「経済学部」って?“社会のしくみ”を読み解き、“未来の選択”を支える学び
親: 経済学って、結局お金の話なんでしょ?
子: 実はそれだけじゃないんだよ。大阪公立大学の経済学部では、「人がどう行動するか」「社会はどう動いているか」を数式やデータ、理論を使って解き明かす学問なんだ。金融や企業活動、貧困、格差、環境問題まで、社会のあらゆる課題に関係しているんだよ。
親: そんなに広いんだ…。それなら就職にもつながりそうね。
子: まさにそう!社会の中で「なぜそうなるのか」を考えられる力がつくから、金融・公務員・メーカー・ITまで進路も幅広いんだ。
学びの柱|“理論”と“現実”をつなぐ3つの視点で構成される経済学教育
● 経済理論:ミクロ・マクロの視点から「しくみ」を知る
- ミクロ経済学では、企業や家計など“個別の行動”を分析
- マクロ経済学では、物価・雇用・GDPなど“国全体の動き”を理解
- ゲーム理論や行動経済学など、現代的トピックも豊富
● 応用経済学:現実社会の課題を“経済学の道具”で読み解く
- 地域経済、都市政策、福祉経済、環境経済など多彩なフィールド
- 大阪という大都市圏をフィールドにしたリアルなケーススタディも展開
- 経済政策、格差問題、サステナビリティなど現代的なテーマに対応
● 統計・データ分析:エビデンスに基づいた意思決定力を養う
- 数理統計、計量経済学、プログラミング(R・Python)なども学べる
- 公的データや企業データを用いたプロジェクト型学習も豊富
- 「仮説を立てて、検証する」力が養われるのが経済学部の強み
子: 「なんとなくこう思う」じゃなくて、「データや理論でこう考える」って言えるようになるんだよ。
学びのステップ|段階的に“経済を考える力”を育てる4年間
● 1年次:経済学の基礎と視野の広げ方を学ぶ
- 「経済学入門」「現代経済」「社会のしくみと経済」などの講義で土台づくり
- 基本的な統計手法やExcel演習もこの時期に習得
- 教養教育科目も充実しており、国際関係・倫理・情報なども学べる
● 2年次:理論とデータを“つなげる”学びがスタート
- ミクロ・マクロ経済学の本格学習、計量経済学への導入
- 教員との距離が近い少人数ゼミで、ディスカッションやレポート指導も開始
- 地域経済・環境・労働・公共政策などの分野別科目が選べるようになる
● 3年次:ゼミナールで“経済を語る力”と“分析する力”を養う
- 本格的な研究ゼミに所属し、専門テーマに沿って調査・発表・議論を重ねる
- 実データを扱うグループ調査やフィールドワークも実施
- 海外短期研修・インターンシップ・政策提言型演習なども展開
● 4年次:卒業研究と進路選択の最終ステップ
- 4年間の学びの集大成として卒論を執筆(テーマ例:地域通貨の有効性、若者の消費行動、最低賃金制度の影響など)
- 就職活動や公務員試験に向けた支援も本格化
- 大学院への進学希望者には個別指導体制も完備
実社会とつながる学び|“経済を動かす現場”を肌で感じる
- 大阪市・堺市などとの連携プロジェクト(交通政策・地域活性)
- 民間企業とのデータ活用演習(マーケティング分析・業績予測)
- 金融・保険・証券業界の現役OB/OGによる特別講義
- 公務員向けセミナーや政策立案型グループワーク
- 若手研究者によるワークショップ型授業も人気
親: 机の上だけの勉強じゃなくて、社会に出る準備がしっかりできそうね。
子: うん、「理論と現実をつなげる」って、まさにこの学部の醍醐味だよ。
学生の雰囲気|論理と探究心をもつ“おだやかで地頭のいい”仲間たち
- 経済に興味を持った真面目で思考力の高い学生が多い
- ゼミやグループワークでは論理的に意見を伝える訓練がされている
- 数学・統計が得意なタイプも、文章力やプレゼン力で勝負するタイプも混在
- 教員との距離が近く、質問・議論の機会が多いアカデミックな環境
子: バリバリに“経済オタク”ってわけじゃなくても大丈夫。興味があれば自然と引き込まれる空気があるよ。
就職・進路|経済を学んだ力は、どんな分野にも通じる武器に
● 主な進路
- 金融機関(銀行・証券・保険など)
- 大手メーカー・商社・IT・流通企業の企画・経営部門
- 公務員(国家一般職/地方上級/経済産業省・総務省・大阪市・府庁など)
- コンサルティングファーム・リサーチ会社
- 大学院進学(経済学・経営学・公共政策など)
● 取得できる資格・活用できる制度
- 教職課程(高校地理歴史・公民)
- ファイナンシャル・プランナー、統計検定などの資格取得支援
- 公務員・金融系就職支援セミナー多数開催
- 学内キャリア支援センターによるエントリーシート添削・模擬面接対応あり
親: 経済って本当に“社会を知る学問”なのね。
子: うん、だから進路の選択肢も広いし、どの道にも活かせるよ。
保護者の方へ|こんなお子さんにおすすめです
- 社会のしくみやニュースに関心がある子
- ロジックで考えるのが得意、もしくは好きな子
- 数字やグラフを見るのに抵抗がない子
- 公務員や金融・企業での活躍を目指している子
- データ分析・マーケティングに興味がある子
子: 経済って、「社会の見え方が変わる」学問なんだよ。
親: 知識を“知恵”に変える力が、ここにはあるのね。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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