【親向け】東京大学文学部のリアル|“THE優等生”が知の海で迷い、そして自由を知った4年間

学びの内容|東京大学文学部ではどんなことを学ぶの?

母:文学部って、哲学から歴史、言語学までいろいろあるみたいだけど、あなたは何を専攻してたの?
子:私は美学芸術学を選んだよ。高校まではずっと答えのある問題に取り組んできたけど、大学では「なぜ人は美を感じるのか」とか、「芸術とは何か」といった問いを、自分で考えるようになった。
母:ちょっと難しそうね…。
子:最初は戸惑ったよ。何が正しいかじゃなくて、自分の視点で論を展開する必要があるから。でも、だからこそ自由でおもしろい。正解がないって、すごく刺激的なんだ。
母:あなたにとって、それは新しい学び方だったのね。
子:うん。「優等生」でいることより、「自分の頭で考える」ことの価値に気づけた4年間だったと思う。

ゼミ・課外活動・資格|“深める力”と“広げる力”のバランス

母:ゼミではどんなことしてたの?
子:近代美術をテーマにしたゼミで、特に日本の洋画運動について調べてた。文献も英語や仏語が多くて、最初は大変だったけど、それが逆に楽しかったな。
母:あんた、昔から知識を吸収するのが好きだったものね。
子:そうだね。でも、ただ知るだけじゃなくて、自分の言葉で表現しようって意識するようになった。論文だけじゃなく、展覧会の企画プレゼンとかもやったし。
母:課外活動もしてたの?
子:うん、学内の学術サークルに入ってて、定期的に研究発表してたよ。仲間と議論する中で、自分が“深めすぎるタイプ”って気づけたのも収穫だったかも(笑)

キャンパスと休日|“知的刺激”にあふれた本郷での日常

母:本郷キャンパスって、やっぱり雰囲気違う?
子:うん、歴史ある建物が並んでて、図書館も本当にすごい。資料の量が桁違いで、時間があればずっとこもってた。
母:休日も勉強してたの?
子:半分はそう(笑)。でもたまに上野の美術館に行ったり、カフェで読書したりしてリフレッシュもしてたよ。本郷って、文化と学問がすごく近い場所なんだ。
母:東京の中心で、刺激的な毎日だったのね。
子:そうだね。自分の好きなことを、深く、自由に探究できる環境だった。

就職活動と進路|“優等生”だからこそ悩んだキャリア選択

母:就職はすんなり決まったの?
子:いや、実は一番悩んだのがそこ。研究職も考えたし、公務員や民間も受けたけど、最終的には外資系コンサルに決めたよ。
母:え、文学部からコンサル!?
子:そう思うでしょ。でも、考える力とか、論理を組み立てる力って、実はめちゃくちゃ求められるの。東大文学部出身の先輩も多くて、意外と相性よかった。
母:たしかに、あんたは人の話を聞いて整理するの得意だもんね。
子:うん、「学んできたことが社会でどう活きるか」を考えるのは大変だったけど、そこも東大だからこそ乗り越えられたと思う。

学生の雰囲気|“知的で静か”だけど“芯の強い”仲間たち

母:文学部って、どんな学生が多いの?
子:一見おとなしいけど、内面に強い探究心がある人が多かったかな。自分の研究に没頭してるタイプが多くて、静かだけど議論は白熱する、みたいな。
母:あなたも似たようなタイプだった?
子:うん(笑)。でも東大は“優秀であること”が前提の環境だから、無理に張り合わなくていい空気があって、その分リラックスして学べたかも。
母:切磋琢磨っていうより、共に深めていくって感じね。
子:そうそう。違う分野の話を聞くだけでもすごく勉強になるし、あの環境はほんとに貴重だった。

一番の思い出|“卒論提出日の、達成感と虚無感”

母:大学生活で一番印象に残ってることってなに?
子:やっぱり卒論の提出日かな。書き上げた瞬間の達成感と、燃え尽きたような感覚が一緒に来て…今でも忘れられない。
母:どんなテーマで書いたの?
子:「明治期の美術批評とナショナル・アイデンティティの形成」っていうテーマ。自分の興味と時代背景をうまくつなげたつもり。
母:あんたらしいわね(笑)
子:ありがとう(笑)。あの日、東大に入ってよかったって、心から思えたんだ。

受験生の親へのメッセージ|“優等生”が自由になれる場所

母:最後に、東京大学文学部を目指す親御さんに伝えたいことある?
子:はい。もしお子さんが「THE優等生タイプ」で、努力が当たり前になってるような子だったら、この学部は本当におすすめです。
母:どうして?
子:「自由な学び」の中で、自分を“枠”から解き放つ経験ができるからです。東大文学部は、「賢くあること」より「考え続けること」を大事にしてくれます。
母:それって、本当の意味での学びね。
子:はい。優等生だからこそ、一度“自分のために”学んでみる。その価値を教えてくれた場所です。

本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。

東京大学
東京大学のオフィシャルサイトです。大学案内、学部・大学院等の紹介、研究活動、国際活動、入学案内等、東京大学の情報をご覧いただけます。
パスナビ|東京大学/偏差値・共テ得点率(ボーダーライン)|2025年度入試|大学受験|旺文社
東京大学の偏差値・共通テスト得点率(ボーダーライン)を掲載<河合塾提供>。他にも合格最低点、過去問、口コミ・評判、入試科目・日程・倍率などを掲載しています。

コメント