「情報科学部」って、パソコンばかり触ってる学部なの?
親: 情報科学ってなんだか難しそうで…プログラミングしかやらないの?
子: プログラミングも学ぶけど、それは入口にすぎないよ。広島大学の情報科学部では、AI、データサイエンス、ネットワーク、セキュリティ、ソフトウェア設計まで幅広くカバーしていて、情報を「科学」として学ぶことができる学部なんだ。
親: なるほど、“仕組みを作る側”の学問なのね。
子: そう!スマホやSNS、検索エンジン、IoT、ロボットなど、今の社会を支えてる情報技術を理論と実装の両方から学んで、社会で活かすのが目的なんだ。
学部の特徴|理論と実践をつなげる「情報の総合大学」
● 情報技術の根幹を理解する「数理×情報」の基礎力重視
- コンピュータサイエンスの基本となる離散数学・線形代数・論理回路などを1年次から徹底
- 「なんとなく使う」のではなく、「なぜそうなるのか」を数式で説明できる力を養成
- 情報技術を“設計できる人”になるための土台を作る
● 応用技術も多彩にカバー
- AI・機械学習/データ解析/自然言語処理/画像認識/ヒューマンインタフェース/ネットワーク構築
- ハードウェア・ソフトウェア・Web・セキュリティの全領域を横断
- 社会実装を意識したプロジェクト型学習(PBL)が3年次以降に充実
● 少人数・ゼミ重視で“手を動かす”時間が多い
- 授業のほとんどが実習形式/PC前でプログラミング・解析を日常的に実施
- プロジェクト課題ではグループ開発・UI設計・顧客提案など現場型体験も
- 学生主体の技術系サークルや競技プログラミング活動も盛ん
学びのステップ|情報の“つくる・使う・守る”を習得する4年間
● 1年次|理数系の基礎+情報科学の入り口
- 数学(線形代数・離散構造)/情報数学/C言語入門/論理回路設計など
- 「コンピュータとは何か」「アルゴリズムとは何か」などの理論をしっかり学習
- 自分のノートPCで常時演習→初めてのプログラム作品づくりも体験
● 2年次|応用プログラミングとデータ処理の実力を強化
- Python/Javaによる開発/データベース設計/統計解析入門
- AIや機械学習の基礎理論もこの時期から開始
- チームでのシステム開発演習で開発フローの実務を学ぶ
● 3年次|専門性を深め、実社会と接続するフェーズへ
- 応用アルゴリズム/クラウド基盤/ネットワークセキュリティ/ヒューマンインタフェースなど多様な選択科目
- 実際の社会課題をテーマにしたPBL型授業が多数(例:交通データ分析、教育AI、スマート農業支援など)
- 研究室仮配属で研究テーマの方向性を検討
● 4年次|卒業研究と進路決定に集中
- AI応用/音声認識/IoT/画像処理/ブロックチェーン/医療情報処理など、個別テーマで卒論を執筆
- 学内発表/学会参加/企業との連携研究に進む学生も多い
- 大学院(情報科学研究科)への進学率も高く、研究職志向の学生にも最適
実践例・プロジェクト|「今、使われている技術」を手がける経験
- 顔認識AIを用いた入退室管理システムの開発
- SNS投稿から災害リスクをリアルタイム予測する自然言語処理
- 通信ネットワークの障害検知アルゴリズム開発
- 医療用画像の分類システム(深層学習モデル)構築
- 農作物の生育予測AI×気象ビッグデータの統合研究
- サイバー攻撃シミュレーションシステム構築と防御演習
子: 教科書だけじゃなくて、“実際に動くもの”を自分で作って社会に試せるから、達成感がすごいよ。
親: 実社会でそのまま通用する技術を学生時代から学べるって、将来の自信につながるわね。
学生の雰囲気|静かだけどアツい、“技術が好きな仲間”がそろう
- プログラミングが好き/数学や思考力を鍛えるのが好きな学生が多い
- 静かで落ち着いた雰囲気だけど、技術的な話題になると一気に盛り上がる
- 一人で黙々タイプから、チームで開発したいタイプまで多様
- 学年を越えた交流も活発で、ハッカソンや技術イベント参加も盛ん
子: 授業で学んだことをそのまま友達と共有して、夜に一緒にコード書いたりするのが楽しい!
親: 技術に夢中になれる仲間がいるのは、すごく貴重な環境ね。
就職・進路|あらゆる業界で求められる“情報の専門家”へ
● 主な就職分野
- IT企業(SE、アプリ開発、AI技術者、クラウドエンジニアなど)
- 通信・電機メーカー・ロボット・自動車業界のIT部門
- 公務員(情報系職種・技術職)
- 金融・物流・教育業界の情報システム開発・運用部門
- スタートアップ企業やフリーランスとして起業
- 大学院進学(広島大学大学院情報科学研究科 など)
● 就職・キャリア支援体制
- 技術職向け就活講座(技術プレゼン・面接・スキルポートフォリオ作成)
- キャリアアドバイザーによる個別相談
- 学部内でのインターンシップ紹介・OBOG交流会・研究室見学会あり
子: 「理論と実装の両方をやってきた」っていう経験が、面接でもすごく武器になったよ。
親: 社会がITを求めている今、情報科学部って将来性も安心感もあるわね。
保護者の方へ|こんなお子さんにおすすめです
- プログラミングやIT技術に興味がある
- 数学や理論的な思考が得意/好き
- AI・IoT・セキュリティなどの社会課題に技術で貢献したい
- 一人で黙々と取り組むのが好きだけど、仲間と開発もしてみたい
- 将来、IT業界・研究職・ソフトウェア開発などで活躍したいと考えている
子: 情報科学部に来て、“使う側”から“つくる側”になれた。社会の裏側にある技術のすごさを体感できたよ。
親: 静かな熱中と確かな技術。今の時代にこそ必要な力が身につく学部ね。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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