「国際総合科学部」って?世界と地域を“つなぐ”新しい学問のかたち
親: 「国際総合科学部」って、名前はカッコいいけど…何を学ぶの?
子: 一言でいうと、「地球規模の課題を、地域から解決する力」を養う学部なんだ。国際協力・環境問題・地域創生・多文化共生など、今の時代に必要なテーマを、文系・理系をまたいで学べるよ。
親: 文理融合ってこと?そんな学部があるのね。
子: そうなの。たとえば、災害支援を考えるときに「被災地の心理的ケア(文系的視点)」と「水質調査や復旧インフラ(理系的視点)」の両方が必要でしょ?この学部では、そういう“横断的な発想”を育てるんだよ。
学びの特徴|「国際」「地域」「科学」が融合した実践型教育
● 現代社会の課題に“文理横断”で取り組む
- 国際関係、環境科学、情報リテラシー、地域政策などをバランスよく学ぶ
- SDGs、ESD(持続可能な開発のための教育)を軸に、現実の課題を考察
- 環境、エネルギー、ジェンダー、多文化共生、観光などテーマは多岐にわたる
● データ分析 × フィールドワークが両立
- 環境計測、統計解析、GIS(地理情報システム)など理系的手法も習得
- 一方で、インタビュー、参加観察、社会調査など文系的アプローチも学べる
- 調査結果をもとに「提案型プレゼン」を行い、実践力を鍛える
● グローバルな視野 × ローカルな実践
- 英語でのディスカッションや国際問題の分析演習あり
- 海外研修や留学、地域フィールドスタディで多文化理解を深める
- 「世界で学び、地域で活かす」という実践哲学が全体に流れている
カリキュラムの流れ|多角的な知と行動力を育む4年間
● 1年次:視野を広げ、自分の軸を探る
- 国際関係入門/環境科学入門/地域理解/基礎演習など
- 数学・統計・情報処理などの汎用スキルも修得
- 小グループでの探究型学習で“調べて考える”力を育てる
● 2年次:専門性を高め、フィールドに出る
- 多文化共生論/地域社会論/SDGs政策論などを履修
- 地域や自治体と連携した調査活動・ボランティアに参加
- 英語での文献読解やプレゼンテーション演習も本格化
● 3年次:課題解決型プロジェクトに取り組む
- 「災害と人」「観光とまちづくり」「環境と教育」などの実践課題に取り組む
- チームで政策提言、企業提案、地域貢献活動を展開
- 卒業研究に向けた個人調査やフィールドデータの収集がスタート
● 4年次:卒業研究と将来設計の集大成
- 学際的な視点を活かした卒業論文(例:脱炭素社会に向けた自治体政策提案)
- プレゼン大会、報告会などアウトプットの機会も多数
- 就職・進学の個別指導あり。海外志向の学生には留学相談も充実
実践例|“世界を学び、地域で動く”学生の活動
- 山口県内の自治体と連携した「多文化共生まちづくりプロジェクト」
- 瀬戸内海の環境調査・海洋ゴミ対策研究
- 観光による地域活性化プランの立案と企業プレゼン
- フィリピンやインドネシアでの短期海外研修(英語+国際協力)
子: フィールドに出て、人に話を聞いて、課題を“自分ごと”にするっていう経験が、一番勉強になるんだよ。
親: 実際に動いて学ぶことで、自信にもつながりそうね。
学生の雰囲気|探究心・行動力・多様性にあふれた仲間たち
- 国際協力や社会問題に関心の高い“社会派”タイプが多い
- 海外経験者や帰国子女、地方出身者など多様な背景の学生が集まる
- プレゼンや議論が活発で、お互いに刺激し合える雰囲気
- 積極性+やわらかな人間性をあわせ持つ学生が目立つ
就職・進路|文理融合の強みで、多様なフィールドへ
● 主な進路
- 地方自治体(国際交流・環境・地域政策など)
- 国際NGO/NPO、開発支援機関
- 一般企業(企画、広報、SDGs推進部門など)
- 観光・サービス・IT分野(地域創生やデジタル人材として)
- 大学院進学(国際協力学、環境学、地域政策学など)
● サポート体制
- キャリアセンター+学部教員のWサポート体制
- SDGs系・公務員志望向けガイダンス・ES添削・模擬面接も対応
- 学外インターンや海外研修を通じて進路の幅を広げる
保護者の方へ|こんなお子さんにぴったりです
- 国際的な課題やニュースに関心がある
- 「人の役に立ちたい」「社会を変えたい」という思いがある
- 自分で考え、調べ、行動する力をつけたい
- 文系・理系の枠に縛られず、幅広く学びたい
- 将来はグローバルにもローカルにも関われる仕事を目指したい
子: 「世界のことは遠くない」って、ここで学んで実感した。自分の手で、少しずつでも社会を動かせるんだって思えるようになったよ。
親: それは素晴らしい成長ね。時代の変化に合った力を、ちゃんと育ててくれる学部なんだと思うわ。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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