「観光学部」って、旅行のことを学ぶだけ?――いえ、“地域と世界をつなぐ学び”です
親: 「観光学部」って、なんだか楽しそうだけど、実際にはどんなことを勉強するの?
子: 観光って、ただの“旅行”じゃなくて、地域や文化、人と人をつなぐ「総合的な社会のしくみ」なんだ。和歌山大学の観光学部は、“観光まちづくり”に日本で初めて本格的に取り組んだ大学で、地域と世界の両方を見据えた実践的な学びが特徴だよ。
親: つまり、旅行業に限らず、もっと広い社会的な役割を学ぶ学部なのね。
子: そう!「観光を通じて社会をより良くする」っていう視点が根っこにあるんだ。
和歌山で、世界の観光を学ぶ|3領域を横断する“実践重視”の教育
● 地域づくり・観光政策領域
- 過疎地の活性化、観光地経営、DMO(観光地域づくり法人)の運営方法を学ぶ
- 地方自治体や観光協会と連携したプロジェクト演習が多数
- 地域課題を“観光”の視点で再発見し、提案・実装まで行う力を育てる
- 和歌山県内の温泉地・世界遺産・農山漁村と直結した学びが魅力
● ホスピタリティ・サービス経営領域
- 宿泊・交通・旅行会社・テーマパーク・レストランなどの経営や接遇を探究
- 顧客満足・ブランド戦略・おもてなし文化などを多角的に分析
- 大手企業・ホテル・エアライン出身の実務家教員による講義が充実
- マーケティングやCS(顧客満足)に興味がある学生にも人気
● グローバル観光・文化交流領域
- インバウンド(訪日外国人観光)や国際交流、文化観光を中心に学ぶ
- 世界遺産、宗教観光、食文化などを通じた“異文化理解”を深める
- 英語での観光案内・通訳ガイドスキル、海外観光地との比較研究も実施
- 観光の国際化と持続可能性(サステナブル・ツーリズム)に関心がある学生に最適
子: 一つの専門だけじゃなくて、「地域」「人」「ビジネス」「文化」を横断的に学べるのが、和大の観光学部のすごいところ!
学びのステップ|“フィールドに出る”ことが前提の4年間
● 1年次:観光の視点を身につけ、地域に出る
- 観光学概論/観光地理/和歌山探究など、観光を社会科学として学ぶ基礎科目
- 県内の観光地・歴史遺産・観光資源を訪問する実地調査が早くからスタート
- チームでのプレゼン・現地レポートの作成など、表現力・観察力を育てる
● 2年次:専門性を深め、実践プロジェクトへ
- 観光政策論/ホスピタリティ論/観光マーケティング/サービス経営などを履修
- 地域団体や企業との連携で、観光プランを学生自身が提案・実行
- 学外でのフィールドスタディ・短期インターンシップが多数用意されている
● 3年次:ゼミ+現場主導の課題解決型学習(PBL)
- ゼミ活動で「観光による地域活性」「外国人観光客のニーズ分析」などを探究
- 実際に温泉地や観光施設でフィールド調査・顧客分析・プロモーション提案を行う
- 一部ゼミでは県外や海外での現地調査や合同研究も可能
● 4年次:卒業研究+キャリア形成へ
- 卒論テーマ例:「熊野古道におけるサステナブル観光の可能性」
「インバウンド客のSNS発信と観光誘導効果」「旅館業のDX戦略」など - 卒論発表会では自治体や業界関係者も招いて成果を発信
- 教員の個別指導+キャリアセンター支援で、観光業界就職・公務員試験・大学院進学をバックアップ
フィールド中心の“行動型学部”だからこそ身につく力
- 和歌山という観光資源豊かな立地をフル活用
- 世界遺産(熊野古道)・高野山・白浜温泉など、調査対象がすぐそばに
- フィールドワーク・インタビュー・アンケート・分析・報告書作成を繰り返す
- 行動力・観察力・プレゼン力・企画力・人間力がバランスよく育つ
親: 教室の中だけじゃなくて、地域の中で学ぶ。すごく実践的なのね。
子: うん。「机で考える」だけじゃなく、「現場で感じて、行動して、提案する」学びなんだよ。
学生の雰囲気|行動力と共感力のある、あたたかな学びの空間
- 旅行・まち歩き・文化体験が好きな“行動派”の学生が多い
- 明るくて社交的な学生が多く、ゼミやフィールドワークで仲も深まりやすい
- プレゼンや議論、チーム活動が多く、協調性と対話力が育つ
- 地域ボランティアや観光イベントスタッフなど、学外活動も盛ん
主な進路|“観光で社会を変える力”を活かせる多彩なフィールドへ
● 観光業界
- 旅行会社(JTB・HIS・日本旅行など)
- ホテル・旅館・リゾート運営会社
- 航空・鉄道・バス・交通系企業
- テーマパーク・観光施設・地域観光DMO
● 地域・行政・企業の企画職
- 地方自治体(観光政策担当、公務員)
- 商工会議所・観光協会・NPOなど地域団体
- 一般企業の企画・広報・マーケティング職
- 国際交流・イベント運営・メディア関連職なども
● キャリア支援
- キャリア講座・業界別セミナー・OGOB座談会を多数開催
- 学部独自の観光企業インターン制度あり
- 観光業界経験者による実践的キャリア指導も充実
保護者の方へ|こんなお子さんにおすすめです
- 旅行や地域の魅力を伝えることにワクワクできる子
- フィールドワークや人との対話が好きな子
- 社会や地域の役に立つ仕事をしたいと考えている子
- 企画やプレゼンなど、表現することに興味がある子
- グローバルな視野で異文化と関わることを大切にしたい子
子: 「観光って、“楽しませる”だけじゃない」。
地域の課題に気づいて、動いて、誰かの未来を変える手助けができるんだって、実感できたよ。
親: 観光を通じて、社会や地域、そして人と深く関わる力を育ててくれる。
そんな学びなら、きっと将来に役立つわね。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
コメント