「環境科学部」って?自然と人間の共生を科学で実現する学びの場
親: 「環境科学」ってよく聞くけど、何を学ぶのかいまいちピンとこないわ。
子: 一言で言うと、「人と自然が共に生きる未来を、科学と実践で考える学部」かな。人間環境大学の環境科学部では、自然科学・社会科学・政策・教育などを総合的に学んで、気候変動、生物多様性、公害、再生可能エネルギー、里山保全など、幅広いテーマにアプローチできるんだ。
親: 環境問題って時代的にも大事だけど、理系じゃないと難しいの?
子: いや、ここは理系・文系どちらでもOKなカリキュラムで、実習やフィールドワークが多くて“体で学ぶ”感覚だよ。
特徴①|「フィールド科学×地域連携」で、現場から学ぶ
- 自然環境・農山村・都市公害など、実際の現場に足を運んで調査・分析・提案を行う
- 大学の周辺(岡崎市・豊田市など)にある里山、河川、工業地域との連携プロジェクトが豊富
- 自然観察や環境測定を通じて、**「教室では学べないリアルな自然」**に触れる機会が多い
- 高校までに地理や理科が苦手だった子でも、“楽しみながら自然と好きになれる”カリキュラム設計
子: ぼくたち、1年のときから実際に川の水質調査や外来種の駆除体験をやってるよ。知識だけじゃなくて「体験」が軸になるんだ。
特徴②|自然科学+社会科学を融合した“総合環境教育”
- 生態学・化学・地球科学・物理・統計などの自然科学に加え、
- 環境政策・環境法・経済・教育・心理学などの人文社会系科目も学べる
- 例えば「森林保全」ひとつとっても、植生調査×地域政策×住民ワークショップと多角的に関われる
- SDGsの考え方や「サステナビリティ教育(ESD)」も体系的に学べる
親: 単なる理系の自然科学だけじゃなくて、社会との接点も学べるのね。
子: うん、“理系寄りの文系”“文系寄りの理系”のどっちも選べるイメージ!
特徴③|環境を“教える・伝える”力も重視
- 環境教育・環境カウンセリングなど、「伝える力」を育てる授業が充実
- 小学校・中学校・高等学校の理科教員免許を取得可能(コース選択制)
- 子ども向け自然観察会、出前講座、環境イベントなどに学生が講師として参加
- 将来「教える仕事」や「啓発活動」に携わりたい人にもおすすめ
子: 地域の小学校で「森の中の生き物教室」をやったとき、すごくやりがいを感じたよ。
学びのステップ|知る→測る→伝える→変える の4年間
◉ 1年次:環境学の世界を知る
- 環境科学概論/生物学入門/地球環境問題/SDGs入門
- 野外実習:森・川・まちを歩きながら「環境を見る力」を育てる
◉ 2年次:調べて分析する力を育てる
- 環境化学/環境測定分析/生態調査法/GIS演習
- 統計やデータ分析を通じて、科学的に環境を理解する方法を学ぶ
◉ 3年次:地域に入り、課題解決に挑む
- フィールドプロジェクト(例:水質改善提案/生物多様性保全/省エネ診断)
- 環境教育実践/持続可能な開発論/地域連携インターン
◉ 4年次:卒業研究と進路設計
- 卒業論文テーマ例:「農薬と水生昆虫」「気候変動による鳥類分布の変化」「ESD教材の開発」
- 発表会・学会参加・論文執筆で“自分の言葉で環境を伝える力”をつける
実践の場|地域・企業・行政と連携したリアルな活動が多数
- 愛知県の自然公園や廃校再利用施設と連携した環境イベント運営
- 地元NPOと共同での外来種駆除/生物多様性保全プロジェクト
- 行政主催の環境審議会や市民協働活動への参加
- エネルギー企業・建設会社と連携した再生可能エネルギー提案型授業
親: 本当に“現場とつながる”大学なのね。机の上だけじゃないって安心感あるわ。
学生の雰囲気|自然好き・まじめ・やさしい仲間たち
- 「自然が好き」「環境のために何かしたい」っていう素直な動機の学生が多い
- 高校時代、理科が苦手だった学生でも、「実際にやってみる」ことで好きになる例が多数
- 穏やかな雰囲気で、アウトドア派とインドア派が混ざり合って学んでいる
- ゼミ活動では共同作業が多く、チームでの成長を大切にする空気がある
主な進路|環境を“仕事にする”未来が広がる
◉ 公務員・行政
- 環境政策担当/自然保護課/地域振興・環境推進室など
- 環境調査官/環境保健部門
◉ 民間企業
- 環境コンサルタント会社
- 建設会社・インフラ企業(環境アセスメント・緑地管理)
- 再エネ・省エネ関連企業、環境系ベンチャー
◉ 教育・研究分野
- 中学・高校の理科教員(教職課程修了者)
- 博物館・科学館の教育担当
- 大学院進学(環境科学・生態学・地域政策など)
保護者の方へ|こんなお子さんにおすすめです
- 自然や環境問題に関心がある子
- フィールドワークや実習が好きな子
- 「地域に役立つ仕事」がしたいと思っている子
- 教育や啓発を通じて社会に貢献したい子
- 文理の枠を超えて、多角的に学びたい子
子: 環境学って、「世界を変える」みたいな大きな話じゃなくて、まず“目の前の自然に気づくこと”から始まるんだよ。
親: 小さな気づきを大切にする学びって、人生にもすごく意味がありそうね。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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