「理学部」って、工学部とどう違うの?
親: 理学部って理系のイメージはあるけど、工学部とはどう違うの?将来の仕事につながるのか、ちょっと心配で…。
子: 理学部は“自然の仕組みを深く理解する”ことを目的にしてる学部なんだ。工学部が「技術を作って社会に応用する」ことを目指すのに対して、理学部は「原理や現象の解明」が中心。いわば、“応用の土台”になる基礎科学を扱ってるんだよ。
親: 研究者になる人ばかりなの?
子: そう思われがちだけど、実際は公務員、教育、民間企業の開発職や技術職など、進路はけっこう多様。都立大の理学部は就職支援も手厚いし、「理学的思考」が社会で通用する力として評価されてるよ。
学科は5つ?それぞれどんなことを学ぶの?
親: 都立大の理学部には、どんな学科があるの?
子: 以下の5学科があるよ:
- 数学科:純粋数学・応用数学・統計など、数の世界を論理的に追求
- 物理学科:力学・量子・素粒子・宇宙など、自然の法則を実験と理論で探究
- 化学科:無機・有機・物理化学など幅広く、物質の構造や反応を深く学ぶ
- 生命科学科:分子生物学・遺伝・細胞・進化・免疫など、生命の不思議に迫る
- 地理環境学科:地球環境・地形・気象・GISなど、地球を総合的に捉える学問
親: どれも専門的ね…進路をどう選ぶのかしら?
子: 入学時に学科が決まっていて、1年次から専門的に学ぶ形。でも1年次は他学科の科目も履修できるから、学問の広がりを体感しながら進路を深めていけるよ。
実験や研究はどれくらい本格的なの?
親: 理学部ってやっぱり実験が中心なの?研究室って大変そうなイメージだけど…
子: うん、3年次から本格的な実験や研究がスタートするよ。特に都立大は少人数教育が徹底されていて、研究室での手厚い指導が魅力。実験技術だけじゃなくて、「考えて試す→失敗して学ぶ」という研究のプロセスがしっかり身につくんだ。
親: 研究テーマってどんなのがあるの?
子: たとえば:
- 数学:暗号理論、位相空間論
- 物理:宇宙背景放射の解析、半導体ナノ構造
- 化学:環境触媒の開発、新しい分子構造の合成
- 生物:がん遺伝子の制御、免疫応答メカニズム
- 地理:都市のヒートアイランド現象、災害リスク評価
どれも、最先端の話題とつながってるテーマばかりだよ!
学生の雰囲気は?理系って忙しい?
親: 勉強が大変って聞くけど、実際どう?理学部って真面目な子が多いのかしら?
子: うん、真面目な子が多いのは確か。でも、理屈っぽいだけじゃなくて、実験や自然観察が好きな“探究型”の子が多いかな。ちょっとオタク気質な子もいるけど、落ち着いた雰囲気で、自分のペースで学べる環境だよ。
親: 忙しさはどのくらい?
子: 実験が本格化する3年以降は忙しいけど、1・2年次は基礎をじっくり学ぶ時期。課題やレポートは多いけど、無理のない範囲でスケジュール管理すれば大丈夫!
就職はどう?研究者以外の道もあるの?
親: 将来は研究者か教員ってイメージだけど、民間就職もできるの?
子: できるし、むしろ多いよ!理学部出身者は「論理的に考え、問題を分析して解決する力」があるって評価されてて、IT・製薬・分析機関・メーカーの開発職・技術職などで活躍してる。数学科の子がデータ分析職に就いたり、化学科の子が化粧品開発に関わったりしてるんだ。
親: 教員になる子もいる?
子: いるよ。特に数学・理科の教員免許を取って、都内や関東圏で中高教員になる人も多い。地元志向の子が多い都立大らしい進路だね。
主な進路実績:
- 国公立・民間の研究機関
- 化学・製薬・素材メーカー(研究・開発・品質管理)
- IT・システム系企業(数理解析・AI・ソフト開発)
- 公務員(環境分析・技術職・研究職)
- 教員(中学・高校理科・数学)
- 大学院進学(都立大・東大・東工大・筑波など)
印象に残ったエピソードは?
親: これまでで一番記憶に残ってる授業や体験は?
子: 地理環境学科で参加した「地質調査実習」かな。実際に山間部に出かけて地形を観察して、地図やデータをもとに分析していくフィールドワークで、「自然科学って、現場で生きる学問なんだ」って体感した。机上だけじゃわからない“学問のリアル”を学べた気がする!
最後に、保護者の方へ
親: 研究ばかりだと将来が見えにくい気もして…。向いてる子ってどんなタイプ?
子: 「この現象の仕組みは?」「なんでこうなるの?」って、深く掘り下げて考えるのが好きな子にはぴったり。都立大の理学部は、社会にすぐ役立つわけじゃない“知の探究”を大切にしてる。でもそれが、社会を支える本当の力になるって思うよ。
親: 就職もできるし、研究もできるっていうのは安心ね。
子: そう。都立大の理学部は、大学院に進んでも、学部卒で就職しても、地に足のついた進路を描ける場所だと思う!
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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