「人文学部」って? 人のこころ・文化・歴史から社会を考える学び
親: 「人文学部」って、昔ながらの文学や歴史を学ぶところってイメージだけど、今はどんなことを学ぶの?
子: もちろん文学や哲学、歴史は大事だけど、それだけじゃないんだよ。山口大学の人文学部では、「人間とは何か?」「社会や文化はどう成り立っているか?」をいろんな視点で掘り下げて考えるんだ。今の社会の課題にもちゃんとつながる、幅広くて深い学びがあるよ。
親: 昔ながらの学問に、今の時代の視点をかけ合わせてるのね。
子: そうそう。SNSやAIが当たり前になった時代だからこそ、「人間らしさ」や「言葉の力」を見つめ直す学びが注目されてるんだよ。
学びの特徴|考える力・伝える力・共に生きる力を育てる
● 思索を深める「哲学・倫理・宗教」の探究
- 「人間とは?」「善悪とは?」といった根源的な問いに向き合う
- 古典から現代思想まで幅広く学び、論理的に考える力を養う
- 倫理や宗教の多様性を理解し、現代社会の価値観の対立にも向き合う
● 文化と社会を読み解く「歴史・文化・考古」の視点
- 日本史・東洋史・西洋史をバランスよく学べるカリキュラム
- 現地調査や史料読解を通して、リアルな「歴史の現場」を追体験
- 考古学では遺跡の発掘やフィールド調査も実施
● 言葉の力と想像力を育てる「文学・言語・芸術」の世界
- 日本文学・英米文学・中国文学など、多様な文学作品と向き合う
- 映像・演劇・美術など、現代の表現文化にもアプローチ
- 読解・表現・創作を通して、言葉の力と感性を高める
● 社会と心に向き合う「心理・社会・コミュニケーション」系の学び
- 心理学・社会学・メディア論など、現代社会との接点が豊富
- 心のメカニズムから、人間関係や社会現象を読み解く視点を学ぶ
- フィールドワークやグループ討議で主体的に考える力を育成
学びの流れ|「探究→対話→発信」の4年間
● 1年次:人文科学の基礎を広く学びながら、自分の関心を探る
- 人文入門/哲学・文学・歴史・心理などの基礎科目
- 少人数のゼミでプレゼンやディスカッションを経験
- 第二外国語や情報リテラシーなどの汎用スキルも習得
● 2〜3年次:専門を深め、フィールド調査や研究に挑戦
- 各自のテーマに応じて講義や演習を選択し、探究を深化
- 調査・インタビュー・資料分析などの実践的スキルを学ぶ
- 海外研修・短期留学・学外インターンに挑戦する学生も
● 4年次:卒業研究で「問い」を形にし、自らの学びを社会に還元
- 自分の関心に基づいた卒論テーマに1年かけて取り組む
- 教員との密な対話とフィードバックで思考を深める
- プレゼンや論文で、言葉で考え、伝える力を証明
学生の雰囲気|穏やかで対話が好きな、思いやりある仲間たち
- 「自分の言葉で考えたい」「誰かと語り合いたい」という学生が多い
- 本が好きな子、映画や芸術が好きな子、静かだけど芯がある子が多い
- 課題にじっくり向き合いながら、互いにリスペクトし合う空気感
- 派手さはないけど、内面から湧き上がる“知的な熱意”がある学び場
主な進路|深く考える力は、どんな仕事でも生きる
● 主な就職先
- 公務員(地方自治体/文化財・教育・国際交流関連)
- 教員(中高の国語・英語・社会など)
- 出版・編集・マスコミ・広告・教育サービス
- 一般企業(営業・人事・企画・地域連携など)
- 博物館・図書館・文化施設
- 大学院進学(人文系/教育系/国際文化研究など)
● キャリアサポートも充実
- 公務員試験対策講座や教員採用試験支援
- キャリア形成科目で「自分の強み」を棚卸し
- 学生一人ひとりに寄り添う進路相談
保護者の方へ|どんな子に向いている?
- 言葉や歴史、哲学や文学にじっくり向き合いたい子
- 社会の「なぜ?」に対して、深く考え、答えを探したい子
- 表現力や読解力を活かして、人と対話しながら働きたい子
- 将来の進路を焦らず、自分の軸をじっくり育てたい子
- 地域や文化、教育や人の心に関心がある子
子: 人文学って、一見役に立たなそうに思えるかもしれないけど、「人間とは?」を考える力って、すべての仕事の根っこにあるんだ。
親: たしかに。正解のない時代に、自分で考え抜く力を持った人が、社会の中で芯を持って生きていけるのかもしれないわね。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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