「園芸学部」って?食・緑・環境の未来を支える学びのフィールド
親: 「園芸」っていうと花とか野菜を育てるイメージだけど、大学で何を学ぶの?
子: 実は「園芸」は、植物・農・食・環境・デザインまで含む広い分野なんだ。千葉大学の園芸学部は、自然と人の共生や食の安全、緑のまちづくりなど、これからの社会に欠かせないテーマを学ぶ、日本で唯一の園芸学部なんだよ。
親: 日本で唯一?それはすごいわね。
子: うん。しかも100年以上の歴史がある学部で、科学・技術・芸術・文化の融合がキーワードなんだ。研究だけじゃなくて、現場との連携がすごく強くて、**「フィールドの学び」**が中心なんだよ。
学部の特徴|「植物」「緑」「食」「環境」を多面的に探究
- 植物の栽培から品種改良、環境と共生する都市緑化までを学ぶ
- 食品の生産・加工・流通・安全までを扱う「食と農の科学」も重視
- 科学・デザイン・マネジメントなど、多分野を融合した教育
- 社会との接点が多く、農家・企業・自治体・NPOなどとの連携も活発
- 全学部共通で**“フィールドベースドラーニング”**を重視
学びのステップ|実験とフィールドで体験を重ね、専門性を磨く4年間
● 1年次:園芸学の全体像にふれる+自然科学の基礎を学ぶ
- 植物生理学・土壌学・気象学・遺伝学の基礎
- 千葉大学独自の「園芸リテラシー科目」で園芸の社会的意義を学ぶ
- グループワークや農場実習で、仲間と一緒に“手を動かす”経験
● 2年次:専門領域へ分かれ、実験・実習が本格化
- 作物学・育種学・生物統計学・果樹・花卉(かき)・造園・流通などの専門科目
- 作物や樹木の育成、食品加工実習、緑地設計演習など、現場で試す授業が充実
- 学外研修や見学旅行も多く、実際の農園・企業・施設との接点を持つ機会も豊富
● 3年次:研究室配属+長期プロジェクト型の学びへ
- 研究室に所属し、「自分のテーマ」を見つけていく時期
- フィールドでの観察→データ取得→解析→論文という研究の一連を体験
- 地元自治体や企業と連携した「まちづくりプロジェクト」も多数
- 例:都市公園の植生管理、地域特産品開発、花のまちPR戦略 など
● 4年次:卒業研究+社会実装型のプレゼン・提案
- 研究例:
- 「LEDによるイチゴの光合成促進」
- 「都市農園の高齢者福祉への効果」
- 「流通経路と食品ロスの因果分析」
- 「緑地デザインと生態系保全のバランス」
- 学会発表・展示・ワークショップなど外部発信にも積極的
- 就職活動と並行して、自分の専門性を言葉にする訓練も
フィールドと研究|“土と空の匂いがする学び”
- **松戸キャンパス(広大な実験農場)**を中心に学外での活動が豊富
- 果樹園・植物工場・庭園設計スペースなど多様な施設が併設
- 近隣自治体(松戸・柏・市川など)と共同の地域づくりも活発
- 食品加工施設・緑地設計ソフト・ドローン計測など先端技術も導入
- 農業高校・園芸企業・行政との産学連携プロジェクトも進行中
学生の雰囲気|穏やかで自然派、でも実はとても“科学的”
- 「自然が好き」「植物や食に興味がある」学生が多い
- おっとりして見えて、研究・プレゼンでは驚くほど論理的で熱心
- 男女比はほぼ均等で、多様な個性がのびのびと過ごせる空気感
- チームで農園運営をしたり、花の展示会を開いたりと協働型が多い
- 教員や先輩との距離も近く、面倒見の良さが魅力と語る学生多数
主な進路|農業・食品・環境・まちづくり・教育まで多彩
● 就職先(例)
- 食品メーカー(キユーピー、味の素、明治、ヤクルトなど)
- 農業系企業(タキイ種苗、サカタのタネ、クボタなど)
- 環境系コンサル・造園会社・都市開発企業
- 公務員(農林水産省、県庁農政部門、都市緑化課など)
- 中学・高校の理科・農業教員
- 地域おこし協力隊や起業も一部あり
● 大学院進学
- 千葉大学大学院 園芸学研究科/園芸学府
- 農学・環境学・生物資源学系の他大学院へ進学する学生も多数
保護者の方へ|どんな子におすすめ?
- 植物・農業・食・自然環境に関心がある子
- 土に触れる体験や、手を動かす学びが好きな子
- “実験だけでなく実践も”大切にするタイプ
- 社会課題を地域レベルから考えてみたい子
- 温かい空気の中で、のびのびと自分を表現したい子
子: 園芸学部って、「花を育てる」だけじゃなくて、「社会と自然をどうつなぐか」を考える場所だったんだって気づいたよ。
親: それは素敵ね。科学も人とのつながりも、大切にできる学びって、今の時代にぴったりかもね。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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