「法文学部」って、どんなところ?法律だけじゃない、社会全体を読み解く学び
親: 法文学部って名前からして、法律と文学?ちょっと変わった組み合わせね。
子: そう思うよね。でも、島根大学の法文学部は“人と社会”を多角的に理解するための学部で、「法学・政治・経済・地域社会・文化」まで幅広く扱ってるんだよ。名前に「文学」とあるけど、実際はかなり実践的で現代社会に直結した学びが中心だよ。
親: 文系総合学部って感じかしら?でも、就職とか大丈夫?
子: 実は公務員志望がすごく多い学部なんだよ。法律・政策・経済をベースに、行政や地域、国際関係まで幅広い道があるから、就職にも強いのが特長なんだ。
学部の特徴|「法学・経済・社会・文化」を一体的に学ぶ、国立大ならではの融合型文系学部
島根大学 法文学部では、以下のような学問を横断的・融合的に学びます。
● 法学・政治学
- 憲法・民法・刑法・行政法など、法律の基礎を体系的に学習
- 地方自治・国際政治・選挙制度・社会運動など、政治の現実にも接近
- 実際の判例やニュースをもとに考える演習形式の授業も充実
● 経済・経営・政策
- マクロ・ミクロ経済、財政、公共政策、企業経営などを広くカバー
- 島根の地域課題(人口減少・観光・交通など)を経済的に分析
- 経済統計・データ分析・プレゼンテーションの実践型学習
● 社会・地域・文化
- 島根の地域文化や歴史、生活と伝統をフィールドで調査
- 移住・過疎・地方創生など、ローカルな社会問題を研究対象に
- メディア・教育・ジェンダー・国際協力などのテーマも扱う
子: 単なる法律知識や歴史の暗記じゃなくて、**「社会の中でどう使えるか」**が問われる学びなんだ。今の時代、こういう“応用できる文系”って強いと思う。
学びのステップ|自分の「問い」を育てて、社会にぶつける4年間
● 1年次|基礎を広く学び、「自分の関心の軸」を見つける
- 法・経済・社会・文化の導入科目をまんべんなく履修
- 少人数セミナーでディスカッションやプレゼンの練習
- 地域フィールド見学や新聞講読など、“社会を見る目”を養成
● 2年次|演習中心の学びで、自分の得意分野を深める
- 分野別に分かれたゼミに参加し、テーマ別学習がスタート
- 法律模擬裁判・経済分析・地域調査・文献批評など体験型授業多数
- 公務員試験対策や企業研究もこの時期から始まる
● 3年次|専門ゼミで本格的な研究+実地調査
- 少人数の研究ゼミで調査・発表・ディスカッションを重ねる
- 地方行政との連携調査/地域政策提案型プロジェクトなども経験
- 法律相談・模擬裁判・地方議会の傍聴やインタビュー活動もあり
● 4年次|卒業研究を通じて「社会に向けたメッセージ」を形に
- 卒論テーマ例:「地域交通政策の再設計」「高齢者福祉と自治体支援」「中山間地域と災害対策法の現状と課題」など
- 法学・社会学・経済など複数の視点から構成する学生も多い
- 卒論発表会・ポスターセッションで成果を社会に発信
親: ずっと教室で本を読んでるようなイメージがあったけど、現場に出て調べたり、話し合ったりすることも多いのね。
子: うん。特に“島根という地域性”を活かして、リアルな社会課題を相手に学べるのが強みなんだ。
実習・調査活動の例|“地方の課題”を自分の足で見つけ、自分の言葉で提案する
- ● 法律系:模擬裁判、模擬法律相談会、法教育イベントの企画
- ● 経済系:松江市中心部の商店街再生調査、観光経済の地域分析
- ● 地域社会系:出雲・石見地域での住民インタビューや歴史文化調査
- ● 地域政策:高齢化地域における防災・移動支援策の提案プロジェクト
- ● メディア・文化系:地域ラジオとの連携番組制作、多文化共生イベント運営
子: 他の国立大に比べて“実地で動く文系”の比率がかなり高いと思う。授業で終わらせない、社会に踏み込む力がつくよ。
学生の雰囲気|“地に足ついた”文系学生たち。まじめで対話上手な仲間が多い
- 公務員志望・地域貢献志向が多く、落ち着いた学生が中心
- 経済・法律に強い学生から、地域文化・メディアに興味がある子まで多彩
- 調査・インタビュー・ディスカッションなど“人と話す機会”が多く、自然に表現力が身につく
- 島根出身者と全国からの進学者が混ざり合い、刺激のある環境
親: 地味だけど、しっかり考えてる子が多そうね。
子: うん、「人の役に立ちたい」「社会を良くしたい」って思ってる学生が多いから、自然と協力しあえる空気があるよ。
就職・進路|“文系総合力”で公務員にも企業にも強い、多彩な進路実績
● 主な進路分野
- 地方公務員(市役所/県庁/教育委員会/観光課など)
- 国家公務員(国税専門官/労働基準監督官/法務省職員など)
- 一般企業(金融・保険・流通・メディア・不動産・IT・観光)
- 教育機関・地域支援団体・大学事務など
- 大学院進学(法学・社会学・地域政策など)
● 資格・サポート
- 教員免許(高校地歴・公民)/学芸員資格/社会教育主事任用資格など
- 公務員試験対策講座・小論文演習・面接練習を学内で実施
- 地元自治体とのインターン連携、OBとの交流セミナーも充実
子: 「公務員になりたいけど、法学部はレベルが高そう…」って思ってる人にもぴったり。法律を“社会の中で使う”視点が学べるのがこの学部なんだ。
保護者の方へ|こんなお子さんにおすすめです
- 社会課題に関心があり、将来は公務員や地域に関わる仕事がしたい子
- 法律や経済などに興味があるけれど、ひとつにしぼれない子
- 自分の足で調べ、考え、伝える力をつけたい子
- 地方で生きる力や視点を身につけたいと考えている子
- 将来の選択肢を広く持ちつつ、社会とつながる学びをしたい子
子: “大学で何を学ぶか”が、“社会でどう生きるか”につながるのが、この学部の魅力だったと思う。
親: 地域と向き合いながら、社会の中で必要とされる力を育てられる。そんな4年間になりそうね。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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