「歯学部って歯医者さんになるための学部?」のその先へ
親: 歯学部って“歯医者さんになる場所”って思ってたけど、それ以上にどんなことを学ぶの?
子: 確かに歯学部は「歯科医師養成」が主目的なんだけど、東北大学ではそれにとどまらず、科学的根拠に基づく医療の探究者としての育成も大事にしてるよ。
親: 「探究者」っていうと、研究職のイメージね。
子: そう。歯科医療の現場で必要な知識だけじゃなくて、“なぜこうなるか”を突き詰める基礎研究や、病院を支えるチーム医療の理解も大切にしてるんだ。しかも6年間かけて段階的に成長できるカリキュラムがしっかり組まれてるんだよ。
東北大学 歯学部の特徴|高度な歯科医療人と研究者を育成
- 明治期に創立された伝統ある歯学教育の拠点
- 全国的に見ても珍しい歯学部附属病院が学内に整備されており、臨床教育が充実
- 「口腔を通して全身を診る」総合医療的な視点を養成
- 東北メディカル・メガバンクや医学部・薬学部との連携で、**“口の中だけにとどまらない学び”**ができる
- 臨床・研究・教育の3本柱を基盤とし、先端歯科医療の未来を担う人材を育てることに注力
6年間のステップ|「基礎」から「臨床」「研究」へと積み上げるカリキュラム
● 1・2年次:基礎力の養成
- 生物・化学・物理など医学に必要な自然科学の基礎
- 解剖学・生理学・生化学など「ヒトの身体の仕組み」を広く学ぶ
- 英語や統計、プレゼン技法など、科学的思考力を身につける科目も充実
- 歯科医学への導入教育や模型を使った初歩的な実習も開始
● 3・4年次:専門知識と技術の修得
- 歯の構造、歯周病、補綴(ほてつ:義歯やインプラント)などの専門科目を体系的に学習
- 模型実習や基礎臨床実習により、「手技の基本」を徹底トレーニング
- 4年次にCBT(臨床能力試験)とOSCE(客観的臨床試験)を受け、臨床実習への準備を完了
● 5・6年次:臨床実習と卒業研究
- 歯学部附属病院での臨床実習(口腔外科・小児歯科・矯正歯科など)
- 患者対応、診療補助、技工実習など、実務に直結する経験を積む
- 卒業研究では、口腔疾患・再生医療・微生物学・分子生物学など多様なテーマに取り組む
学生の雰囲気|真面目でストイック、でもチームワークも大事にする人たち
- 勉強量はかなり多め、国家試験に向けて計画的に取り組む学生が多い
- 真面目で責任感の強いタイプが多く、「手を抜かない」気質が根付いている
- 6年間クラス制なので、仲間意識が強く、助け合いながら頑張る文化
- 医学・看護・薬学との共同プロジェクトもあり、チーム医療に向けた協調性も重視される
就職・進路|歯科医師としての道+研究・教育・産業界へも
● 国家試験合格→歯科医師として活躍
- 東北大学の歯科医師国家試験合格率は全国でも上位レベル
- 卒業後は、大学病院の研修医→開業医・病院勤務医・大学院進学など多様なルートへ
- 小児歯科・矯正歯科・口腔外科などの専門医資格を取得する人も多い
● 主な進路例
- 東北大学病院・他大学附属病院での臨床研修
- 地域医療を支える歯科医院・病院歯科口腔外科
- 大学院(歯学研究科)への進学→研究者・教育者としての道
- 企業(歯科材料・医療機器・製薬)での開発・研究職
- 保健所・行政での歯科衛生・公衆衛生指導
● 特徴
- 歯科という狭い領域だけでなく、「科学としての医学」や「社会との関わり」も視野に入れたキャリア設計が可能
- 基礎研究と臨床現場の橋渡しをする“トランスレーショナル研究者”も増加中
保護者の方へ|どんな子におすすめ?
- 手先が器用で、繊細な作業が得意な子
- 人の話をしっかり聞ける、コミュニケーション力のある子
- 理系分野で“人の役に立ちたい”という想いが強い子
- 医療を学びたいけど、「口腔や歯」に特化して追究したい子
- 国家資格を取り、安定した医療職に就きたい子
子: 歯医者さんって、ただ虫歯を治すだけじゃなくて、「食べる」「話す」「笑う」っていう、生きることそのものを支えてるんだよ。
親: たしかに。“口の中”って小さくても、すごく大きな世界なんだね。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
コメント