「海を学ぶってどういうこと?」食・環境・資源に向き合う学部
親: 水産学部って、魚の勉強をするってイメージだけど、実際にはどんなことを学ぶの?
子: 魚だけじゃなくて、海や川、環境、食料資源、養殖、海洋工学まで幅広く扱うんだよ。鹿児島大学の水産学部は、桜島や錦江湾、東シナ海という豊かな自然に囲まれてて、実践的な学びができることで有名なんだ。
親: 鹿児島って、たしかに海に恵まれているもんね。
子: うん、船に乗っての実習や研究施設での観察、沿岸地域との連携が多くて、まさに「現場主義」の学部なんだ。
海洋と共生する人材を育てる3つの学びの柱
海洋生物・水産資源の科学
- 海の生態系、魚類の繁殖・行動、生物多様性を調べる
- サンゴ礁・干潟などの沿岸生物の保全・再生にも取り組む
水産業・食料生産の持続可能性
- 養殖・漁業の技術、海洋資源の管理、食品加工などを学ぶ
- 鹿児島特有のブリ・カンパチなど養殖魚を題材に実践的な研究
環境保全・海洋利用の工学・政策
- 海洋汚染防止、海流や潮流の解析、漁港設計や船舶の開発
- 水産業の国際ルールや政策、資源の国際協力も視野に
子: 生き物の研究をしたい人も、環境や工学系が得意な人も、食に関心がある人も、それぞれの興味に合わせた分野が選べるんだ。
学びのフィールドは「海」そのもの|現場とつながる実習多数
- 錦江湾・東シナ海を舞台にした海上調査・観測
- 実験船「かごしま丸」での長期航海実習(魚群調査や環境分析)
- 水産実験場・養殖施設での飼育・管理・収穫体験
- 地元水産業者・漁協・食品会社と連携した現地実習・見学
- 海洋プラスチック問題への学生プロジェクトも実施
親: 海の上での学びって、すごくリアルね。
子: うん、本物の自然に向き合って、自分の手と目で確かめるのが、この学部の醍醐味だよ。
学生の雰囲気|自然と向き合う探究心と、のびのびした空気
- 生き物好き・釣り好き・アウトドア派の学生も多い
- 真面目で研究熱心なタイプと、現場が好きな実践型の学生が混在
- 実習やグループワークが多く、協調性やチームワークが育まれる
- 地元出身の学生もいれば、全国から「海を学びたい」学生も多数
親: 理系っていうより、“体で覚える”感じもあるのかしら。
子: そう!フィールドに出て、海を知り、社会に活かすっていう視点があるから、アクティブな学びが好きな子に向いてるよ。
就職・進路|“食”と“環境”のプロとして幅広く活躍
主な就職先
- 水産庁・農林水産省・国土交通省などの国家公務員
- 県庁・市役所の水産・環境・港湾担当
- 食品メーカー(加工・流通・品質管理)
- 漁協・水産会社・養殖企業・商社
- 海洋環境コンサルタント・港湾設計・海洋工学企業
- 研究機関・大学院進学(海洋学・環境学・資源管理など)
資格取得や支援制度
- 潜水士や小型船舶操縦士などの関連資格支援
- 教員免許(理科/水産科)取得も可能
- 地域貢献型プロジェクトを通じた社会実践力の強化
子: 海のことを専門にしてるから、ニッチだけど必要とされる仕事が多いんだ。鹿児島発で、全国・海外に羽ばたく人もいるよ。
保護者の方へ|こんなお子さんにおすすめです
- 海や川、生き物に興味がある子
- 食料や資源、環境問題に関心がある子
- 机の上だけでなく、現場で体験しながら学びたい子
- 将来、水産業や食品・環境系で働きたいと考えている子
- 地域貢献やSDGsに関心がある子
親: 海って遠い存在に思ってたけど、暮らしや未来に関わる大事なテーマなのね。
子: 鹿児島大学の水産学部では、海のことを知って、守って、活かす力をつけられるよ。水産学=未来の食と環境を支える学問なんだ。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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