「人文学部」って何を学ぶの?“人を深く知る”学問の世界
親: 「人文学部」って漠然としていて、どんなことを学ぶのかイメージしづらいのよね。
子: 確かに。でも実は、人文学って「人とは何か?」「文化とは?」「宗教や歴史ってなぜ大事なのか?」っていう、人間の根本に関わる問いを探究する学問なんだよ。天理大学の人文学部では、宗教学・歴史学・考古学・文化人類学などを通して、人間社会の多様性と深層を見つめる学びができるんだ。
親: なるほど、目に見えにくいけれど、大切なことを学ぶ学部なのね。
4つの専門領域で“人間”に多角的に迫る
- 宗教学・宗教文化
世界の宗教、比較宗教、神話や儀礼の意味、現代社会と信仰の関係などを学ぶ
宗教間対話、多文化共生への視点が育まれる - 歴史学
日本史・東洋史・西洋史をバランスよく学び、時代背景・人物像・政治制度などを深掘り
一次資料を読み解く力や、歴史から現代社会を考察する視点が身につく - 考古学
遺跡調査・出土品分析・年代測定・フィールドワークなど、実証的な学問として人気
天理市周辺の古墳や遺跡も身近な教材に - 文化人類学・民族学
世界各地の生活文化、言語、宗教、家族制度などの違いを学び、“違いを理解する力”を養う
現地調査やインタビュー、地域コミュニティとの交流も重視
子: 社会の表層ではなく“深層”に目を向けて、人間という存在を見つめ直すんだよ。
学びのステップ|じっくり、そして深く掘り下げていく4年間
1年次:基礎教養と学問の入口にふれる
- 宗教学入門、歴史学概論、文化人類学入門など
- 哲学・倫理・論理学など「ものの見方」を鍛える授業が多数
- 図書館の使い方、レポートの書き方など、学問の基礎スキルも修得
2年次:専門分野の理論と事例を学ぶ
- 仏教・キリスト教・イスラムなど宗教別に深堀り
- 古文書読解、日本古代〜近現代史、世界の先住民文化など
- 実習形式の授業で現地観察・遺物分析・フィールドノート作成に挑戦
3年次:演習・ゼミで自分のテーマを追究
- 自由な発想で研究テーマを設定(例:奈良の神社信仰、アフリカの葬送文化、考古学的食文化)
- 現地調査・インタビュー・史料収集など本格的なフィールドワークがスタート
- 少人数のゼミで、対話を重ねながら深い学びへ
4年次:卒業研究と社会発信
- 各自の研究成果を論文・プレゼン・展示などで発表
- 文化施設・自治体・国際NGOなどと連携した実践的研究も可能
- 将来につながる「自分の問い」を深める集大成の1年
天理ならではの学び|宗教・文化が息づく街がキャンパス
- 天理教の聖地でもある天理市の文化・宗教環境を肌で感じながら学べる
- 天理参考館(民族学・考古学博物館)と連携した実習・展示体験
- 歴史的建造物や古墳群が徒歩圏内。日常が“学びのフィールド”
親: 博物館や文化財がすぐ近くにあるのは、他にはない環境ね。
子: 教科書だけじゃなく、現地で感じる学びが深いんだよ!
学生の雰囲気|知的好奇心と対話を大切にする仲間たち
- 歴史や文化に強い関心がある学生が多く、探究心が強い
- 賑やかさより、静かな集中や深い議論を大切にする雰囲気
- 趣味や興味を共有しやすく、ゼミの仲間とは長く深く関わる傾向
- 留学生や社会人学生との学びもあり、多様な視点が得られる環境
子: ひとつの問いにじっくり向き合う仲間と出会える場所って、貴重だと思う。
主な進路|学びを社会へ活かす道はさまざま
- 学芸員・文化財保護(博物館・資料館・市町村文化財課)
- 教育(中学・高校の社会・地歴公民/宗教教育)
- 公務員(地域行政・文化政策・観光など)
- 宗教法人職員・国際NGO・文化交流団体
- 企業(出版・旅行・文化イベント企画・地域プロモーションなど)
- 大学院進学(宗教学・文化人類学・歴史学など)
親: いろんな道があるのね。研究者だけじゃないのが意外だったわ。
子: 「人間を深く知る」って、どんな仕事にも活きる力なんだよ。
保護者の方へ|こんなお子さんにおすすめです
- 歴史・宗教・文化など、人間の本質に興味がある
- 本を読んだり、じっくり考えたりするのが好き
- 自分の問いを見つけ、深く探究したいという意志がある
- 他者との違いを受け入れ、対話を大切にできる
- 社会を「表面的でなく、根本から理解したい」と考えている
親: 大きな視野で人間を見つめ直せる学びって、どんな時代でも価値があるわね。
子: ここで得た視点は、どこに行っても“人と関わる力”になるんだ。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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