「社会システム」って何?社会の“しくみ”を読み解く新しい学び
親: “現代社会システム科学域”って、名前からして難しそうね。何を勉強するの?
子: 一言で言うと、経済・法律・政策・社会の仕組みを学んで、今の社会をどうよくするかを考える学問だよ。大阪公立大学では、社会を「構造」として理解し、「行動」として変えていく視点を両方から学べるんだ。
親: 社会学部?経済学部?法学部? どれにも当てはまらないような…。
子: それがこの学域のポイントで、社会科学の枠を超えて“融合的に”学べるのが特徴なんだよ。問題解決型の教育が重視されていて、地域課題や現代的なテーマにも実践的に取り組めるんだ。
学びの柱|社会を構成する“4つの視点”から課題を探る
現代社会システム科学域では、大きく次の4つの分野を中心にカリキュラムが構成されています。
● 公共政策・法制度
・行政、政治、法制度の仕組みを学び、政策の提言・分析力を育てる
・少子高齢化、地域活性、教育格差などを“制度的に”どう解決するかを探る
● 経済・経営
・ミクロ・マクロ経済学、会計、統計、マーケティングなどを履修
・データをもとにした分析や地域経済の活性策にも取り組む
● 社会・文化・メディア
・家族、ジェンダー、都市化、SNSなど現代的なテーマに対応
・インタビューやフィールド調査などの実践型授業が充実
● データサイエンス・情報分析
・社会調査法、アンケート設計、R・Pythonなどの分析ツールも学習
・数値と現場の“両面”から社会を理解する力を養う
カリキュラムの流れ|1年次から“自分で考えて動く”実践型教育
● 1年次:社会科学の基礎と視野の広がりを養う
・現代社会論、法学入門、経済入門、社会調査基礎など
・少人数ゼミでのディスカッションやプレゼンの練習も
・大阪市内をフィールドにした“まちあるき調査”も実施
● 2年次:専門性を深め、自分の関心分野を発見
・政策分析、統計学、地域社会論、環境経済論などを履修
・興味のあるテーマを軸に、ゼミ活動や演習がスタート
・自治体との連携プロジェクトや市民調査も体験
● 3年次:調査・研究・提案を本格的に進める
・データを使った分析型研究や、現地調査・インタビュー実習
・専門ゼミでグループ調査→報告書作成→発表という流れを体験
・企業・行政でのインターンシップに参加する学生も多数
● 4年次:卒業研究+進路への具体的な準備
・卒業論文は「現代社会の課題に対する実践提案型」が多い
・学内プレゼン大会や政策提言コンテストなどアウトプットも重視
・就職ガイダンス・模擬面接・公務員試験対策も並行して進行
実践例|“社会とつながる”リアルな課題に挑戦
- 大阪市内の子育て支援施策に関する政策評価と改善提案
- 商店街の活性化をテーマに、現地調査とSNSマーケティング案の立案
- 空き家問題に関する現地ヒアリング調査と活用策の立案
- 若者の政治離れを防ぐための啓発キャンペーン設計
- 南海トラフ地震を想定した防災まちづくりワークショップの企画運営
子: 社会のしくみって、教室の中じゃなくて、実際のまちの中にある。それを肌で感じながら考えるのが、この学域の特徴なんだ。
学生の雰囲気|“まじめに考え、しっかり動く”行動派が多い
・「社会をよくしたい」「課題に気づける人になりたい」学生が多い
・公務員志望や地域貢献志向が強いが、企業就職にも柔軟
・男女比は比較的バランスがよく、ディスカッション好きが多い
・統計や調査ツールの学習を通して“データに強い文系”を目指す学生も増加中
就職・進路|“社会のしくみ”を理解する強みが多方面に活きる
● 主な進路分野
・地方自治体(市役所・県庁など)、国家公務員(一般職)
・教育・福祉・NPO・まちづくり団体など公共性の高い分野
・企業(営業・人事・広報・マーケティング・データ分析職など)
・大学院進学(社会科学・公共政策・経済・地域研究など)
● 資格・支援体制
・社会調査士、統計検定、行政書士など資格対策講座もあり
・キャリア支援センターでの面接・ES指導が充実
・進路に応じたゼミの“個別フォロー”が手厚いのも魅力
保護者の方へ|こんなお子さんにおすすめです
・社会のしくみに興味があり、世の中の動きに敏感な子
・正解のない問いを考えるのが好きな子
・公務員や地域貢献、企業での企画職などを目指したい子
・データ分析や調査など実践的なスキルを身につけたい子
・多角的に物事を見て、人と協力して動ける力を育てたい子
親: 社会をよくするために「考えて、動いて、伝える」力。まさに、これからの時代に必要な力を育てる学びだと思うわ。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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