「総合数理学部」って?“数理で世界を読み解く”新しい理系のカタチ
親:
「総合数理学部」って、あまり聞きなれない名前だけど、どんなことを学ぶの?
子:
一言で言えば、「数理+情報+メディア+デザイン」を総合的に学ぶ、新しい時代の理系学部だよ。数学的な考え方を軸にしつつ、AIやデータサイエンス、コンテンツ制作、メディア技術まで幅広くカバーするのが特徴。
親:
なるほど、数学だけじゃないのね?
子:
うん。むしろ“数学だけ”じゃなくて、“数学をどう使うか”“どんな問題を解くか”に重きを置いた学び。**「未来の課題に数理で挑む」**のがこの学部の一番の特徴なんだ。
学科構成|数理・情報・メディアが融合する3学科体制
● 現象数理学科
- 気象・経済・生物・物理など“自然や社会の現象”を数式でモデル化する学問
- 数学+物理+プログラミングで、現実の「なぜ?」を解析
- 天気予報、金融工学、医療診断システムなど幅広い応用分野
● 先端メディアサイエンス学科
- メディア×テクノロジー×デザインの学際的融合
- AR/VR、映像技術、UI/UX、ゲーム開発など“見せる数理”を探究
- プログラミング×表現力が求められる、実践的かつ創造的な学科
● 統計数理学科
- ビッグデータ、AI、機械学習、金融分析など“数理×データ”に特化
- PythonやRなどを駆使して大量データを処理・分析
- 官公庁・企業・教育機関など、あらゆる領域に通じるスキルを養成
子:
3学科ともテーマは違うけど、**共通して“数理の力で社会と向き合う”**のがキーワードだよ。
カリキュラムの特徴|「数学+○○」を実践する4年間
● 1年次:数理の基礎+コンピュータリテラシー
- 線形代数・微積分・確率統計などの理系基礎を全学科で共有
- プログラミング(Python/Javaなど)を初期から導入
- 学科ごとの導入科目で進路の方向性を見定める
● 2年次:専門性の入口+演習・実験
- 学科別に特化した専門科目がスタート
- 数理モデル構築・統計分析・メディア編集など実践重視の内容へ
- グループ演習でプレゼン力・チーム力も養成
● 3年次:学際的応用力と自分のテーマを確立
- 自由選択科目が多く、「数理×環境」「数理×教育」など横断的な学びが可能
- プロジェクト型学習(PBL)で実社会の課題に取り組む機会も
- 研究室配属前にテーマ選定とスキル研鑽を積む
● 4年次:卒業研究で“自分の問い”に挑む
- 研究室に所属し、数理を軸としたテーマに取り組む
- 実験・シミュレーション・社会調査・開発など形式は多様
- 論文作成・発表・卒展(先端メディア系)などアウトプットも充実
親:
数学のイメージがちょっと変わったかも。理屈だけじゃなくて、ちゃんと“応用”があるのね。
子:
そう。“社会とつながる数理”を本気でやるのが、この学部の最大の魅力!
学生の雰囲気|「理系だけど個性派」な多様性に満ちた仲間たち
- 数学オリンピック出身の子もいれば、ゲーム制作が趣味の子も
- 地味な計算派もいれば、表現やデザインが得意な学生も多い
- “好き”をベースに動いてる学生が多く、モチベーションは高い
- ゼミやPBLでは他学科との交流も活発で、視野が広がる
- 落ち着いた雰囲気と、真剣な探究心が共存している印象
子:
“ザ・理系”って感じじゃなくて、「数理で何をしたいか」に熱い人たちの集まりって感じかな。
就職・進路|“数理で食べていく”時代にマッチしたキャリアの広がり
● 主な進路先
- データ分析系(NEC、楽天、LINEヤフー、アクセンチュアなど)
- 金融・保険(日本銀行、野村総合研究所、損保ジャパンなど)
- メディア・IT・広告(電通、博報堂、サイバーエージェントなど)
- 教育(学校教員、学習支援系企業)
- 大学院進学(明治大大学院、東大・東工大・統計研究所など)
● 資格・スキル習得
- 統計検定、情報処理技術者、教員免許(数学)など
- Python、R、Unity、Adobeなど実務向けスキル多数
- キャリア支援センター+学科ごとの進路相談も充実
子:
“理系で就職に強い”って言葉、まさにこの学部にぴったりだよ。
保護者の方へ|どんな子におすすめ?
- 数学や論理的思考が好きな子
- プログラミングやAI、データ活用に興味がある子
- モノづくり・映像制作など「創ること」にも関心がある子
- 数学を“使う”だけでなく“応用して社会に活かしたい”子
- 決められた道より、自分のテーマを探しながら進みたい子
子:
総合数理って、「数学は好きだけど、それだけじゃ物足りない」って子にぴったり。
親:
たしかに、数学が“武器になる”って実感できるのは心強いわね。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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