「全部英語で授業」って本当?早稲田大学国際教養学部のリアルな姿とは【親向け】

国際教養学部

「授業が全部英語って、本当にやっていけるんでしょうか?」

国際教養学部を志望する生徒から、私は何度もこの質問を受けてきました。

たしかに、早稲田大学の国際教養学部(SILS)は、授業の多くが英語で行われるユニークな学部です。でもそれは、単なる語学力だけでなく、「世界の多様性に触れ、考える力を養う学び」だということを意味します。

この記事では、SILSの学びの中身や学生の雰囲気、進路、どんな子に向いているかを、保護者の目線でしっかりとご紹介します。


SILSの学びは“英語で考える”という挑戦

早稲田大学国際教養学部では、1年次から英語による授業(主に英語圏の教員によるリベラルアーツ教育)が行われます。文学、社会学、国際関係、哲学、環境学など、専門分野は幅広く、テーマもグローバルです。

もちろん、英語を「目的」にするのではなく、「ツール」として使いこなしながら、自分の専門を深めていくのがこの学部の特徴です。

海外大学への留学が原則必須(国内生の場合)となっており、学年の途中で1年間留学に行くことも大きな特徴です。この経験が、卒業後の進路や価値観にも大きな影響を与えているようです。


国際色豊かな学生たちの雰囲気とは?

SILSには、帰国子女や留学生、インターナショナルスクール出身の学生も多く在籍しています。その一方で、日本の一般的な高校から進学した学生も数多くいます。

共通しているのは、「多様性を尊重できること」。

  • 海外経験がなくても、自分の視点を持ちつつ他者に耳を傾ける
  • 英語力はあっても、謙虚で協調的
  • 自分の考えを発信する意欲がある

といった性格が好まれる傾向にあるようです。

サークルや課外活動にも積極的な学生が多く、グローバル感覚と日本的な協調性を併せ持った学生が多い印象です。


「向いている子」ってどんなタイプ?

SILSに向いているのは、単に英語が得意な子だけではありません。

こんな特徴のお子さんにおすすめです:

  • 英語での発信・議論に意欲がある(話すのが得意でなくてもOK)
  • 多様な文化・価値観に興味がある
  • 留学や異文化体験にポジティブ
  • 明確な“専門”が決まっていなくても、好奇心が広い
  • 社会課題に関心がある(ジェンダー、人権、環境問題など)

「ひとつのことを極める」というより、「幅広いテーマを横断的に考えたい」タイプの子には、ぴったりの環境です。


就職・進路:“英語ができる”だけじゃない強さ

SILS卒業生は、次のような分野に進んでいます:

  • 外資系企業・商社・コンサルティングファーム
  • メディア・出版・広告・IT企業
  • 国際機関、NPO、NGO
  • 大学院進学(国内・海外)

就職に強い理由は、「英語ができるから」ではありません。英語を使って“考える”“発信する”経験、留学で得た国際的な視野、自分で自分を動かす力が、就職市場で評価されているのです。

「英語+何ができるか?」が問われる時代に、SILSの卒業生はその答えを持っている人材として評価されています。


偏差値・入試情報

パスナビ(旺文社)によると、早稲田大学国際教養学部の偏差値は70(2024年度参考)です。

※出典:https://passnavi.obunsha.co.jp/univ/3190/difficulty/

入試方式は複数あります。

  • 一般選抜
  • 帰国生・AO入試(国際型の評価方式)

など

特に英語力は合否に大きな影響を与えるため、準備段階から外部試験や英語プレゼンの練習などが重要になってきます。


学費・キャンパス・親が気になること

SILSの学費は、早稲田大学の文系学部としてはすこし高めな水準です。早稲田のキャンパスは、非常に活気に満ちあふれており施設も充実しています。

授業は基本的に英語ベースで行われ、自然と日常生活の中で英語力が磨かれます。

親として気になる「帰国後のケア」や「就職支援」も充実しています。


保護者や学生のリアルな声

「子どもが“英語で専門を学ぶ”ことに挑戦したいと言い、最初は不安もありました。でも今では、視野の広さや積極性が段違いに育っていると感じます。」(保護者・東京都)

「いろんな国から来たクラスメートと一緒に学ぶ毎日は、本当に刺激的。英語“だけ”じゃない学びがあります。」(学生・2年)

「留学経験が自分の価値観を変えた。社会課題に関心を持って進路も変わった。」(卒業生・国際NGO勤務)


まとめ:「英語で世界と関わる力」を育てる学部

早稲田大学国際教養学部は、語学のための学部ではありません。英語という手段で、“世界と関わる力”を育てる場所です。

将来の進路がまだ決まっていないお子さんでも、好奇心があり、多様な視点を楽しめるタイプであれば、4年間の学びは間違いなく実りあるものになるでしょう。

保護者としても、「グローバルな人材」という言葉の意味を、具体的に実感できる学部だと思います。


本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が、保護者の方に向けて執筆しました。最新の入試情報は、必ず大学公式サイトをご確認ください。

参考リンク:

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