限られるんじゃないかと心配なのだけど…。

子: たしかに研究職を目指して大学院に進学する人は多いけど、それだけじゃないよ。最近は、数理解析や物理モデリング、化学的視点を持った人材が、IT・金融・製薬・エネルギーなど多くの業界で引っ張りだこなんだ。論理的思考力のある人材として評価が高いんだよ。

親: 一見、つぶしがきかないようで、実は応用範囲が広いってことね。

子: その通り!研究を続ける人も、企業で活躍する人も、自分の軸を持ってるってところが共通点だと思う。

主な進路例:

  • 大学院進学(東京科学大学、東大、京大など)
  • 研究職(理化学研究所、物質・材料研究機構、JAXAなど)
  • IT・AI系企業(Google, NTT, 富士通, PFNなど)
  • 金融・コンサル(野村総研、みずほ、アクセンチュア)
  • 教育・官公庁・公的機関(大学教員、文科省など)

印象に残った授業や研究テーマは?

親: 難しい勉強の中で、「これは自分を変えたな」って思える授業はあった?

子: 「量子力学特論」って授業で、先生が黒板いっぱいに数式を書いたあとに言った一言が忘れられない。「これが“目には見えない世界の言語”なんだよ」って。あの瞬間、“数式で世界を語れる”ことのロマンを感じたんだ。そこから研究者になりたいって気持ちが本気になった。

最後に、保護者の方へひとこと

親: 興味はあっても将来が読みにくいのが理学系って感じるのだけど、本人が本気なら応援したい気持ちもあるのよね。

子: たしかに、即戦力型の学部ではないかもしれない。でも理学院で得られる「本質を考える力」「地道に突き詰める集中力」「自由に思考する発想力」って、社会のどこでも活きる力になる。東京科学大学の理学院は、世界の本質に迫る学びを、本気で追求できる場所だと思う!

親: どんな子に向いてると思う?

子: 「考えることが好き」「知識よりも“問い”に惹かれる」「目に見えないものにロマンを感じる」――そんな子には、間違いなくぴったりの学び場だよ!

本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。

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