「三重大の医学部」って?“地域のいのちを支える医師”を育てる場
親: 医学部って、どこも同じように見えるけど、三重大らしさってあるの?
子: あるよ!三重大学の医学部は、「地域医療に強い医師を育てる」ことに特に力を入れているのが特長なんだ。もちろん高度医療も学べるけど、「地域に根差した医療人」の育成という理念が、学びの中心にあるんだ。
親: なるほど。“都会の大病院”だけを目指すわけじゃないのね。
子: うん。都市部でも地方でも「どんな環境でも人と向き合える医師」を育てようとしてるんだよ。
特徴①|“医療の原点”に立ち返る、人間重視の医療教育
● チーム医療・全人的医療の実践力を養う
- 内科・外科といった専門領域だけでなく、総合診療・プライマリケアを重視
- 医師だけでなく、看護師・薬剤師・リハビリ職と協働する“チーム医療”演習
- 高齢者・在宅医療など、実際の暮らしに寄り添う医療観を学ぶ
● 医の倫理・地域社会とのつながりを大切に
- 終末期医療やインフォームド・コンセントに関する深いディスカッション
- 災害医療・公衆衛生にも対応できるよう、多職種連携訓練あり
- 地域住民との対話・ボランティア参加を通じ、“人を見る力”を育てる
特徴②|三重大学附属病院との密接な連携と全国水準の臨床力
- 三重大学医学部附属病院(津市)は、三重県内最大級の高度急性期病院
- 最新の医療機器と診療科を揃えた、実習・研修の拠点
- 地域中核病院(伊勢・松阪・名張・志摩など)とも連携し、県内全域で医療実習が可能
- 実習中には、離島医療や救急現場など、地域特有の医療課題に触れられる機会も
特徴③|6年間のステップと“実践”に根ざした教育の流れ
● 1~2年次:基礎医学と教養で土台を固める
- 解剖学/生理学/生化学などの基礎医学
- 医学英語・論理的思考・プレゼン力なども並行して学ぶ
- 模擬患者(SP)との面接演習で“人としての接し方”の第一歩を学ぶ
● 3~4年次:臨床科目と実践的講義へ
- 内科系・外科系・精神・小児・産婦人科など、診療科の知識を幅広く習得
- 実際のカルテを用いたケーススタディで「考える力」を強化
- 総合診療・地域医療論では、“患者の背景”を重視した医療を学ぶ
● 5~6年次:地域と病院での臨床実習
- 三重大病院と県内複数地域の診療所を回る臨地実習(ローテート方式)
- 地域医療教育センターの支援で、遠隔地での医療活動も安心サポート
- 医師国家試験の徹底対策講座と、仲間同士の自習グループも活発
実習・地域連携例|“現場に強い医師”を育てる体験の数々
- 伊賀市でのへき地医療体験実習(高齢者と向き合う実践)
- 志摩市での離島診療支援活動への同行
- 津市内の小中学校での保健教育・健康相談活動
- 災害時における医療搬送訓練(県庁・消防と連携)
- 模擬診察(問診~説明)を実施するOSCE演習で医師としての判断力を養う
医学部生の雰囲気|落ち着いていて、地域志向のある仲間が多い
- “都会志向”というより、“地元に貢献したい”という志を持つ学生が多数
- 勉強は大変だが、助け合いながら乗り越える雰囲気がある
- 三重県出身の学生だけでなく、全国から志高い学生が集まる
- 医療系以外の部活動・ボランティア活動にも積極的な人が多い
- 地元病院の医師との距離が近く、将来を見据えた相談がしやすい
卒業後の進路|三重で働く?全国で活躍する?選べるキャリア
● 国家試験合格後の進路
- 三重大学病院での初期研修 → 各診療科の専門研修へ進む学生が多数
- 県内中核病院(松阪中央病院・伊勢赤十字病院など)でも研修可能
- 地域枠入試で入った学生は、一定期間、地元医療機関での勤務義務あり
● 主な専門分野とキャリア
- 総合診療医/家庭医/小児科/救急/産婦人科など幅広く
- 高齢化地域を支える在宅医療の分野での活躍も注目
- 医学研究者・公衆衛生医師・行政官など、多彩なキャリアが広がる
● 大学院進学や留学も選択肢に
- 三重大大学院での研究医コース(MD-PhD)
- 海外の医療機関や大学との連携による国際医療研修も選択可
- 文部科学省・厚労省の専門職派遣制度など、将来の選択肢は豊富
保護者の方へ|こんなお子さんにぴったり!
- 医師という職業に使命感を感じている子
- 地域や人とのつながりを大切にしながら働きたい子
- 医療に必要な“科学的知識”と“人間力”の両方を学びたい子
- 地方から医療を支える、社会貢献型のキャリアを歩みたい子
- 真面目で、コツコツと努力を積み重ねられるタイプの子
子: 三重大学の医学部に来て、「医療って“技術”じゃなくて“人と向き合うこと”なんだ」って感じたんだ。
親: 地域を支える医療人。とても重いテーマだけど、だからこそやりがいがあるのね。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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