「東大の工学部」って?未来をつくる頭脳と技術の拠点
親: 東京大学の工学部って、理系の中でもトップって言われるけど、どんな勉強をしてるの?
子: うん、「知識をつくるだけじゃなくて、社会に活かす」っていうのが東大工学部のスタイルなんだ。ロボティクス、AI、エネルギー、都市計画、バイオテクノロジー、ナノテク、どの分野も世界最先端で、しかも社会との接点が強い。
親: 難しい勉強をしてるだけじゃなくて、ちゃんと実社会にもつながってるのね。
子: そう。「理論と実践の融合」を掲げていて、社会課題の解決を本気で考える技術者・研究者が育つ場所だよ。
学部の特徴|「東大らしさ」が詰まった13の工学系専攻
東京大学 工学部は、**進学振分け制度(2年後期から学部所属)**により、理科一類の学生の多くが目指す進路です。3年次以降は下記の13専攻のいずれかに進み、専門を深めます。
- 機械工学科:ロボット、流体、熱、設計など、ものづくりの根幹を学ぶ
- 航空宇宙工学科:航空機・ロケット・宇宙開発技術
- 電気電子工学科:半導体、通信、ナノデバイス、回路設計
- 情報工学科:AI、機械学習、ソフトウェア、IoT
- 応用化学科:材料開発、環境化学、触媒反応、分子設計
- 化学システム工学科:プロセス設計、化学産業、持続可能な開発
- マテリアル工学科:金属、セラミックス、高分子などの先端材料
- 建築学科:設計・都市計画・歴史意匠・建築構造など
- 都市工学科:交通、環境、まちづくり、インフラ整備
- 土木工学科:防災、地盤、構造、交通システム
- システム創成学科:工学の枠を超えた総合的課題解決
- 精密工学科:医療機器、光学、制御、ナノスケールの精密技術
- 原子力国際専攻(大学院進学前提):次世代エネルギー・原子力政策
学びのステップ|1年次〜大学院までの道のり
● 1〜2年次:教養学部で基礎+視野を広げる
- 駒場キャンパスで学ぶ教養教育
- 数学・物理・化学・情報を徹底的に学び直し
- 第二外国語、哲学、歴史など文理融合の講義も受講
- 学びのベースを広く厚く築く時間
子: 工学部に行く前に、「なんでその技術が社会に必要なのか?」を考える視点を教養で育てるんだよ。
● 2年後期〜4年次:本郷キャンパスで専門へ
- 自分の専攻での研究室配属
- 実験・演習・設計課題などの実践的科目が増える
- 最先端の研究に早くから関われるのが東大の魅力
- 海外短期派遣・国際会議・企業連携プロジェクトなど機会も豊富
● 卒業研究&大学院進学
- ほぼ全員が大学院(修士)に進学
- 修士ではより高度な研究と発表、学会参加、企業インターンなど
- 博士課程に進む学生も多く、次世代の技術リーダーへ
教育環境・研究施設|本郷キャンパスの圧倒的スケール
- 最先端ラボ・クリーンルーム・実験棟が多数
- 東京大学先端科学技術研究センターとの連携も強い
- 地震工学や再生エネルギーの大型実験施設
- 起業支援拠点「FoundX」やスタートアップ連携も活発
- 他大学・海外大学との共同研究・留学支援あり
学生の雰囲気|「天才」より「粘り強い努力家」
- 数学や物理が得意な学生が多いが、意外と穏やかで謙虚
- 自分の得意分野を深堀りし、仲間と議論しながら伸ばす雰囲気
- 研究・課外活動・プログラミング・起業・留学など多様な挑戦を応援
- クラスの競争よりも**「協働で社会に貢献」する意識が強い**
主な進路|技術者から研究者、官僚、起業家まで
- 大手メーカー(トヨタ、ソニー、日立、三菱重工、東芝など)
- コンサル・外資(マッキンゼー、BCG、Google、Appleなど)
- 官公庁(国土交通省、経済産業省、内閣府など)
- アカデミア(東大・MIT・スタンフォードなどで研究継続)
- 起業・ベンチャー(AI系スタートアップ創業者も多数)
子: 工学って「モノづくり」だけじゃなくて、「未来づくり」なんだって思うようになった。
保護者の方へ|どんな子に向いている?
- 論理的に考えるのが好きな子
- 社会課題に対して自分の手で解決策を考えたい子
- コツコツ努力できて、負けず嫌いな子
- プログラミングや実験、設計などに興味がある子
- 将来は日本だけでなく、世界に影響を与える仕事をしたい子
親: 世界レベルの技術者を目指すって、すごく遠い話に思えたけど、少しずつ積み上げれば、ここで学べるんだね。
子: 東大って「特別な人」じゃなくて、「問いを持ち続ける人」が活躍する場所なんだよ。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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