「工学部」って? 社会と地域を“技術の力”で支えるプロを育てる場所
親: 地方の国立大の工学部って、どんな学びがあるのか気になるわね。大きな企業に就職できるの?
子: 三重大学の工学部はね、地元の産業や社会課題に根ざした“地域密着型”の学びが魅力なんだよ。もちろん大手企業への就職実績もあるし、全国的にも評価されてるんだ。
親: なるほど。都会の大学とはまた違った強みがありそうね。
子: そうそう。たとえば「防災」「環境」「地域インフラ」みたいな、社会に直結するテーマを実践的に学べるのが強みなんだ。
しかも、実験や演習の多さ、先生との距離の近さ、地域連携のプロジェクトの豊富さが、他の工学部とは一味違うんだよ。
分野構成|6つの領域で、地域も世界も支える“実践工学”を学ぶ
三重大工学部では、以下のような多彩な専門分野で技術を探求できます。
- 機械工学コース:エネルギー、ロボット、精密加工、熱流体力学など
- 電気電子工学コース:通信、電力制御、回路設計、AI・IoT分野
- 建築学コース:設計・意匠・構造・環境設備・都市計画を幅広く学ぶ
- 化学工学コース:材料開発、バイオ、環境浄化、エネルギー応用など
- 知能情報工学コース:プログラミング、人工知能、システム制御
- 総合工学コース:複数の分野を融合的に学ぶ実験・実践型プログラム
子: とくに建築・環境・防災分野には力を入れていて、「地域の安全・安心」を科学で支えるっていう使命感が根付いてるんだ。
学びのステップ|“現場に根ざす”4年間で社会実装力を磨く
● 1年次|基礎を徹底+地域と関わる導入体験
- 数学・物理・化学など工学の共通基礎を習得
- キャリア教育や工学実践入門で将来像を描く
- 地域の課題解決ワークショップ(例:津市の防災マップ作成)
● 2年次|専門知識を深めながら、手と頭を動かす
- 各コースごとの専門科目と演習がスタート
- 「機械製図」「電気回路実験」「建築設計演習」など手を動かす授業が多い
- 地域の企業と連携した技術開発プロジェクトにも参加可
● 3年次|研究室配属+実社会との接点が本格化
- 研究室に入り、個人テーマに沿って研究開始
- 地元企業でのインターンシップ、産学連携プロジェクトが本格化
- 地域課題(防災、空き家再生、バリアフリー設計など)に取り組む実習あり
● 4年次|卒業研究で“自分だけの成果”をまとめる
- 指導教員のもとで研究の集大成を発表
- 工学的手法による課題解決のプレゼン大会も実施
- 一部の学生は大学院進学を見据えて論文投稿に挑戦
親: 地元や企業と関わりながらの学びって、社会に出たときに役立ちそうね。
子: うん。実験で失敗して試行錯誤した経験や、企業の現場を見てきたことって、就職活動のときにすごく強みになるんだよ。
特色あるプロジェクト例|“地域密着×技術”のリアルな学び
- 津波や洪水リスクに備えた地域防災システム設計
- 廃棄プラスチックの再資源化装置の開発(地元企業との連携)
- 伝統町屋を活用した建築設計ワークショップ(熊野古道エリア)
- 高齢化集落のためのIoT見守りシステム構築
- 近隣の中高生向け「理科・ものづくり教室」の企画運営
子: 「大学の中だけじゃなく、外に出て、地域と一緒に学ぶ」って姿勢が、三重大工学部の最大の特色だと思う!
学生の雰囲気|実直で実践派、でもあたたかい仲間たち
- 地元出身の学生が多く、落ち着いた雰囲気
- 誠実でコツコツ取り組む“真面目タイプ”が多数
- プログラミングや機械いじりが趣味の“技術大好き”タイプも
- 研究室・課外プロジェクトでのつながりが強く、人間関係は良好
- 公務員や企業を目指す現実的で堅実な進路志向が多い
親: なんだか“しっかり者”って感じの学生が多そうね。
子: うん。都会の派手さはないけど、そのぶん学びに集中できるし、自然も多くて過ごしやすいよ!
就職・進路|“地域の技術者”から“全国区のエンジニア”へ
● 主な就職先
- 中部電力、東海旅客鉄道(JR東海)、三重交通などインフラ系
- トヨタグループ、デンソー、日立、川崎重工など製造業
- 三重県庁、市役所、国土交通省(技術職)
- 地元建設会社、設計事務所(建築・土木分野)
- 大学院進学(三重大学大学院 or 他大学院)
● キャリア支援の特色
- 地元企業とのコネクションを活かした合同説明会・OB交流
- 技術職公務員試験の対策講座・模擬面接支援あり
- 教員との距離が近く、個別の進路相談が手厚い
子: 特に“地元志向”と“技術で地域貢献したい”っていう学生には、めちゃくちゃ合う環境なんだよ。
保護者の方へ|どんな子におすすめ?
- コツコツ努力しながら、社会の役に立ちたいと思っている子
- 機械・電気・建築など「形にする学び」に魅力を感じる子
- 地域や人の課題に向き合い、技術で解決したい子
- 手を動かすのが好きで、実験・ものづくりにワクワクできる子
- 落ち着いた環境で、深く腰を据えて学びたい子
子: 地方国立だからこそ、学生の一人ひとりに目が届いて、先生も丁寧に見てくれるのがありがたいんだよね。
親: 地域とのつながりも深くて、就職支援も手厚いなら、安心して通わせられるわ。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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