「保健看護学部」って?――“命に寄り添う力”を専門的に学ぶ4年間
親: 看護師ってすごく大変そうだけど、今どきは大学でしっかり勉強するものなのね?
子: うん。今の看護は、単なる「お手伝い」や「補助」じゃなくて、専門職としての判断力・知識・技術が求められる時代。和歌山県立医科大学の保健看護学部では、命の現場に立てる“プロフェッショナルな看護師”を育てる教育が本格的なんだ。
親: 医学部がある大学だから、現場とのつながりも強そうね。
子: そう!附属病院との連携も深く、最先端の医療現場で学べるし、看護師に加えて保健師・助産師(選択制)も目指せるカリキュラムが魅力なんだ。
3つのライセンスへつながる専門教育|看護・保健・助産の力を磨く
● 看護師国家試験受験資格(全員)
- 看護の基礎から専門看護、在宅看護、災害看護まで幅広く対応
- 実技演習・患者対応・電子カルテ操作・看護記録など臨床力を磨く
- 高齢者・小児・精神・女性など、多様な対象へのケアを体系的に学ぶ
● 保健師国家試験受験資格(選抜制)
- 公衆衛生・地域保健・母子保健・学校保健などを重点的に学習
- 行政機関での保健指導・訪問指導・健康教育などを実習で体験
- 地域住民の健康課題を自ら見つけ、提案・支援につなげる力を育成
● 助産師国家試験受験資格(さらに選抜制)
- 分娩介助・妊産婦ケア・新生児管理の実践教育
- 妊婦への心身両面の支援、母子の安全な生活の設計まで対応
- 産婦人科病棟や助産院でのハイレベルな実習あり
子: どの資格も“命に触れる責任”が大きい分、学ぶ内容もすごく実践的。学生時代から、ほんものの現場で学べるんだ。
看護師への道のり|段階的にプロ意識を高める4年間
● 1年次:人間理解と医療の基礎を学ぶ
- 看護学入門・解剖生理学・心理学・医療倫理などを習得
- 早期体験実習で病院・施設・訪問看護の現場を見学・観察
- 医療安全・感染対策・看護技術の基本操作を演習で体験
● 2年次:専門的看護知識・技術を実践的に修得
- 成人・老年・小児・精神・母性看護など各領域の看護学を学習
- 模擬患者や高性能シミュレータを用いたリアルな演習あり
- 看護過程の展開、カルテ記録、臨床判断のトレーニングも本格化
● 3年次:病院・施設での本格的な臨地実習
- 実際の患者さんと向き合う8〜10週間以上の臨地実習
- 急性期病院、療養型施設、訪問看護、学校保健など多彩な実習先
- 看護記録、カンファレンス参加、チーム医療の実践も経験
● 4年次:卒業研究+国家試験+進路確立
- 自らの興味に沿って研究テーマを設定し、実態調査や分析を実施
- 卒業論文テーマ例:「高齢患者の退院支援と地域連携」
「看護学生における医療事故予防意識の変化」など - 国家試験対策講座(模擬試験・面接練習・個別サポート)を徹底実施
実習・演習・連携の環境が圧倒的にリアル!
- 附属病院との連携で、医師や薬剤師とのチーム実習が可能
- 看護シミュレーションセンターでの実技訓練は全国水準
- 地域訪問実習では、保健センター・母子保健・学校保健なども経験
- 看護系学会・研究発表会にも積極的に学生が参加
親: こうして見ると、大学で学ぶ看護って本当に「人と社会に関わる専門職」って感じがするわね。
子: うん。しかも、ただ覚えるだけじゃなく「どう考えて行動するか」が問われるんだよ。
学生の雰囲気|やさしさと責任感にあふれた、真面目で前向きな仲間たち
- 看護職を目指すだけあって、思いやりや共感力の高い学生が多い
- 国家試験・実習に向けて支え合う風土が自然に生まれている
- 教員との距離が近く、相談しやすいアットホームな環境
- 自分の考えを伝え、相手の立場を想像する「人間力」が育っている
就職・進路|地域に、全国に、未来にひらくキャリアのかたち
● 看護師としての就職先(多くの学生が選択)
- 和歌山県立医科大学附属病院、和歌山医療センター、県内中核病院
- 大阪・京都・東京など都市部の大学病院(国立・私立)
- 一般病院・クリニック・訪問看護ステーション・高齢者施設など
● 保健師・助産師としての進路(選抜制修了者)
- 和歌山県・市町村の保健センター・行政機関
- 保育園・小中学校・母子保健機関での保健活動
- 周産期医療センター・助産院・病院産科病棟など
● 国家試験合格・進路支援体制
- 看護師国家試験 合格率:例年全国平均を上回る水準
- 保健師・助産師国家試験も高い合格率を維持
- 個別指導・模試対策・OG訪問・病院説明会など就職支援が充実
保護者の方へ|どんな子に向いている?
- 人の役に立ちたいという思いを強く持っている子
- 医療や保健に関心があり、命と向き合う責任を引き受けられる子
- チームで動くこと、誰かを支えることが好きな子
- 自分の言葉で伝える力、相手の思いをくみ取る力を育てたい子
- 地域に根ざして生きたい、地元に貢献したいという志を持つ子
子: 看護って、毎日が命と感情のドラマみたい。嬉しいことも、つらいこともある。でも、人と深く関われるって、すごく価値のあることだって思ってる。
親: 命を支える仕事をするって、本当にすごいことね。大学の4年間で、その覚悟と力を身につける。そんな学びの場がここにあるのね。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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