「繊維学部」って?“服をつくる”だけじゃない、未来の素材と社会を支える学問
親: 繊維って聞くと、服とか布のイメージだけど…大学で何を学ぶの?
子: 実はね、「繊維」って最先端なんだよ。ナノ材料・医療素材・航空宇宙・再生医療・環境分野まで、現代のハイテク産業の根っこを支えてるのが“繊維”なんだ。
信州大学の繊維学部は、世界で唯一の学部として、あらゆる「細くて長いもの」に関する科学技術を極めてるんだよ。
親: 世界で唯一!? それはすごいわね。じゃあ、服を作るだけじゃなくて、未来の技術も扱うのね。
子: そう!ここは「繊維=素材=未来の産業」ととらえる場所なんだ。
信州大学 繊維学部の特徴|「素材・生命・感性」から社会を変える理工学部
● 世界で唯一の“繊維学部”としての誇り
- 1901年創立の「上田蚕糸専門学校」がルーツ
- テキスタイルから最先端複合材料、バイオ医療、感性工学までカバー
- 海外の繊維大学や研究機関と連携し、グローバルにも活躍可能
● 4つの分野が融合する“文理横断型の理工学”
- 先進繊維・感性工学分野:デザイン・人間工学・感性評価
- 化学・材料分野:ナノ材料、再生可能資源、機能性繊維の開発
- 生物・生命医工学分野:細胞工学、人工皮膚、医療用繊維など
- 機械・ロボティクス分野:ウェアラブルデバイス、繊維ロボット開発も!
● 「モノづくり+人+社会」をつなげる教育理念
- 製品設計から社会実装まで、素材を通じた課題解決力を育成
- SDGsやカーボンニュートラル、ジェンダー視点のモノづくりにも力を入れる
- 地元産業・世界的企業との連携研究も多数
学びのステップ|異分野を横断しながら“自分の専門”を見つけて深める4年間
● 1年次:繊維の世界に触れる“入門”と理工系の基礎固め
- 工学基礎(数学・物理・化学)とともに、繊維学の概論を学ぶ
- 製品解剖・素材比較など「手を動かす導入演習」も実施
- 学科横断型の授業で、分野の垣根を越えて学び始める
● 2年次:分野別に専門知識とスキルを積み重ねる
- バイオマテリアル、感性設計、ポリマー合成、機能性衣料など多様な講義
- 実験・演習を通して、素材・構造・反応・力学などの理論を現実に応用
- 学科選択とともに、自分の興味に合わせて進路を明確に
● 3年次:研究室所属&テーマ探究のスタート
- ゼミ活動・研究室プロジェクトに加わり、専門領域の実践へ
- 社会課題(環境・健康・感性価値)にアプローチする演習も充実
- 企業インターンや共同研究に参加する学生も多数
● 4年次:卒業研究に1年集中+キャリアの決定期
- 繊維に関わる最先端テーマを自分で設定し、研究・発表へ
- 学会発表や産学連携イベントなどアウトプット機会も豊富
- 大学院進学/就職に向けた面談・講座・OBOG交流も活発
実際の研究・プロジェクトの例|「繊維」でここまでできる!
- 人工血管・医療用パッチなどの高分子繊維によるバイオマテリアル開発
- 衣服型センサーやウェアラブル端末の研究
- 宇宙服や防弾チョッキ用の超耐熱素材の開発
- 地元産業と連携した繊維産地再生プロジェクト
- **触感・色・音による“感性評価”**を活かした製品デザイン支援
子: まさか「繊維」が医療とか宇宙にまでつながるなんて、想像してなかったよ。
親: 本当に、“未来を織る”って言葉がぴったりな学部ね。
学生の雰囲気|探究心と多様性が交差する“知的に自由な”空気
- 理系の中でも「素材・人・社会」にバランスよく興味を持つ学生が多い
- 服やテキスタイルが好きな人、医療に興味がある人、環境問題を考える人…多様!
- 真面目で穏やかな雰囲気ながら、作品展や研究発表には熱量を注ぐタイプ
- 国際交流や留学制度もあり、海外志向の学生も増加中
子: みんな得意な分野が違うからこそ、刺激があるし、コラボも楽しい!
就職・進路|「素材×〇〇」で広がる、未来の専門職キャリア
● 主な進路
- 繊維・化学・素材メーカー(開発・設計・研究・品質管理)
- 医療・医薬系企業(医療素材、バイオデバイス開発など)
- 家電・自動車・IT企業(機能性素材・人間工学・センシング設計)
- アパレル・デザイン関連企業(製品開発・UXデザインなど)
- 大学院進学(繊維学/生命医工学/デザイン工学など)
● 支援体制
- 学科別キャリア指導+ポートフォリオ指導+OBOGネットワーク活用
- 産学連携インターン/学内企業説明会/海外研修制度あり
- 技術士補、繊維製品品質管理士、色彩検定など資格取得支援もあり
保護者の方へ|こんなお子さんにぴったり!
- 理科やものづくりが好きで、素材や構造に興味がある子
- 医療・環境・デザインなど、多分野と関わりながら専門を活かしたい子
- 将来、製品開発・研究・教育などで「社会に役立つ仕事」をしたい子
- 感性や人間の暮らしに関心があり、「人に寄り添う技術」に魅力を感じる子
- グローバルな視点で働きたい/地域に根ざした産業を支えたいという思いがある子
子: 「繊維学部」って聞くと地味に思われがちだけど、実は“未来のフロントライン”なんだよ。
親: 素材から社会を変える…そんな大きな可能性があるって、すごく頼もしいわね。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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