「女子×工学」って最先端?これからの社会に不可欠な“情報+人間”の学問
親: 奈良女子大学に工学部があるなんて、ちょっと意外だったわ。理学部とはどう違うの?
子: 奈良女子の工学部は、単なる「機械づくり」じゃなくて、人と技術をつなぐ“知能デザイン工学”に特化した、全国的にも珍しい工学部なんだ。AI・IoT・情報工学を軸に、人にやさしいテクノロジーを生み出す学びが中心なんだよ。
親: 工学っていうと、男の子のイメージが強かったけど…今は違うのね。
子: うん、逆に女性の視点が求められてる時代。「生活に寄り添う技術」を作るには、女性の感性が欠かせないの。だからこそ、奈良女子がこの工学部を新設した意味があるんだよ。
学部の特長|“人にやさしい工学”を追求する、知能デザイン工学の世界
奈良女子大学 工学部では、「知能デザイン工学科」1本で構成されており、以下の3分野を軸に学びます。
● 情報技術・AI・プログラミング
- Python・Javaなど主要言語での開発力を養成
- データサイエンス、機械学習、人工知能の基礎と応用を学習
- 社会課題をAIでどう解決するか?を常に問いながら演習に取り組む
● ユーザーインタフェース・ヒューマンセンタードデザイン
- 「使いやすさ」「わかりやすさ」を追求する設計力を育成
- VR/AR・ウェアラブル・ロボットなどの操作体験・設計も含む
- 高齢者・子ども・障がい者視点でのシステムデザインに挑戦
● 社会実装・倫理・ジェンダー感性
- 工学と社会をどう結ぶか?という視点を大切にする教育
- 情報セキュリティや個人情報保護など、現代の課題にも対応
- 女性の活躍・SDGs・地域共生などの文脈で工学を考える
子: 工学っていうと“理論”とか“数式”が中心と思われがちだけど、ここでは人と社会に貢献する工学にフォーカスしてるんだ。
学びのステップ|「作る力」+「考える力」を段階的に育てる4年間
● 1年次:情報リテラシーとプログラミングの基礎
- PythonやC言語を使った基礎演習
- 工学基礎・数学・統計などの土台づくり
- プレゼンテーションやレポート演習で表現力も強化
● 2年次:応用技術とデザイン思考を融合
- AIや機械学習の初歩、UI/UX設計論などを実践的に学ぶ
- グループでのモノづくり・アイデア創出ワークが多数
- 地域連携プロジェクトや学内コンテストへの参加もあり
● 3年次:プロジェクトベース学習+研究室配属
- 実際の課題に対して、チームでソリューションを開発
- 医療・教育・環境などテーマ自由なPBL(課題解決型学習)
- 研究室に配属され、専門テーマを深掘り(例:医療AI・福祉ロボット)
● 4年次:卒業研究+社会との接続
- 研究成果のプレゼン、システム開発、論文執筆
- 地元企業・自治体との共同プロジェクトで成果を社会実装
- 大学院進学・就職に向けたキャリア形成支援が本格化
親: 技術だけでなく、ちゃんと“社会にどう活かすか”まで考えてるのね。
子: うん、だから理系だけど文系的な視点も育てられる。特に女子にとっては、やりがいを感じやすい領域だよ。
実習・演習の例|現実世界と結びついたテーマで、学びが「生きる」
- ● AIを活用した健康アプリの設計・評価
- ● 視覚障がい者向けの読み上げデバイス開発
- ● 子ども向けプログラミング教育教材の制作
- ● 行政と連携した“スマートタウン”設計の提案
- ● 高齢者施設と連携した生活支援ツールの実装
子: 実社会との接点がすごく多くて、「私のアイデアが役に立ってる!」って実感できるのが、他の工学部と違うところ。
学生の雰囲気|“つくるのが好き”“人の役に立ちたい”が原動力
- 純粋に「モノづくり」や「システム設計」が好きな学生が多い
- プログラミング未経験でも、意欲があれば成長できる環境
- お互いに教え合う雰囲気があり、グループワークも活発
- 工学=男子というイメージを壊したい、という志を持つ学生も
親: 女子が主役の工学部って、ありそうでなかったのよね。
子: そう!ここでは“女性だからできる工学”を肯定してくれるから、前向きに挑戦できるんだ。
就職・進路|“理系×女性”の強みを活かし、IT・製造・教育など幅広く活躍!
● 主な進路
- IT企業(SE・システム開発・UXデザイナーなど)
- 製造業(制御設計・ソフトウェア開発)
- 公務員(情報政策・技術系職)
- 教育(高校情報教員など)
- 大学院進学(情報・工学・デザイン領域)
● 資格・サポート
- 基本情報技術者など国家資格の取得支援
- 学内企業説明会・インターンシップマッチングあり
- 女性エンジニアOBとの交流イベントやメンタリング制度
子: 企業からの引き合いも多くて、「女子学生の工学人材は貴重」ってよく言われるんだ。
保護者の方へ|こんなお子さんにぴったりです!
- 機械やシステムに興味があり、将来はテクノロジー分野で活躍したい子
- プログラミングにチャレンジしてみたいけど、最初は不安な子
- 人にやさしい技術をつくりたいという気持ちがある子
- デザインや創造活動に関心があり、理系と融合させたい子
- 女子の環境で安心して工学を学びたい子
子: 工学って、「人を助ける道具をつくること」なんだって、ここに入ってから実感したよ。
親: 女の子が“工学で社会を変える”って、すごくワクワクする時代になったのね。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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