「工学部」って?“技術で社会を変える”力を実践的に育てる場所
親: 工学部っていろんな技術を学ぶって聞くけど、実際にはどんな力が身につくの?
子: 簡単に言うと、「理系の知識を使って、社会の課題を解決する力」だよ。埼玉大学の工学部は特に、AI・エネルギー・通信・環境・ものづくり・国際協力などを通じて、“社会とつながる技術”を実践的に学べるんだ。
親: 国立の大学だけど、グローバルなことも学べるの?
子: うん。埼玉大学は“国際工学教育”にも力を入れてて、英語で学ぶプログラムとか、SDGsに関連した実習や、海外研修・留学生との合同プロジェクトも盛んなんだよ。
学部の特徴|5つの専門領域で「サステナブル社会を支える技術者」を育成
埼玉大学工学部には、次のような分野が用意されています
- 機械工学・ロボティクス分野
- 電気電子・エネルギー分野
- 情報通信・AI分野
- 応用化学・材料工学分野
- 環境・国際工学分野
どの分野でも、「基礎から研究、さらに社会連携や国際協働へ」という流れがあり、“考えて終わり”じゃなく“実装して価値を生み出す”ことに重点を置いた教育が行われています。
学びのステップ|実験×設計×地域・世界=実践型エンジニア教育
● 1年次:理系の基礎+工学的思考を身につける
- 数学・物理・化学などの基礎力を徹底して磨く
- 「工学入門」で各分野の社会との関係性を体感
- プログラミング基礎演習・ものづくり体験などで技術への興味を深める
● 2年次:専門科目が本格化し、“手を動かす学び”が中心に
- 各分野の具体的な授業例:
- 機械系:設計工学/流体力学/ロボット制御演習
- 電気系:回路設計/電子デバイス/太陽光発電解析
- 情報系:AI・機械学習/ネットワークプログラミング
- 化学系:有機合成/ナノ材料の性質/触媒化学
- 環境系:都市環境解析/エネルギー政策/国際開発工学
- 実験・レポート・ディスカッションの量も増え、“考えて話す力”が育つ
● 3年次:研究室に仮配属され、応用+連携型学習が始動
- 少人数グループでのプロジェクト学習が本格化(例:スマート農業IoT開発、ナノ材料の応用設計、災害対応ドローン設計など)
- 留学生との英語プロジェクト、インド・アジア圏とのオンライン交流演習もあり
- 専門実験では“自分で設計→試作→評価→報告”のサイクルを繰り返す
● 4年次:卒業研究+社会発信で技術者力の集大成へ
- 卒研テーマ例:
- 「AIを用いた交通渋滞予測と都市設計提案」
- 「ナノセルロースを活用した新素材の開発」
- 「太陽光×風力ハイブリッド発電制御システムの最適化」
- 「海外途上国向け浄水装置の開発と現地検証」
- 学内発表会や外部学会に参加し、技術を“社会に伝える力”も身につける
埼玉大学ならではのフィールド型・実社会連携の教育
- 地域企業と連携した開発型PBL(Project-Based Learning):製品試作、エネルギー制御、医療機器開発など
- 留学生との共修プロジェクト:SDGs達成に向けた技術提案を英語で実施
- 埼玉県・さいたま市とのインフラ・都市課題連携:AIを使った避難所配置計画など
- **学内テクノ工作センター(3Dプリンタ、工作機械あり)**を学生が活用し、ものづくりを実践
学生の雰囲気|堅実で協調的、“実力で勝負する”タイプが多い
- 首都圏出身者が多く、落ち着いた雰囲気と地道な努力家タイプが多い
- サークルや起業・インターンにも積極的な「行動派」も増えてきている
- ゼミや卒研では、助け合い・役割分担・発表練習などチームワークが重視される
- 外国人留学生や帰国生もおり、グローバルな刺激があるキャンパス
就職・進路|メーカー・IT・公務員・大学院進学まで非常に幅広い
● 主な就職先
- 製造・技術開発系:本田技研工業、トヨタ、日立製作所、住友化学、TDKなど
- 情報・IT企業:NTTデータ、NEC、楽天、富士通、Yahoo!Japanなど
- 社会インフラ・建設系:東京ガス、JR東日本、大林組、清水建設
- 官公庁・自治体技術職:埼玉県庁、国交省、環境省、さいたま市など
● 大学院進学(約4割)
- 埼玉大学大学院 理工学研究科
- 東大・東工大・筑波大など他大学への進学も実績多数
保護者の方へ|どんな子におすすめ?
- 数学や理科が好きで、理論を「社会の中で使いたい」と思っている子
- 工学的な発想で、未来の都市・社会・技術に貢献したい子
- 自分で考え、自分の手で試して、粘り強く取り組める子
- AI、再生可能エネルギー、SDGs、グローバル課題に関心のある子
- 自分の専門を活かして、地元・世界の両方で活躍したいと考えている子
子: 埼玉大学の工学部って、“技術を学ぶ”場所じゃなくて、“技術で誰かの役に立つ方法を学ぶ”場所なんだ。
親: 本当にそうね。社会とちゃんとつながった学びって、大学の4年間でこそできることだわ。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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