「歯学部」って? 歯だけじゃない、“人の健康”を支える医療人の道
親: 歯学部って、歯医者さんになるための学部なのはわかるけど、実際にはどんなことを学ぶの?
子: うん、たしかに“歯”を治すってイメージが強いけど、実は「口は全身の入り口」って言われるくらい重要で、口の健康は全身の健康に大きく影響するんだ。徳島大学の歯学部では、歯・あご・口腔全体だけじゃなく、栄養、全身疾患、コミュニケーションまで幅広く学ぶよ。
親: へえ、口の健康ってそんなに重要なのね。
子: しかもこの大学は、四国で唯一の国立歯学部として、地域医療に力を入れていて、地元の病院や施設と連携した教育・実習がすごく充実してるんだよ。
学部の特徴|“科学としての歯学”と“人と向き合う医療”の両立
● 6年制で歯科医師国家試験受験資格を取得
- 医学に近い厳密なカリキュラムで、人体のしくみ・病気・治療法を学ぶ
- 歯学・医科学・臨床技術・患者との関わりを6年間で総合的に学ぶ
- 国家試験対策も1年次から段階的に組み込まれ、全国でも高水準の合格率を維持
● “口から全身を診る”視点の徹底
- う蝕や歯周病だけでなく、がん・感染症・高齢者の嚥下障害なども扱う
- 栄養・嚥下・発声・表情といった機能を医療チームで支える学び
- チーム医療を理解するため、医学部・看護学科との連携授業も展開
● 地域・チーム・患者とつながる実践教育
- 徳島県内の病院・診療所・高齢者施設での臨床実習あり
- 口腔がん検診・在宅歯科診療・障害者歯科など幅広い医療に対応
- 医療面接・模擬患者トレーニングで“伝える力・聴く力”も育てる
学びの流れ|「科学・技術・倫理・実践」を6年間で積み重ねる
● 1〜2年次:歯学の基礎+医療人としての教養を固める
- 解剖学・生理学・組織学・病理学・薬理学など医歯共通の基礎科目
- 医療倫理・コミュニケーション・心理学・医療英語などの人間教育も重視
- 歯型採取・模型作製など初歩的な手技も早期からスタート
● 3〜4年次:臨床準備と基本治療技術を身につける
- 保存修復学・補綴学・歯周病学・小児歯科・口腔外科などの専門領域へ進む
- 実習用ユニットでの技術演習(歯科材料操作、形成、印象など)
- 模擬診療・症例検討・チーム内ディスカッションを通して実践力を養成
● 5〜6年次:臨床実習と卒業研究、国家試験対策の総仕上げ
- 附属病院や提携医療機関での診療参加型実習(実患者を対象に診療)
- チーム医療体験・在宅歯科同行・多職種連携の現場経験
- 卒業研究で「歯学的探究力」を深め、論文執筆・発表も経験
- 国家試験対策講座・模擬試験・個別指導で万全の支援体制
学生の雰囲気|誠実で責任感のある“患者に寄り添う医療人”をめざす仲間たち
- 高校時代から「医療職を志していた」学生が多く、目標意識が高い
- 実習・演習では仲間と助け合いながら成長する“チームワーク型”の文化
- 理系的知識に強く、かつ人とのコミュニケーションを大切にする学生が多い
- 医療の現場で感じた“人の痛み”を自分ごととして学びに変える力がある
主な進路|臨床・研究・行政・教育まで、広がる歯科医師の未来
● 主な就職・進路先
- 歯科医院(一般歯科/小児歯科/矯正歯科/口腔外科など)
- 病院歯科(総合病院/大学病院/障害者歯科・高齢者歯科)
- 公務員歯科医師(市町村保健センター・自衛隊・刑務所など)
- 研究者・大学教員(大学院進学→博士課程→研究機関)
- 医療系企業(歯科材料・機器メーカーなど)
● 歯科医師国家試験
- 合格率は全国平均を上回る年もあり
- 難関だが、6年間かけて実力を積み上げる体系的支援体制あり
- 合格後は臨床研修(1年以上)を経て本格的に歯科医師として独立
保護者の方へ|どんな子に向いている?
- 理系が得意で、手先が器用な子
- 医療に関心があり、人の健康を支える仕事がしたい子
- コミュニケーション力と責任感を持って人と接することができる子
- 長期的な努力をコツコツ積み重ねる意志のある子
- 医療人としての使命感を育てながら、社会に貢献したいと考えている子
子: 歯学って、治療技術だけじゃなくて、“人の人生に寄り添う医療”だったんだって、学べば学ぶほど感じるよ。
親: 見える部分の健康って、心にも影響するのよね。口から支える医療って、すごく大切で、奥が深いものだわ。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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