「総合理工」って、何を学ぶの?――“つくる×わかる”を社会に活かす学びです
親: 「総合理工学部」って聞きなれないけど、理系の総合学部ってことなのかしら?
子: そう。島根大学の総合理工学部は、理学・工学・情報・環境・生命科学などを横断的に学びながら、社会や地域の課題解決に貢献できる人材を育てる学部なんだ。いわば、“理工系のオールインワン”って感じ!
親: なるほど、文系でいう「総合政策学部」の理系版みたいな位置づけかもね。
子: そうそう。でもこの学部は、地域創生・環境再生・先端技術・ものづくりまで、「社会に活かせる理工学」がすごく強いんだよ。
5つのコースで、理学と工学を“融合”して学ぶ
● 物質・生命・化学系(化学/生物/バイオ)
- 分子レベルで生命現象を探る“化学×生命科学”の領域
- 新素材・医薬・環境修復技術などに応用可能な研究が多い
- 実験中心のカリキュラムで「自分の手で“発見”する力」が身につく
● 地球環境・防災系(地学/地理/防災)
- 自然災害のメカニズム、地域の防災計画、地球規模の環境問題に挑む
- 島根という“地震・豪雨・海岸・山陰特有の地形”を活かしたフィールド実習が豊富
- ドローンやGISを使った測量・地図作成・シミュレーション教育もあり
● 機械・電気・電子系(ものづくり/ロボティクス)
- 自動車・機械・電気製品・エネルギー機器など、実用的な工学分野を網羅
- CAD、3Dプリンタ、IoT、AI制御などの演習で、実践力を育成
- 地元企業との連携プロジェクト多数。「地域とつながる技術者」を育てる
● 情報・数理・AI系(プログラミング/AI/データサイエンス)
- Python・C言語・アルゴリズム・機械学習・数理解析などに対応
- 自然災害予測・医療診断支援・画像処理など応用先も多様
- 大学発ベンチャー支援制度やIT企業インターンも充実
● 建築・土木・社会基盤系(都市・インフラ・地域計画)
- 住宅・街づくり・道路・上下水道・景観設計など、「くらしをつくる技術」を学ぶ
- 防災や環境共生の観点を取り入れた設計演習が多い
- 建築士受験資格対応の科目群も整備/模型製作や設計演習が本格的
子: コースは分かれてるけど、**「他分野も学べる設計」**になってるから、“理系だけど文系っぽいこともやってみたい”って子にも合ってるよ。
学びのステップ|理論×実験×地域連携で“考える技術者”になる4年間
● 1年次:理工の共通基礎をみっちり固める
- 数学・物理・化学・情報リテラシーなどの“理系の共通語”を習得
- プログラミング基礎や統計処理もこの時点でスタート
- 各コースを体験できる基礎演習もあり、進路選択の参考に
● 2年次:専門分野へ分かれ、演習・実験が本格化
- 講義+実験・実習で「座学だけじゃない学び」にシフト
- 地域企業や研究所と連携した課題解決型演習(PBL)も導入
- 学生主体の研究室見学ツアーや教員面談で将来像を具体化
● 3年次:ゼミ研究+応用実験・技術設計に挑戦
- 本格的な研究室所属が始まり、少人数での専門研究を推進
- ソフト・ハード両面から“課題に取り組む力”を養う
- 地元の課題(防災/観光/空き家対策など)をテーマにした実践演習あり
● 4年次:卒業研究と進路決定・キャリア形成の集大成
- 卒論テーマ例:「再生可能エネルギー活用の効率評価」
「地域地震リスクと住宅耐震性の相関解析」
「観光施設におけるAI音声ガイドのUX設計」など - 成果を学会や企業発表会で発信/大学院進学組は研究をさらに深化
地域に根ざした実践教育|“人の役に立つ理系”がここにある
- 島根という“課題先進地域”をフィールドに、現実の問題解決に挑む教育が主流
- 地方自治体・民間企業・市民団体とのコラボ演習が豊富
- 「島根発→世界へ」の研究やベンチャーも生まれている
- 学部内に教員免許取得コース(理科・数学)もあり、「教える理系」も目指せる
親: 実験ばかりのイメージがあったけど、“社会とつながる理工学”なんて、とても頼もしいわね。
子: うん。「誰のための技術か?」って考える癖がつくから、就職しても応用力ある人になれそう!
学生の雰囲気|実直で探究心が強く、“地域志向の理系人材”が多い
- まじめでコツコツ型の学生が多く、地元出身者も全国からの進学者もバランスよし
- プログラミングや設計が得意な人もいれば、地域活動に参加する子も多い
- 学内の雰囲気は“理系だけど人にやさしい”。グループワーク中心の演習も多く、仲間意識が強い
- 教員の面倒見がよく、研究や就活の悩みにも丁寧に対応してくれる
主な進路|「社会のしくみを支える理系総合職」へ
● 技術職・開発職
- 電機/機械/建設/化学/IT/住宅メーカーなど全国大手へも就職多数
- 地元インフラ企業(電力・ガス・建設)やIT企業、農業テック企業などへも進出
● 公務員・技術系職員
- 国土交通省、地方自治体の土木職、環境分析職、学校教員など
- 防災・情報・都市計画分野での行政就職も
● 研究職・大学院進学
- 島根大学大学院、他国公立大学大学院へ進学者多数
- 国立研究所や企業研究所へ進む学生も(AI、材料、環境系など)
保護者の方へ|こんなお子さんにおすすめです
- 理数科目が得意で、科学や技術を“人の役に立てたい”という気持ちがある子
- プログラミング・設計・数理的思考などに関心がある子
- 機械や電気の仕組み、環境や地域課題に関心がある子
- 「社会とつながる技術者」になりたいという志のある子
- 研究職も開発職も教職も、“理系を活かす幅広い進路”を考えたい子
子: 技術を学ぶって、「問題を解決できる人になること」なんだ。
この大学でなら、それが“地域にも社会にも役立つ力”になるって思えてきたよ。
親: 世の中の課題を、技術と知恵で解決する。
そんな学びができる場所なら、将来も安心して送り出せるわね。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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