「神学部って何をするの?」宗教を超えて、人間と社会を深く考える学問
親: 神学部って、牧師さんになる人が行くところなの?
子: それも一部あるけど、実はもっと幅広いよ。同志社大学の神学部では、キリスト教の思想を土台にしながら、「人間って何だろう?」「正義って何?」「宗教と現代社会はどう関わるのか」みたいな、深いテーマをじっくり考えていくんだ。
親: 宗教を勉強するって、ちょっと敷居が高い気もするわね。
子: そう感じるかも。でも同志社の神学部は、「宗教者になる人」だけでなく、「人間の本質を問い直したい人」にもぴったりな場所なんだよ。特に、対話・多様性・倫理を大事にする雰囲気があって、哲学や文学、社会問題にもアプローチできる学びが魅力なんだ。
キリスト教を軸に、倫理・哲学・社会を読み解く
● キリスト教思想
旧約・新約聖書の背景やキリスト教神学の基礎を丁寧に学ぶ
宗教改革・プロテスタント思想など、近代社会と宗教の関係も探究
● 倫理と哲学
善悪の基準、命の尊さ、多様な価値観をどう受けとめるかを考える
カントやヘーゲルなど哲学者の思想と神学の交差点を学ぶ
● 現代社会と宗教
戦争・平和・貧困・環境問題などに対する宗教の立場や行動を学ぶ
多宗教・多文化共生の現場と宗教の接点を現代的視点で考察
子: 「信じる」ってことを考える学問でもあるけど、それ以上に「対話する力」「相手を理解する力」を磨けるんだ。宗教に偏らず、広い視点をもてるのが同志社の神学部の特徴だよ。
学びのステップ|聖書を読み解き、世界と人間に向き合う4年間
● 1年次:神学の土台と教養の幅を広げる
キリスト教入門・聖書の基礎・倫理学・哲学の初歩を学ぶ
リベラルアーツとして、言語・歴史・文化もバランスよく履修
● 2年次:思想を深め、多様な宗教観と向き合う
神学史・宗教社会学・比較宗教学など、応用科目に進む
留学生との合同授業や、他宗教との対話プログラムも
● 3年次:ゼミ・少人数教育で深掘り
個人の関心に沿ったテーマで演習・文献研究・議論を進める
フィールド調査(国内外の教会や宗教施設訪問)もあり
● 4年次:卒業論文を通じて自分の思想を言語化
宗教とジェンダー・政治と信仰・死生観など、幅広いテーマに挑戦
一人ひとりが「自分は何を信じ、どう生きるか」を問い直す1年に
学生の雰囲気|優しくて対話上手な、考える人たちの集まり
- 宗教や価値観の違いを尊重できる、温和で落ち着いた雰囲気
- 本を読むのが好き、静かに考えるのが好きというタイプも多い
- 誰かを助けたい、人の心に寄り添いたいという優しさを持った学生が多数
- 他学部との交流も盛んで、他分野に興味を持つ人も歓迎される環境
親: なんだか、とっても人間的な学部って感じがするわ。
子: まさにそう!「人としてどう生きるか」を真剣に考える仲間が集まってるんだ。
就職・進路|“心”と“ことば”で社会とつながる
● 主な進路
- 教員(宗教科・倫理など)
- キリスト教系団体職員・チャプレン(牧師・伝道師)
- 公務員・福祉・NPO(対人援助の現場)
- 出版・教育・人材・サービス業など、人と関わる分野
- 大学院進学(神学・宗教学・倫理学など)
● 資格・サポート
- 牧師資格取得希望者向けの制度あり
- 教職課程(中高の宗教・倫理)
- 少人数制の進路サポートで「その人らしい生き方」を後押し
子: 「宗教=就職に不利」なんてことはないよ。むしろ人間性や対話力を大切にする企業や団体に評価されているんだ。
保護者の方へ|こんなお子さんにおすすめです
- 人の心や人生の意味を深く考えることが好きな子
- 多様な価値観を柔軟に受け入れられる子
- 宗教・哲学・文学など、静かにじっくり学びたい子
- 人との対話を通じて社会に貢献したい子
- 将来、教育・福祉・人間支援に関わりたいと考えている子
親: 神学って、“何を学ぶか”以上に“どう生きるか”を問う学問なのね。
子: そうだね。派手さはないけど、心がじんわり育つ場所。だから、同志社の神学部は根っこの深い人が多いんだ。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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