【親向け】島根県立大学 地域政策学部の学び・雰囲気・進路をやさしく紹介!

「地域政策」ってなに?――“地方のリアル”を学び、動き、未来を創る学び

親: 「地域政策学部」って名前は聞いたことあるけど、何をする学部なの?

子: 一言で言うと、“地域の課題を見つけて、政策という形で解決する”ことを学ぶ学部かな。人口減少、観光、防災、教育、福祉、環境…地域のあらゆる問題を現場で見て、行政やNPO、企業と一緒に解決策を考えていくんだ。

親: なるほど。単に座って授業を受けるだけじゃなくて、実際に地域に出て学ぶのね。

子: そうそう。しかもこの大学は**キャンパス自体が“過疎地域の中”**にあるから、地域課題がリアルに目の前にあるんだよ。それって、他の都会の大学にはない圧倒的な“実感値”だと思う。


学部の特色|“現場主義”ד実践型”の地方創生フィールドキャンパス

島根県立大学 地域政策学部では、次のようなテーマを軸に、文系総合型の地域学を展開しています。

● 公共政策・行政・自治

  • 地方自治体の仕組み、予算、法律、政策立案の基本を学習
  • 実際の役所・議会・NPOへのフィールド調査や提案活動を実施
  • 若者視点での「まちづくりアイデアコンペ」なども実施

● 地域福祉・教育・子育て

  • 高齢化・少子化・貧困・孤立など、地域が抱える生活課題を探究
  • 福祉施設・保育所・地域包括支援センターなどで現場実習
  • 居場所づくり・地域食堂・子育て支援の提案もテーマに

● 観光・文化・交流

  • 地域資源の発掘と、観光・交流・ブランディングの企画立案
  • 伝統行事・移住促進・インバウンド誘致など多様な視点からアプローチ
  • 地域メディア発信・ガイドツアー制作・文化体験のデザインも学ぶ

● 環境・まちづくり・防災

  • 持続可能な地域社会の実現に向け、SDGsやエネルギー問題を学ぶ
  • 空き家再生、防災教育、地域交通改善などをテーマに現地調査
  • 住民との対話や合意形成を重視したまちづくり演習

子: どの分野でも共通してるのは、“地域の人と一緒に考え、動く”こと。大学の外に学びの舞台が広がってる感覚だよ。


学びのステップ|キャンパスで学んで、地域で動く、探究型4年間

● 1年次:基礎知識と地域を見る力を育てる

  • 地域政策概論/日本の社会課題/地域探究入門など
  • 学外調査の基本スキル(インタビュー・観察・フィールドノートなど)を身につける
  • 島根県内の自治体・地域団体への見学ツアーも実施

● 2年次:チームで課題に向き合い、企画・提案力を鍛える

  • フィールドスタディ(調査→提案→発表)形式の授業が本格化
  • テーマ例:高齢者の交通課題/中山間地域の空き家問題/観光客とのトラブル回避策
  • 学内外のコンペや地域イベントにも多数参加

● 3年次:インターン・プロジェクト演習で“実戦投入”

  • 地域のNPO/役所/企業などでの長期実習(インターンシップ)
  • 実際の課題を扱った演習授業で、自治体と連携した政策立案に挑戦
  • 研究ゼミに所属し、テーマに応じた現地調査・分析がスタート

● 4年次:卒業研究で“自分の政策”を形にする

  • 卒論テーマ例:「高校生と地域をつなぐ防災教育」「移住者支援の制度設計」「観光客と住民の共存政策」など
  • 実際の地域で提案・発表するケースも多く、研究=実践になる
  • 地方行政/NPO/地元企業などへの進路決定が本格化

親: こんなに“動きながら考える”文系学部ってあるのね。正直、もっと理論ばっかりかと思ってた…。

子: たしかにそう思われがちだけど、この学部は**「動く中で学ぶ」のが基本スタイル**なんだ。調査して、聞いて、書いて、発表して、また直して…の繰り返しだよ。


実習・プロジェクトの具体例|地域の「今」と向き合う活動が日常

  • ● 隠岐諸島での離島実習:住民ヒアリング、観光振興提案
  • ● 浜田市での空き家再生活動とシェアスペース運営支援
  • ● 松江市での自治体職員との若者会議
  • ● 地元高校と連携したキャリア教育プログラム作成
  • ● 「こども食堂」運営サポートや高齢者とのサロン企画

子: 単なるお手伝いじゃなくて、「自分がこの地域に必要とされてる」って感じられる活動が多いんだよ。


学生の雰囲気|“人の役に立ちたい”が共通する、多様であたたかい空間

  • 地元志向の学生から、全国から“地域創生”を志して集まる学生まで幅広い
  • 穏やかで人と関わるのが好きなタイプが多く、現地調査でも自然と馴染む
  • 公務員志望やNPO志望が多く、互いに協力して試験対策
  • 教員との距離も近く、ゼミでは“家族的な関係”も

親: たしかに、地域の中に入るってなると、協調性とか誠実さって大事よね。

子: うん、派手さはないかもしれないけど、人の想いに寄り添える力が磨かれる学部だよ。


就職・進路|「地域で働く」を実現する、多様で安定したキャリアパス

● 主な進路

  • 地方公務員(市役所・県庁・地域振興・福祉・観光など)
  • NPO/地域団体(まちづくり・移住支援・子育て支援)
  • 一般企業(金融・流通・IT・観光・住宅など)
  • 教育・福祉関連職(高校職員・地域教育コーディネーターなど)
  • 大学院進学(公共政策・地域研究・社会学系など)

● サポート体制

  • 公務員試験対策講座(筆記・面接・集団討論)あり
  • 地元企業・自治体との合同説明会を学内で開催
  • 卒業生との交流会で「職場のリアル」も共有
  • 教職課程の履修も可能(社会科・公民など)

子: 「地方を変えたい」っていう想いを、ちゃんと“職業”にできる学部だと思うよ。


保護者の方へ|こんなお子さんにおすすめです

  • 地域の課題に関心があり、「誰かのために働きたい」という想いがある子
  • 公務員やNPO、地域企業など“地元に根ざした仕事”に興味がある子
  • 人の話を聞くのが得意で、協調性のある性格の子
  • 社会課題に向き合い、自分の力で動いてみたい子
  • 地方暮らしをいとわず、“現場で学びたい”という意欲を持っている子

子: 「地元に戻って活躍したい」「誰かの暮らしを支えたい」っていう思いを、大学4年間でちゃんと形にできる場所だったよ。

親: 大学の中だけじゃなく、“地域まるごとが教室”みたいね。それって、きっと将来にも生きてくる力になるわね。

本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。

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