「看護福祉学部」って? “こころ”と“からだ”を支える2つの専門性
親: 看護と福祉、どっちも学ぶって大変そうだけど、実際にはどういう学部なの?
子: 北海道医療大学の看護福祉学部は、看護学科と福祉マネジメント学科の2つがあって、どちらも“人を支える専門職”をめざす学びだよ。特にここでは、**“医療”と“生活”の両方に寄り添える人になる”**っていう、深い視点が大切にされてるんだ。
親: じゃあ、病気を治すだけじゃなくて、その人の人生とか暮らしまで関わるってこと?
子: そうそう。看護も福祉も、“そばにいる力”が求められる仕事だからね。専門的でありながら、人間的なあたたかさが求められる世界。それを6年間かけて育てるって感じかな。
学びの特徴|“支援するプロ”としての基礎と姿勢をじっくり育てる
● 看護学科|からだとこころの“つながり”を看る力を育てる
- 解剖生理・疾患看護・基礎看護などを徹底的に学ぶカリキュラム
- 急性期・慢性期・在宅・精神・小児・老年など幅広いフィールドを網羅
- シミュレーションルームでの演習、電子カルテ実習などICT教育も整備
- 看護師+保健師や養護教諭を目指せる資格制度あり(選択制)
● 福祉マネジメント学科|“生活の支援”を科学的・現場的に学ぶ
- 社会福祉士国家試験対応カリキュラム+マネジメント・ICT活用も学べる
- 地域福祉、障がい者支援、高齢者福祉、家族支援など広く学ぶ構成
- 実習先でのケースワーク実践や、他職種連携の現場体験が豊富
- 医療・福祉両方に通じる“調整力・対話力”を大切にしている
教員との関係|“顔の見える距離感”で、心のケアまで支える指導体制
- 少人数ゼミ制+学年担任制により、個別指導がとても丁寧
- 看護師や福祉実務経験が豊富な教員が多く、現場の空気を知っているからこそのアドバイスがもらえる
- 実習前や国家試験前など、学生の不安に寄り添ったサポートを大切にしている
- 面談では勉強以外のこと(生活・人間関係・将来の不安)まで相談する学生が多いのが特徴
実習とフィールド|“人に触れること”からしか得られないものを大切に
- 1年次から「観察実習」や「地域フィールド体験」で現場との接点をスタート
- 看護学科:2〜4年次に計4〜5回の長期実習(病院・訪問看護・保健所・学校など)
- 福祉学科:2〜4年次に社会福祉施設・医療機関・地域包括支援センターなどでの実習
- 「記録→ふりかえり→再挑戦」というプロセスを大切にする指導方針
- 地域住民や患者さんの声を直に聞き、「人と関わる難しさと意味」を深く体感する時間が多い
学生の雰囲気|やさしさと真剣さが共存する、あたたかい空気
- 看護・福祉ともに「人の役に立ちたい」という気持ちを持った学生が中心
- 努力家で真面目な学生が多く、勉強・実習・国家試験に一生懸命取り組む
- しんどい時に助け合う風土があり、「誰かがいる安心感」がある
- 「静かな熱意」を持つタイプの学生が多く、友達も教員もじっくり話を聞いてくれる関係ができやすい
- 多くの学生が「入学してよかった」「思った以上に人とのつながりを大切にできる場所だった」と語る
学びのステップ|“支援者としての自分”を育てていく4年間
● 1年次:人間理解と支援の基礎を固める
- 解剖学・心理学・看護学原論・社会福祉概論などを幅広く履修
- 実習見学・現場体験を通して「支援の現場」を肌で知る
- 他学部と合同の医療人基礎教育でチーム医療・多職種協働を学び始める
● 2年次:専門性の分化と実践力の芽生え
- 看護:診療科別の技術演習/福祉:制度理解+現場でのミニケース演習
- 教育方法は“支援する目線”が重視され、「この人はどんな助けを必要としているか」を考えることが中心
- 地域住民との対話型授業なども取り入れられる
● 3年次:長期実習で“本物の現場”に立つ
- 看護:病棟・精神・訪問看護・小児など多分野での実務
- 福祉:地域包括支援、相談支援、病院ソーシャルワーク実習など
- 実習記録、面談、グループ共有などを通して「人に向き合うとは何か」を深めていく
● 4年次:卒業研究と国家試験、そして“社会に出る準備”
- 実践に基づいた研究(例:終末期ケア、ヤングケアラー支援、地域精神保健)を1年間かけて追究
- 看護師・保健師・社会福祉士の国家試験に向けて集中対策
- 就職活動や進学相談も教員と二人三脚で進める時期
就職・進路|“誰かのそばで支える力”を活かして羽ばたく道
● 看護学科の進路
- 総合病院、大学病院、精神科病院、訪問看護ステーション
- 保健所・企業・教育現場(養護教諭)などの保健師枠
- 看護系大学院・助産師課程への進学も多数
● 福祉マネジメント学科の進路
- 地域包括支援センター・社会福祉協議会・障がい者福祉施設
- 医療ソーシャルワーカー(MSW)として病院勤務
- 児童福祉施設・行政の福祉職(道庁・市役所など)
- 社会福祉士としての登録・実践が卒業後すぐに可能
● 国家資格・支援体制
- 看護師・保健師・社会福祉士の国家試験合格率は全国平均以上
- 模試・個別指導・ピアサポート体制が充実
- 卒業後もOB・OGによる進路相談支援あり
保護者の方へ|こんなお子さんに向いています
- 人の話を聞くのが得意で、誰かを支える仕事に興味がある子
- 医療職にも関心があるが、対話や心のケアにも魅力を感じている子
- 失敗をしながらでも、成長していきたいという意欲がある子
- 静かでも芯のある子、真面目にコツコツ頑張るタイプの子
- 国家資格を取り、長く社会に貢献できる力をつけたい子
親: 看護も福祉も、知識だけじゃなく“人と向き合う力”が大事なのね。
子: うん。ここでは、支援の知識だけじゃなくて、「人と関わる意味」まで、ちゃんと教えてもらえるって感じがするんだ。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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