「物質理工学院」って、どんなことを学ぶの?
親: 名前からすると“材料系”の学部なのかなと思うけど、「物質理工学院」って具体的にどんなことを学ぶの?
子: 一言でいうと、「物質の性質を理解し、役立つ形でつくり変える力」を養う学部だよ。化学や物理をベースにしながら、エネルギー材料・半導体・バイオマテリアル・機能性材料など、“社会に役立つ素材”を研究・開発するのが中心なんだ。
親: 単なる「化学」でもなく、「工学」でもない、“橋渡し”の学問って感じね。
子: まさにその通り!基礎研究から実用化までカバーする「理学と工学のハイブリッド」みたいな学部で、今まさに社会で求められている分野だよ。
分野はどう分かれているの?どんなコースがあるの?
親: 物質理工学院の中では、学ぶ分野はどう分かれているの?
子: 主に以下のような系・分野に分かれてるよ:
- 材料系:金属・セラミックス・高分子・ナノ材料など
- 応用化学系:有機・無機・触媒・高分子化学など
- エネルギー・環境材料系:蓄電池、燃料電池、太陽電池などの次世代素材
- 物性・構造解析系:電子顕微鏡やX線などで物質の性質を可視化する分野
入学後に基礎的な化学・物理・数学を学び、その上で自分の進路に合った分野に進むという流れだよ。
親: 理論ばかりじゃなくて、実験や応用にも力を入れてるのね。
子: 実験はとても多いし、3年生からは研究室での活動も本格化するから、かなり手を動かして学べる学部だと思う!
授業や研究の雰囲気は?どこまで実践的?
親: 授業はやっぱり座学が中心なの?それとも現場での実験も多いの?
子: 1〜2年は講義中心だけど、2年後期くらいから本格的な実験・演習が始まるよ。材料の合成、分光分析、構造解析、電気伝導測定、界面反応観察など、設備をフル活用した“プロの現場っぽい”内容が多い。
親: なんだか理系の最前線って感じね。研究室に入るとどんな活動を?
子: 3年後期から研究室に所属して、卒業研究や修士研究に取り組む。たとえば「水から水素を作る触媒の開発」とか「リチウム電池の高性能化」みたいな、社会課題と直結する研究も多いよ。企業と連携してる研究もあるし、成果がそのまま製品開発に繋がることもある。
学生の雰囲気は?職人気質?研究肌?
親: なんとなく“実験が好きでコツコツやる”ってタイプが多そうだけど、実際はどんな雰囲気なの?
子: 確かに「現場型」の学生が多いけど、地味ってわけじゃなくて、「好きな分野に没頭する集中力がある」って感じ。理論派・応用派どちらもいて、議論やアイデア出しも活発だよ。
親: 男女比や生活スタイルはどう?
子: 女子学生も年々増えていて、今は1〜2割くらい。学内では男女ともにフラットな雰囲気で、研究に打ち込んでる子もいれば、サークルや起業活動と両立してる子もいて、多様性があるよ。
就職には強い?専門性が活きるの?
親: 専門性が高すぎて就職先が限られるんじゃないかしら…ってちょっと不安もあるのだけど。
子: 逆に「専門性の高さ」が評価される学部だよ。メーカー、化学・素材産業、エネルギー系、IT系など、技術職・開発職・研究職の求人は多いし、大学院に進んでから本格的に研究者になる人も多い。
親: 文系とはまったく違う進路ね。大手企業にも行けるの?
子: 行けるどころか、東京科学大学の物質理工学院は業界でもトップクラスの評価があって、以下のような企業に多数就職してるよ:
主な就職・進学先:
- 素材・化学メーカー(旭化成、三菱ケミカル、住友化学、花王など)
- 電機・自動車メーカー(ソニー、トヨタ、日産、村田製作所)
- エネルギー・インフラ系(JERA、東京ガス、関電工など)
- 研究開発職(NIMS、理化学研究所、企業のR&D部門)
- 東京科学大学大学院、海外大学院
印象に残った授業や経験は?
親: 実験が多くて大変そうだけど、「これはやってよかった!」って感じる授業や体験はあった?
子: 4年の研究で、合成した新材料の構造を自分の手で解析して、結果が論文に載ったときは本当に嬉しかった!何百回も失敗して試行錯誤して、それでも最後に「自分の技術が世界に認められる」って感覚は、この学部だからこそ味わえると思う。
最後に、保護者の方へひとこと
親: 化学や材料って奥が深いけど、どこまで将来に繋がるのか少し不安なのよね…。
子: 物質理工学院は、「社会を支えるものを作る」っていう意味で、すごく実用的な学びができる場所。表には出ないけど、電池・スマホ・医療機器・建材など、現代社会の裏側を支える技術って、ほとんどここで学ぶ内容から来てるんだ。だからこそ、専門を深めた分だけ“確かな力”として将来に繋がる学部だと思う!
親: どんな子に向いてると思う?
子: 「化学が好き」「実験が得意」「新しい素材で未来を変えたい」――そんな子には、絶対におすすめの学部だよ!
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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