「工学部」って、理系の中でもどんな学部?――“社会の仕組みを技術で動かす”プロを育てます
親: 工学部って、理系の中でもどんなことを学ぶところなのかしら?
子: 一言で言うと、**「社会の便利や安全を、技術で支える人材を育てる学部」**だよ。岡山理科大学の工学部では、機械・電気・化学・情報の分野で、実践的な“ものづくり”やシステム開発を学べるようになってる。
親: 実際の社会に直結した学びが中心なのね。
子: そう。設計して、つくって、評価して、改良するという「技術のPDCA」を大学の中で何度も経験できるんだ。
幅広い技術分野をカバーする4つの学科構成
● 機械システム工学科
- 自動車、ロボット、エネルギー機械、医療機器など、“動くもの”をつくる技術を学ぶ
- CAD設計・3Dプリンタ・機械加工・ロボット制御などの演習も豊富
- 力学・熱・材料・流体の基礎を固めつつ、実験と実習で応用力を養う
● 電気電子システム学科
- 家電製品から通信、エネルギー制御、IoT、半導体まで、“電気で動く世界”の技術基盤を修得
- 回路設計、プログラミング、センサ技術、エネルギー工学などを幅広く網羅
- 再生可能エネルギーやスマートグリッドにも対応
● 応用化学科
- 材料・医薬・環境・エネルギーなどに関わる化学の力で社会課題を解決する技術を学ぶ
- 有機・無機・分析・物理化学の基礎に加え、化学工学的な視点も養成
- 実験設備が充実しており、実験→考察→再設計を繰り返す実践力が身につく
● 情報工学科
- ソフトウェア・ネットワーク・AI・組み込みシステムなど、“情報の仕組み”をつくる技術を学ぶ
- Python・C・Java等のプログラミング演習が豊富/システム設計・アプリ開発も実施
- セキュリティやデータベース、人工知能などの先端分野にも対応
子: 工学部って“モノ”をつくるっていうより、「しくみをつくる」って感覚に近いかな。自然の法則を使って“社会の役に立つ技術”に変えるんだよ。
学びのステップ|理論→設計→現場へと展開する4年間
● 1年次:理工系の基礎+工学の入門
- 数学・物理・化学・情報など、理系の基礎を徹底的に固める
- 工学概論で、機械・電気・化学・情報それぞれの基礎に触れ、自分の興味を明確に
- 実験リテラシー・安全管理など、工学系ならではの基本姿勢も習得
● 2年次:専門知識+設計・実験スキルを強化
- 各学科での専門科目(機械設計、回路解析、プログラミング、反応工学など)が本格化
- 実験や実習が増え、“自分の手で確かめる”学びに移行
- チームでの課題解決型授業(PBL)も一部導入
● 3年次:研究室所属+プロジェクト型教育へ
- 各研究室に所属して、本格的な設計・開発・実験活動に取り組む
- 学会発表、企業訪問、地域との共同研究など、社会との接点が一気に増える年次
- 公務員対策・技術者試験対策も並行してスタート
● 4年次:卒業研究+就職・進学準備の総仕上げ
- 卒業研究テーマ例:「自動運転制御システムの開発」「新規触媒による水処理技術」「AIによる工場最適化」など
- プレゼン・レポート・論文の作成能力を磨き、企業や大学院への進路選択も支援
実践教育・地域密着型の取り組みが豊富
- 岡山県・企業・自治体と連携した「現実の課題」に挑むプロジェクト演習を多数実施
- 例:災害対応ロボットの試作/地域の観光課題をICTで解決/地元企業の生産管理最適化提案
- 学内の技術サポートセンターや地域連携オフィスが全面支援
親: 実験や演習が豊富で、就職してからもすぐに役立ちそうな力が育つのね。
子: うん。「技術を学んで終わり」じゃなくて、「学んだ技術をどう使うか」まで考える機会が多いよ。
学生の雰囲気|技術にまじめで、手を動かすのが好きなタイプが多い
- コツコツ努力型で、作る・直す・試すのが好きな学生が多い
- 落ち着いた空気の中に、探究心や創意工夫を大切にする文化が根づいている
- 研究室・ゼミの結束力が強く、仲間と共に挑戦する姿勢が育つ
- プログラミングや電子工作、車・ロボット系の課外活動も活発
主な進路|“技術で社会を支える”専門職へ
● 技術系総合職(民間企業)
- 機械・電気・化学・自動車・IT・建設・精密機器など幅広い業界に対応
- 設計、開発、評価、品質保証、データ分析など職種も多彩
● 公務員・技術職
- 技術系市役所職員、インフラ系公社、消防設備関連、情報処理職など
- 地元岡山県内での就職率が高いのも特徴
● 大学院進学
- 岡山理科大学大学院や他大学理工系大学院に進学し、研究職・教育職を志す人も
- 環境、エネルギー、バイオ、AIなど先端分野へのステップアップに有効
保護者の方へ|こんなお子さんにおすすめです
- 数理・理科が得意で、モノやしくみに興味がある子
- 社会に役立つ技術を、自分の手でつくってみたいという意欲がある子
- 地道な作業や実験にもコツコツと向き合える子
- 将来は製造業、IT業、公務員、教育職など“専門性のある安定した仕事”に就きたい子
- 実験・実習を通じて「作って考える」スタイルで学びたい子
子: 工学って、“便利にする”ってことだけじゃなくて、“人の暮らしを安全に支える”ことでもあるんだよね。
親: 技術を通じて人の役に立つことを実感できる学部なら、どんな未来にもつながりそうで安心だわ。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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