環境・社会理工学院って、理系なの?文系なの?
親: 「環境・社会理工学院」って名前を聞くと、理系と文系の間みたいな印象だけど、実際にはどういう学問なの?
子: たしかに文理融合型ってイメージだけど、ベースはしっかり「理系」だよ。ただ、他の理系学部と違って、「社会課題を技術でどう解決するか」をテーマにしてるから、人や社会への関心が強い理系学生に向いてるんだ。
親: 環境問題とか都市計画、防災なんかも含まれてるってこと?
子: まさにその通り。都市づくり・交通・水資源・エネルギー・災害対策・循環型社会・SDGsなど、“人が暮らす場所”や“未来の社会”に関わるテーマを、データや数理・工学の力で考える学問なんだ。
どんな分野に分かれているの?
親: 学院の中では、学ぶ内容はどんな風に分かれてるの?
子: 主に以下の系に分かれてるよ:
- 社会基盤系:インフラ設計、都市計画、防災、交通システム
- 環境工学系:水質、大気、エネルギー資源、環境シミュレーション
- 持続可能社会系:エネルギー政策、再生可能エネルギー、資源循環、環境経済
- データ・政策融合系:都市情報、空間分析、統計解析、政策設計支援など
分野横断的なカリキュラムで、工学だけじゃなく、経済学・政策・倫理も取り入れているのが特徴だよ。
親: 技術だけじゃなくて、社会とのつながりも意識してるのね。
子: そうだね。「便利で安全な社会を、どう技術で支えるか」という視点がすごく強い学院なんだ。
授業や研究のスタイルは?フィールドワークもある?
親: 授業は座学中心?それとも、現地に出たりグループワークが多いの?
子: フィールドワークも多いよ!たとえば都市の交通流動調査を実際に現場で行ったり、地震や洪水のリスク解析を自治体の防災データでシミュレーションしたり。統計・GIS・システム工学をベースに、現場の課題解決に近づく実践型の学びが多いんだ。
親: なるほど、“実社会とつながってる学問”なのね。
子: そうそう。あと、文理融合ってこともあって、プレゼンやレポートも多い。理系だけど「伝える力」も鍛えられるのがこの学院の大きな魅力!
学生の雰囲気は?理系だけど、柔らかめ?
親: 工学院や情報理工学院と比べると、学生の雰囲気はどんな感じ?
子: 真面目で落ち着いた子が多いけど、視野の広いタイプが多い印象。「データも扱えるし、社会課題にも興味がある」っていう、“バランス型”の学生が多いかも。あと女子も他の理系より多めで、和やかな雰囲気だよ。
親: たしかに社会系のテーマだと、共感性とか柔らかさも大事そうね。
子: うん。「人のために役立つ研究がしたい」ってモチベーションが高い学生が多くて、チームワークも良い雰囲気だよ。
就職先は?技術者?官公庁?民間?
親: 環境や社会インフラって分野的には幅広そうだけど、実際どんなところに就職してるの?
子: 就職先は本当に多彩!たとえば:
- 建設・インフラ(清水建設、大成建設、鹿島建設など)
- エネルギー・環境系(東京ガス、関西電力、ENEOSなど)
- コンサル(NRI、アクセンチュア、PwCなど)
- 官公庁・自治体(国交省、環境省、都庁、特別区など)
- 大学院進学(東京科学大学大学院、海外の公共政策系大学院など)
理系だけど、社会とつながる学問だから、技術職だけでなく政策系・企画系の職種にも進めるのが強み!
親: 専門が活かせて、社会貢献もできる進路が多いのね。
子: うん。「現場感覚のある理系人材」って、今めちゃくちゃ重宝されてるんだよ。
印象に残った授業やエピソードは?
親: 授業の中で、「これは印象に残った!」っていう体験はあった?
子: 都市災害リスク評価の授業で、自分たちでシナリオを作って“地震が起きたときの避難行動”を設計したんだけど、シミュレーションで「実際の人の動き」が全然違っていて驚いた。数字だけじゃダメ、人の行動や心理まで考えることの大切さを実感したよ。
最後に、保護者の方へひとこと
親: 子どもが「環境や社会に関心がある」って言うけど、技術者として生きていけるか、ちょっと不安で…
子: 環境・社会理工学院は、まさにそういう子にぴったりの学部。技術だけじゃなく、“その技術を誰のために、どんな社会でどう使うか”まで考える学問だから、視野の広いエンジニアになれる。「手を動かす」だけじゃなく「人のことも考えられる」技術者は、これからどんどん求められると思う!
親: どんな子に向いてると思う?
子: 「社会課題に関心がある」「人と協力して何かを作りたい」「数字と現実、両方に強くなりたい」――そんな子にぴったりだよ!
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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