教養学部って何をするの?専門がないの?
親: 「教養学部」って聞くと、なんだかふわっとしていて、何を学ぶのかよくわからないわね。
子: そうだよね。でもそれって、“型にはまっていない”からこそ自由に見えるんだと思う。
東海大学の教養学部は、社会の変化に適応できる“複眼的な人”を育てる学部なんだ。
親: 複眼的な人…? たとえば?
子: たとえば、「戦争と平和」ってテーマを考えるときに、歴史・政治・宗教・メディア・文化人類学など、いろんな角度から問い直す姿勢を育てていくの。
一つの正解じゃなく、複数の見方を尊重しながら考える。それがこの学部のスタイルなんだ。
どんな学び方をするの?“正解のない問い”と向き合う授業
親: でも、そういう抽象的な学びって、就職に結びつくの?
子: 結びつくよ。むしろ最近は、「一つの答えしか出せない人」より、「問いを立てられる人」の方が求められてるんだ。
東海大学の教養学部では、最初から専門を決めない分、“問い続ける姿勢”を大事にしていて、すごく自由に学びを選べる。
親: どういう授業があるの?
子: テーマは本当に多様で、
- 「文化とジェンダー」
- 「宗教と現代社会」
- 「メディアと言語」
- 「環境と人間」
みたいに、一見ばらばらなんだけど、全部「今をどう生きるか」につながってくる。
親: なんだか哲学的というか、深いわね。
子: そう!一人ひとりの“生き方”に直結する問いと向き合う時間が多い。
答えが出ないまま悩んで、対話して、ようやく少し進める、みたいな授業が多くて。最初はもやもやするけど、“自分の軸”をじわじわ育ててくれる感覚があるんだ。
教員との距離が近い?「共に考える」場の空気
親: 学生が自由に考えるって、指導する先生は大変じゃないのかしら?
子: それがね、この学部の先生たちって、教えるというより「伴走してくれる」タイプが多いんだ。
一方的に「答え」を押し付けられることはなくて、学生の問いをむしろ面白がって、一緒に掘ってくれる。
親: へえ、学生が主役なんだ。
子: うん、よく言われるのは、「問いと対話の学部」ってこと。
「考えるって面白いよね」って顔で授業をしてくれる先生が多くて、なんというか…“この場所にいていいんだ”って思える空気があるんだよ。
学生の雰囲気は?いろんな個性が交差する空間
親: どんなタイプの学生が多いの?
子: 一言でいうと、“色とりどり”だね。
- 人と話すのが大好きなアクティブな子
- 本や映画が好きで思索にふける子
- 海外ボランティアに興味がある子
- 社会課題に真剣に向き合う子
まったく雰囲気が違っていても、お互いを尊重し合える“ゆるやかな多様性”がある。
大人数での活発な議論よりも、少人数でじっくり考えたり、内面と向き合ったりする空気感が好きな子が多い気がする。
親: 居場所を見つけやすい雰囲気があるのね。
子: そう。「自分らしく考えていいんだ」って言ってもらえる学部って、意外と貴重だと思う。
実践的な活動やゼミはあるの?
親: 哲学的な話も面白いけど、現実と結びついた学びってあるの?
子: もちろん!
ゼミや課外活動では、こんなことがあるよ。
- 社会福祉や多文化共生の現場でのフィールドワーク
- 国際協力団体と連携した企画立案
- 映画やドキュメンタリーを使った表現活動
- 災害復興・地域づくりに関する地域調査
中には、「カフェで哲学する会」みたいな自主活動もあるよ。
“現場に出て、自分の視点で考える”ことを大事にしてるから、正解をなぞるよりも、むしろ“自分の問いを立てて動く”学生が多いんだ。
卒業後の進路は?専門がないと不利じゃないの?
親: やっぱり心配なのは就職。専門がないと、どこに行けばいいかわからないんじゃない?
子: それ、すごくよく言われる。でも、最近の就活って**「この学部だからこの仕事」って決まってないんだよね。
逆にこの学部は、“自分で道を探す練習”をずっとしてきた人たちが集まってるから、意外と就職に強い**とも言えるよ。
たとえば、
- 教育・福祉・NPOなど、人と関わる職場
- 広報・人事・企画など、人の想いをくみ取る仕事
- 国際協力・観光・出版・地方創生プロジェクトなど、自分の問いを活かせる仕事
が多いかな。
親: なるほど、「〇〇のプロ」ではなく、「考えて動ける人」ってことね。
子: そう!この学部の強みは、“どんな場所でも自分の頭で考えて貢献できる人材”になれることだと思う。
印象に残った学びは?「わからない」ことを楽しむ姿勢
親: あなた自身、何か忘れられない授業ってあった?
子: 「人間とは何か」っていう授業で、先生がいきなり「人はなぜ孤独を感じるのか?」って問いかけたの。
誰も答えられなくて、みんな黙っちゃったんだけど…
そこから「わからないまま考えること」の大切さを、先生が優しく話してくれて。
あの時間だけは、今でもずっと心に残ってるなあ。
最後に、保護者の方へ
親: 専門が決まってない学部って不安もあるけど、今の話を聞いてちょっと印象が変わったわ。
子: 東海大学の教養学部は、“ひとつの正解に縛られない学び”を通して、自分の視点や価値観を育てられる場所。
だからこそ、変化の激しい社会の中でも、ブレずに問い続けられる人になれると思う。
親: どんな子におすすめの学部だと思う?
子: 「いろんなことに興味がある」「正解のない問いに向き合いたい」「自分の軸を探したい」――
そんな**“考えることが好きな子”や、“社会と対話したい子”にこそ、ピッタリな学部**だよ!
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
コメント